記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

flecheトライアルライド 高松~しまなみ海道~とびしま海道~呉

土日のこと。

病み上がってもない状態ながら、

本番までにこの週末しか時間が取れないということで

来月開催のFleche(フレッシュ)の試走に行ってきました。

 

ロングライドを一定時間内にチェックポイントを通過しながら

定められたルートを走り、完走を目指す「ブルべ」という

個人の自転車競技があるのですが、

そのチーム版ともいえるのがフレッシュです。

 

2013年に一度参加し、見事認定されています。

あの時はチーム4名で、伊勢湾を横断しつつ、

ぐるっと427km走破しました。

 

細かいルールは置いておいて、

基本的にフレッシュは、3~5人のチーム編成で、

24時間で360km以上を走りきるというのがルールで、

コースレイアウトはチーム自身が決めます。

走行後に、フレッシュの参加者が一堂に会する場所(ナイスプレイス)が

主催者側で設けられており、そこへたどり着いて認定されます。

今年はAJ広島の主催で、広島県呉市に設定されているので、

そこから逆算をしながら、

わがチームもコースレイアウトしていきました。

 

今回は全コースのうち、中盤~後半にかけてのコースの下見と、

各チェックポイントに指定した店舗(ほとんどがコンビニ)の確認。

この競技は審判などが付きっきりというわけにもいかないので、

チェックポイントでレシートをもらうことで、

その時間にそこを通過したという認定証の代わりを担います。

それを申告することで認定されるという仕組み。

まあ、正直、道も分岐点も全て頭の中に完全に入っているので、

なんら問題はないのですが、

最新の状況(路面の具合、店舗の閉鎖の有無など)を知ったり、

メンバーに走行感や時間的・距離的感覚を

わかりやすく事前に伝えるために

試走は欠かせません。

 

ちょうどこの日、本番の一番最初のセクションとなる明石まで

メンバーのうめさんがトライアルするということで、

神戸までご一緒することに。

フェリーの時間の都合で、9時に毛馬閘門をスタートします。

 

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そのまま淀川左岸線を下っていき、R43に出る。

この時間帯でもやはり交通量は多い。

本線合流までのところは側道を出たり入ったりしながら進み、

あっという間に武庫川

そこから南武橋を渡って県道341号を西進、1時間ほどで芦屋川。

一旦R43へと復帰し、青木でサンシャインワーフの方の裏道へ。

そのまま摩耶に出て、

HAT神戸の海岸通を伝って京橋に1時間40分程度。

もうあと5分くらいは早めたい。

うめさんとはここでさようなら~。

 

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神戸で分かれて、自分はジャンボフェリー乗り場へ。

フェリーの到着が遅れていて結局25分遅れでの出航。

大体夜中の最終便に乗ることが多くて、

昼便は珍しいのだけど、意外と乗船客多し。

早速昼ご飯にカレーうどんを食べ、そのあとは、

夜通し走るのでここでしっかりと仮眠を取っておく。

小豆島着のアナウンスで目が覚める。

結局、到着も20分ほど遅れで16:25に高松東港を出発。

若干ながらぽつぽつと雨。

序盤に降られると最後までウェアがビショビショで最悪なのだが…。

 

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4月の本番はこのルートでの四国上陸ではないので、

ひとまず、本番のルートへの途中合流を目指し、

レインボー通りを南下していく。

夕方の時間帯でロードサイド店ひしめく幹線道路はどこも大渋滞。

高松道をくぐり、ドンツキを折れて、

仏生山付近で県道12号に入り、本来のルートに乗りました。

この道も交通量が多く、それほど広い道でもないので、慎重に進む。

「円座町」交差点で琴平街道に入る必要があるのだが、

その名の交差点は、県道44号、県道282号、R32の

3つともに連なっていて、曲がり間違えないようにしないといけない。

 

ちょうどダイソーが目に留まり、

ライトの電池の不安があったので、購入することにする。

鍵をかけ、メットの上に、グローブを置いて、

すぐに必要なものだけ買って出てきたのだが、

なぜがグローブが見たらない。

メットもチャリも問題なくあるのに、なぜだかグローブだけがない。

そこまでは確実に手に装着していて、

まさにここで外して置いたのは間違いなく、

あれこれ近辺を探してみたり、店員さん相談してみたが、

出てこない。

なぜ?なぜにグローブだけがない?

