記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

アンサンブルズ東京2017 リハからパレード

いよいよ本番当日。
ホテルの窓をたたく雨が恨めしい@@@
午前中からリハがあるので、奥さんたちより先にホテルを出て
いざ東京タワーへ。


すでに、舞台の設営は始まっていて、
あわただしくスタッフさんが動いている。
舞台は、東京タワーの南側の駐車場と、
北側のエントランス広場の2か所あり、
時間に合わせて交互に演目が行われる。
で、現地に初めて来て分かったことなのだが、
実は東京タワーはフラットな場所に建っていなくて、
南側エントランス(2Fだが実際は1F)と北側エントランス(1Fだが実際にはB1)では
まるまる1階分の差がある。
なので、この日はひっきりなしにこのフロア移動をすることになる。
東京タワーは333mもあるのに、地の底を行ったり来たりするのだ。
10:30から、プロジェクトFUKUSHIMAの皆さんと一緒に大風呂敷を敷いて、
一緒にセットを作るはずだったのだが、雨脚がどんどん強くなってしまい、
今からセッティングしてしまうとびしょぬれになってしまうので、
スタートギリギリの13時まで延期になってしまう。
(13時はちょうどリハの時間と重なる@@)


雨ニモ負ケズ


↓スケジュール


いったんB2の大ホールに荷物を置きに行き、
2人でコーラスの練習をしていたが、
まだまだリハには時間がある。
と思い込んで、実際は美雨さんたちとのリハの前に、
大友バンドのリハがあったんだけど、
すっかり頭から抜け落ちてしまっていた。
で、この空き時間に何かもっとできることはないかなあと考えた結果、
浮かんだのがチキン部隊の増産。YES!!
近くで売ってそうなところはないかと色々調べたら、
六本木のドンキまで歩いて行けそう。
大雨が降る中、娘とそこまで大急ぎで行って、
店内をくまなく捜索すると、
チキンが天井からぶら下がっているのを発見。
持参したチキンはLサイズで、こちらはMサイズ。
3羽レジへもっていき、見事増産成功。
意気揚々と控室に戻ると、誰もいない。
アレ?みんなどこ行ったんだろう?
ひょっとして大風呂敷再開?とうろうろしていると、
スタッフのNさんに遭遇。
今何か動いてますかと聞くと、どうも南側で何かがリハ中。
え?????マジ!!!
大急ぎでそちらへ向かうと、ちょうどリハ終わりで皆さんが舞台を下りてきて
「ああ、いたいた!動物チーム」「みんな探してたよー」と皆さん声をかけていただく。
あああ、申し訳ございません@@@
すっかりリハを飛ばしてしまいました@@@
まだ舞台上で打ち合わせをしていた大友さんのところへ行ってみると、
「大丈夫、大丈夫。出たとこ勝負でいきましょう」と言っていただき、
ポジションだけ聞いて舞台を下りる。
トホホ。


↓リハ終わってるやん@@


今一度しっかりとスケジュールを確認し、13時からのリハまでに
タワー内にあるフードコートでお昼ご飯を済ませる。
時間通り13時から北側セットで
美雨さんたちとリハーサルを済ませる(別記事にまとめます)。
戻ってからもほかのメンバーさんたちと動きのチェックしたり
コーラスのチェックを入念に。


14:30となってビッグバンド組は北側エントランスに集合。
ここからまず1組目の芳垣安洋とOrquestaNudge!Nudge!が先発、
大友ビッグバンド組が後発でパレードを敢行して
アンサンブルズ東京2017が幕を開けます。
まずは芳垣組が打楽器を高らかに打ち鳴らし、
それに呼応するように大友隊も音を鳴らす。
チャント合戦がしばらく続いたのち、いよいよパレードがスタート。
やっぱりはじまりは『あまちゃんテーマソング』から!


↓パレード、スタート!!


↓いざ!


楽しい音を拡散しながらゆっくりと東京タワーの内部へとなだれ込みます。
面白いのは人がとにかく多いので、
隊列がどうしても長く伸びてしまうのですが、
そうなると、もう後ろの方の人は
大友さんの指示が全く聞こえないし見えないわけです。
なので、先頭の方でAメロからサビへ転調すると、
前の方から徐々に、グラデーションのようにメロディーが移動していって
それがなかなか面白過ぎる@@@
外は雨とはいえ、やはり東京屈指の観光地ということで、
色々な人が観光に訪れているのですが、
それらの人たちの反応がものすごく面白い。
そらいきなりみやげ物屋の真横でアンサンブルが始まったらびっくりしますわね。
自分たちはしかも、奥さん手製の東京タワーの被り物をして
無我夢中でチキンを振り回しているので、
みな何事ぞとばかりに写真をバシバシ撮っていかれます。
とにもかくにも、みなも大友さんもどんどんヒートアップして、
トランス状態です。イエイ〜祭りだ〜宴だ〜!!


↓なだれ込み〜〜


自分の幸福な音楽の風景としていつも思い浮かべて、
それをいつか実現できたらいいなと思っているものがあり、
それが自分史上ダントツの最高傑作の映画と認定している
エミール・クストリッツァ監督の『アンダーグラウンド』という作品の
一番ラストシーン。
この映画は、ユーゴ紛争で揺れ動く祖国と、
波乱万丈の人生を送る一井の人たちを面白おかしく描いた超大作なのだが、
ラスト、全ての悲劇や喜劇を経て、仲間たちが再び一堂に会して、
ジプシーの猥雑でパワーあふれる音楽を鳴り響びかせるシーンで映画が終わる。
ありあまる生のたぎりと、喜びとが放出される圧倒的なパワーが、
喜怒哀楽のすべて、酸いも甘いも一切合切全てを丸め込んで、
幸福の極みとは何かを強烈に訴えかけるのだが、
まさに、それが今、この東京タワーの下で実現している!!
そしてその輪の中に自分がすっぽりとはまり込んでいる!!
これは夢なのか!?いや間違いなくこれは現実だ!!
奇跡的だ!!
この感情をどうしてよいかわからないまま、
とにかく無我夢中でチキンを鳴らし、踊り、叫び、
ありったけのエネルギーを放出した。
パレードはボルテージを確実に上げながら、
東京タワーを抜け、南会場へ。
そこではすでに舞台上に芳垣組がスタンバイをして、
我々の鳴らす『楽しくてやりたい』を受け止める。
そうしていよいよ、この幸福な音のカタマリが
聖火リレーのごとく彼らへと引き継がれていったのでした。


↓スゴイぞ〜(ph拝借)