記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

イッセー尾形の妄ソー劇場 文豪カバーその2

週末は母親を誘って、京都へ。
小学生ぶりにイッセー尾形の一人芝居を観劇してきました。



子どものころ何度か近鉄アート館に連れていかれて、
見ていたイッセー尾形の一人芝居。
都市生活カタログと称して、
町中に普通に生活している人や光景を切り取って、
面白おかしく表現するというイッセーさんの真骨頂が
自分の演劇の原点の一つ。
『幸せ家族』『駐車場』『マキエダ』などなど、大いに笑ったなあ。


この間、出町座の帰りに國田屋さんでビールをと思って、
河原町通りを歩いていたら、府立文化芸術会館の前を通りがかり、
新作のポスターを発見。
時期的に遅かったので、もうチケットないかなあと思ったら、
ギリギリ駆け込みでゲットできました。
近年は舞台よりも、ドラマや映画での活躍が目覚ましく、
そちらの方で忙しくされていたのだが、
やはりイッセーさんの醍醐味は舞台です。


シンプルな舞台があり、袖には着替えブース。
演目ごとに衣装を変えるのだが、その着替えの様子も
我々観客が見守る。
衣装をまとい、化粧を整えた瞬間に、はたっとスイッチが入り、
役の人間に憑依するのだが、見事というしかない。
どの役柄も人間の酸いも甘いも全部通り過ぎていった人たちの、
しがない日常の一コマを表現しているのだが、
劇を見ているというよりも、
観客1人が同じ現場に居合わせた一人の登場人物として、
同じ悲しみやおかしみを共有するといった風で、
実に味わい深い。
これぞ芸達者、役者冥利といえる劇でした。


終演後はサイン会。
ちょうど小学校時代に観劇した際に買ったTシャツが自宅にあり、
それを着ていったので、お話し盛り上がりました。
母親も大好きなイッセーさんと触れ合えてとても喜んでおりました。
まあ、ちょっとした親孝行でもできたのでしょうか。