盗まれたとしてもなぜ?特殊フェチ犯? 

理由が何であれ、もはやグローブがない事は明らかで、

どうすればよい?

普段夏場などは素手で走っているので問題はないのだが、

この週末はまたぐんと気温も下がって、

しかも夜中の走行。素手では確実に死ぬ…

しかしこんなことで、こんな序盤でDNFするわけにもいかぬ。

ダイソーに何か手袋はあるかと聞いてみたが、

もう季節ものは入れ替え済みでないとのこと。

それでは仕方なく、コンビニで軍手を買って、

甲の裏側に貼るカイロ を張って寒さをしのぐことにする。

 

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とりあえずグローブを諦め、

円座町を折れて県道282号(琴平街道)に入り、

1つ目のコンビニへ入ろうときょろきょろしながら進んでいると、

辺りが急に暗くなりはじめ、

しかもなぜか一気に寒くなったような感覚。

そんな標高が上がったわけでもないのにと不思議がっていると、

何の前触れもなく、どしゃ~~~~っと

ヒョウがつぶての如く降ってきた!!

その勢いはものすごくて、

目の前に走っている車のトップに

みるみる白いものが積み上がっていくほど。

と、いきなり眩い閃光が走ったと思ったら、どーんと稲光。

これは危ない!避難!と思ったら、

ちょうど目の前にデイリーがあったので飛び込む。

店員さんに大丈夫???と声をかけていただきましたが、

時すでに遅しで全身びしょびしょ。

全く止む気配もなく、窓の外はバラバラバラとすごい音がしている。

とりあえず、こちらは手の施しようもないので、

まずはグローブ問題を解決すべく、軍手を購入し、

そこにカイロを張って、はめてみる。

グリップとか防水とか当然ないが、まあ素手よりはまし。

15分ほど店内で待機していたのだが、

フェリーの遅れや、あれこれ捜索したりなんだのロスタイムなどで

1時間ほど予定に遅れが生じている。

あくまで試走なので、かなり時間の余裕は見ているものの、

これ以上こんな序盤で遅れられないので、

ヒョウが雨に変わったタイミングで意を決してリスタートする。

ああ、最悪だ…。

 

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雨の中リスタートするが、

路肩に溜まったヒョウが早速溶けて水たまりを作り、

リアタイヤが跳ね上げる水を浴びておしりもびちゃびちゃだし、

大慌てで横を抜けていく車の水しぶきやらで、

全身びしょ濡れ。

おまけにザックカバーもない小さなザックの中身も全部アウト。

このまま夜、それもしばらくは山間部へと突入するのだが、

果たして寒さに勝てるのだろうか…

しかし、山なら即時撤退という状況でも、ロードならまだ行ける。

最悪、琴平でも四国中央でも電車に乗ってしまえばいいし、

無理ならどっかイートインに飛び込めばいい。

もうここまで不運が続くと、やけくそです。

 

びしょ濡れの県道282号をひた進み、

鈍い上り基調をやっつけていく。

陶のところで、ことでんをくぐり、

旧道をトレースするように進む。

滝宮を過ぎ、羽床辺りでようやく雨が上がる。

距離にしてわずかだが、序盤でこれだけしっかり濡れるのは

正直ダメージがでかい…

若干R32に合流し、ローソンの角から再び旧道へ。

そこから土器川までずーんと下って祓川橋を渡って琴平市街地へ。

この辺りで日も暗くなってナイトライドに切り替え。

もう少し進んで琴平駅に到着が18:40。

 

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ひとまずCP設定しているコンビニで買い物をする。

そろそろお腹も減っているし、

この先大野原方面は店すらないエリアになるので

補給をしたい。

しかしあまりに寒さが厳しくて、

屋外でご飯を食べるわけにもいかず、

ちょっとでも温かいものを暖かい場所でと探して、こちらへ。

温かいおしぼりのありがたい事(涙)

せっかくなので香川名物の骨付鳥(若鳥にしときました)を。

温かいものをお腹に入れることで少し元気が出ましたが、

外へ出るときのあの寒さに触れる辛さは堪えた@@

しかし、リタイアするにしたって、ここは琴平。

いずれにしても離脱せねばならないから、

ここは意を決して、ひとまず豊浜を目指す。

 

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リスタートして、買田交差点へ向かい、そこでR377へ。

そこからいこいの郷公園、工場のある辺りまでは軽いヒルクライム

寒いのでガンガン回して暖を取ります。

上り切ったら長瀬まで長めの下り。さすがに軍手は指先が辛い…

そこからは真っ暗な大野原の田園ため池地帯を進みますが、

R377は街灯も少なく、真っ暗の中を黙々と。

丸井市場のところを右へ折れて、引き続きR377。

高松道をくぐってしばらく行けば、豊浜にたどり着く。

そこからはしばらくR11を行く。

時刻は21時ごろだが、大型トラックの往来はまだ多い。

香川県最西端の道の駅とよはまでしばしトイレ休憩。

 

リスタートしてすぐに愛媛県へ突入。

交通量の多いR11と格闘していると、

右手前方に照らし出される川之江城が見えてきた。

そのうち、でっかい製紙工場の間を抜けていく。

 

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三島中央のところでトラフィックの多いR11に別れを告げて、

海岸通りへと入る。

何度もお世話になってる三島乃湯入ろうか随分悩んだが、

ここは意を決してスルー。

江之本大橋を渡り、静かな海沿いの道を進んでいく。

福助工場のところで右折して県道13号に入る。

玉之江まではこの道1本で行くことになるが、

入ってすぐのところのファミマにイン。

ここのCP設定しているが、イートイン設置店でよかった。

なぜなら、この先、新居浜へ抜けるのに、ヒルクライム区間があり、

そこに向けて一度態勢を整えるために重要なポイントだからだ。

ここでようやく腰を落ち着かせ、インナーの一番下着替え、

靴下も予備のものに変える(奇跡的にザック内で軽く濡れてただけだった)。

これだけでも不快感はずいぶんマシになった。

軍手も新しいものに変えて、カイロも張替え。

トイレ休憩をして、補給品を食べて22時ジャストでリスタート。

 

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燧灘をなぞるようにして、裏寂しい道をひた進む。

前方に立ちはだかる黒い山の陰影が徐々に大きくなってくる。

関川を藤崎橋で渡り、大きく道が右へとカーブすると、

いよいよヒルクライムがスタートする。

斜度がどのくらいかはわからないが、

登坂車線が設けられている道で、

えっほえっほと上ると、すぐに体も熱くなってくる。

上っていくにつれて、右側に四国中央の夜景が広がっていく。

登坂車線がなくなり、もう少し先へ進むと、

展望所が設けられていて、そのあたりが上りの中間点。

 

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大きなヘアピンを抜けると、

そこからはクネクネと再び上っていく。

右手は断崖で、真っ黒な海が見えている。

もうしばし上りと格闘して、ようやく西の山を制覇し、

新居浜市へ向けて、一気にダウンヒル

結構な斜度でスピードが上がり、暗くて危険なので慎重に。

そして手先が一気に冷たく!!!泣けてきます@@@

どうにか真っ暗な山中を抜け、

海岸沿いまで下りきって一安心。

今回のハイライトの一つをどうにか抜け出た安心感から、

どっと足が鈍ります。

時刻も23時を回り、寒さも少し強くなってきました。

交通量のほとんどない平和通りをひた走り、

国領川を渡ったところで、事前に調べていたガストにイン。

今回の試走スケジュールでは、どうしても時間が余るので、

どこかでまとまって時間調整が必要なのだが、

この寒空の中で待機はあり得ない。

しかし、この周辺で24hオープンの店がなかなかなく、

一番遅く、2時まで空いていたのが、このガストでした。

ひとまずは温かい食べ物を食べ、あとはひたすら水分補給をして

少しウトウトしつつ1.5hほど。

当日は、これだけの休憩を取る時間的余裕がない上に、

営業時間内にここには到達していないので、

こういう形での休憩はできないのであしからず。

 

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さて1時となり、リスタート。

店を出ると相当寒い。寒いだけで萎える。

そして眠い。

県道13号へと復帰して、ひたすら西進。

徐々に工場地帯へと入り、馬鹿でかい産業道路と化します。

しかしこの時間帯はほとんど交通量がないのでノーストレス。

じきに西条市へと入ります。

 

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県道13号と西条バイパスの合流点を嫌って、

その手前で右折し、大橋を渡って西条運動公園へ。

そこから県道13号へ折れ、

さらにルートインのところで駅前通りに入る。

ファミマのある交差点で右折し、

くすのき通りに入って、西進する。

そうして古川橋で加茂川を渡る。

これは産業道路バイパスを避けるための裏道工作なのだが、

なかなか目印がなく、夜中という事もあり、注意が必要。

 

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古川橋を渡り、道なりに進むが、

1つ目の信号は誤って直進せずに右折する。

(直進すると石鎚へ行ってしまう)

まるで、前回のフレッシュのあの岐阜・海津を思い出させるような、

黒く広がる広大な田園地帯を進んでいきます。

中山川を渡り、川を遡上するような形で、進んでいく。

中山川大橋をまたぎ、さらにその先の予讃線もまたぎ、

吉田橋のところで右折。

そうしてしばらく進んで、CPとなっているミニストップに到着。

ここもミニストップなので、なおさら、あの恐怖の海津を思い出す(笑)

ちょうど一番眠い、つらい時間帯に差し掛かるのもまた同じ(笑)

時刻は2:40。少し早く着きすぎているので、

ここでも20分ほど寒さをしのぐ。

 

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さて3時となってリスタート。20km先の今治を目指します。

流石にこの時間帯のR196は交通量も少ないはずだが、

あそこは路肩の轍が本当にいつもひどいので、

回避ルートを敷いている。

ミニストップからそのまま県道144号を北上して、

今治小松道の東予丹原ICをかすめる。

そのまま高速の側道沿いに進んでいく。

そうして県道159号に入る。

 

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県道159号はなかなか味わい深い道で、

そのまま進んで予讃線をまたぐ。

その先で再び予讃線をくぐると、登りがスタート。

えっほえっほと上っていくと、後方の夜景が後押ししてくれる。

ピークへ上り詰めて、少しくぐると、今治市の標識。

その先でR196に合流する。

道の駅今治湯ノ浦温泉でちょいとばかりトイレ休憩をはさむ。

R196は暴走しているヤンチャな車や

トラックがこの時間も多いので避けて、

長沢から県道38号に入る。

頓田川橋を渡り、喜田村の分岐で産業道路に入る。

入ってすぐのところに、すき家を発見しイン。

この先、しまなみ海道にはいってしまえば、店はほとんどなく、

あってもこんな早朝に開いているはずもないので

ここでしっかりと腹ごしらえをしておく必要があるのだ。

あっという間に食べ終えてリスタートして、

4:30に今治城にたどり着く。

  

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そこでは休憩を入れず、裏道を伝って北上を続け、

R317に入り、鈍く上り、西瀬戸道をくぐって、

いったんしまなみ海道をスルーしてさらに直進。

CPに設定している波止浜セブイレに到着。

今回の試走でも本番でも、基本的にこれ以降補給ポイントがなく、 

呉までの70~80kmほどの間に

必要な補給品はここで購入しておかねばなりません。(飲料は除く)

 

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5時前となってリスタート。信号1つ戻って

県道161号へ。

そうして、いよいよしまなみ海道自転車道に入ります!!

まずはサンライズ糸山までしっかりと上りです。

そこからぐーるぐーるとスロープを回って回って、

いよいよ来島海峡大橋へと突入します。 

 

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まだ日も明けていないので、

あの絶景の海の様子ははっきりしませんが、

こんな時間にしまなみ海道を走るなんて滅多にありません。

週末ならそこそこのローディーが行き交う橋の上も、

ほとんど人もおらず、快適に走れます。

ほの明るくなった東の空。

その真下では燧灘沿岸の街並みの灯り、

つまり、観音寺~四国中央~新居浜~西条~今治の連なりが

くっきりと浮かび上がり、

まさに一夜をかけて巡ってきたルートが一望できました。

なかなか感慨深いですねえ。

 

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無事に1つ目の大島に上陸し、

まずはよしうみいきいき館から大島南ICまでショートクライミング

上りきればしばらくはいい感じで疾走できるダウンヒル

とにかくペースを稼ぐ。

R317をトレースし、吉海町を抜けていく。

島の中心辺りに入ると徐々に登り基調となり、宮窪峠へ。

えっちらおっちらと登りきれば、

あとは一気に港まで下っていきます。

港でちょうど朝が追い付いてきて、

美しく穏やかな景色を浮かび上がらせてくれています。

ちょうど目の前の湾の中央部に、

かつて瀬戸内の覇者であった村上水軍の居城・能島があります。

その島の周りにはまるで、

おびただしい大蛇がとぐろを巻くような風に、

海流が渦巻いていて、海というよりもどこか渓谷の激流のようです。

とにかく水の流れる轟音がスゴイ。

 

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しばし、自然の造り出す造形に目を奪われ、

はっと目を覚まして、先へ急ぎます。

海岸にそって県道49号を進んでいくと、

目の前に伯方・大島大橋が見えてきました。

いったんくぐった先の自転車道の入り口を発見し

(原付の入り口と間違わないように)

 そこから橋までは上り。

 

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渡り切って、ずしゃーっと下れば伯方ビーチ。

塩ソフト食べたいけど、まだどこもやってない。

トイレだけ済ませてリスタート。

しまなみ造船をみやりつつ、今度は大三島橋へと取りつく。

 

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大三島橋を渡り、クネクネとアプローチ道を慎重に下って、

大三島上陸。

向こうには多々羅大橋が見え、

その向こうには愛しの生口島。あそこはもう広島県だ。

しかし、今回はそこまでは行かない。

贅沢にもしまなみ海道縦走を途中で放棄するのだ!

我々のルートは、メインのサイクルロードをここで外れて、

大三島の西端にある宗方港へ向かい、そこからフェリーに乗って、

とびしま海道へとワープ!

しかし、このフェリーの時間が8:50の一択のみ。

この足切りに間に合わせる必要があるのだ。

 

実は我々のルートは、同じようにあと2つの関門があり、

そこに間に合わなかった時点で即終了という、

なんともチャレンジングのしがいのある設定になっている。

それらの関門を時間制限やルールの範囲内でまとめ上げるという

至難の技をクリアした本ルートはまさに、

時間とルールとのガチンコ勝負なのです。

 

ちなみにフェリー利用はルールで認められていますが、

当然その間は走行距離にカウントされません。

なので、走らずに休憩している状態と同じと見なされるので、

(休憩時間についてのルールがあるのでそれにもひっかからないように)

本来なら24時間で360km走ればよいのですが、

我々はそれらの時間を差っ引いて、

実質22時間で360kmを走らねばならないという事で、

そういう意味でも難易度を自ら上げています(汗)

しかし、普通のルートを引いてもじぇんじぇん面白くないので。

 

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標識通りに、左折し県道51号へ入ります。

すぐにちょっとした上りがあり、

高速をくぐって少し先までえっちらおっちら。

上り切ったら上浦町の集落まで下る。

さらにそこから登りがあり、やっつけて野々江の集落へ。

こっち側へ来たことがないので、

しまなみ海道を横から眺めるのが新鮮。

 

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野々江の集落を過ぎるとトンネルがあり、そこを抜けると

結構ハード目な上り。

感覚的には、淡路島の水仙ラインのラストの灘の上りくらい。

そこをどうにかクリアし、反対側へ下る。

下りきって集落を抜けて、標識通りに進んで宗方港に到着。

時刻は7:20。

しまなみ海道をスタートして約2時間20分ほど。

大三島の分岐から約50分でした。

 

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それにしても小さな小さな港で、

小さな待合所に真っ赤な桟橋、それ以外は何もありません。

本番では8:50発の大三島ブルーラインに間に合わせるのですが、

この試走では1本前の7:54発の今治市営せきぜん渡船に間に合ったので

それに乗ることにしました。

しばらくして小さな高速船がやってきて、乗り込みます。

この船は、今治始点でこの宗方港~大下島~小大下島と経由して、

とびしま海道の先っぽである岡村島を渡している船で、

乗船すると、今治からのローディーさんのバイクが満載。

こんな路線でも結構需要あるんだなあ。 

15分ほどの航海ですが、船内の温かさと程よい揺れに、

がっつり寝落ちしてしまいました。

 

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さあ、無事に岡村島に到着です。

本番ではここからラストスパートして、

できるだけとびしま海道を進まねばなりませんが、

この日はもう、時間の縛りなく呉まで帰るだけなので、

だいぶ油断しきっています。

 

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岡村港を出て、すぐに小さな上りがあり、

そこを抜けるとフラットな海岸通り。

淡々と進むと小さな島を繋ぐ一連の橋が見えてきます。

橋まで少し登れば、そこは県境。

ということで、ちょっとばかし記念撮影。

 

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中ノ島・平羅島と渡って、

本来なら右折して県道355号をぶっ飛ばすのですが、

せっかくなので寄り道で、大崎下島の御手洗地区へ向かいます。

重伝建地区にも選定されているこの地区は、

江戸~昭和初期までの間の瀬戸内航路の拠点地として栄えた港で

花街としても大変賑わった場所。

今も当時の面影を残す町並みが、

ひっそりと穏やかな瀬戸内の中に佇んでいます。

まだ時間が早いという事もあり、

色々なスポットやお店はオープン前でしたが、

町並みを楽しむことができました。

以前、仕事で来た時には、

まだ全然観光的な整備ができていませんでしたが、

色々な取り組み・盛り上げされているようでした。

(あとはやりすぎ厳禁で)

 

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さて、ちょっとばかしの寄り道を終え、

先ほどの分岐まで戻ってきました。

ここからは本番のシミュレーションで、

オーラスの時間でどのくらいの距離を走れるかやってみます。

交通量もなく、快走路で、信号のストップ&ゴーもないので、

出した分だけ進みます。(あとは当日の風や天候次第)

この日ももう残りカスのようなエネルギーしか残っていませんが、

それをつぎ込んでひたすら進みます。

豊の集落を越えて、じきに豊浜大橋が見えてきます。

橋の上りも緩めずにこなし、渡っていきます。

(この時は一部工事中で対面信号あり)

ひとまず渡り切って、道なりに右へ行きましたが、

バイパス的に作られた道で、かなり上りがきつい!

ここは橋を渡って左手の小さい道からいったん町へ下った方が、

スピードを落とさず少しでも距離を稼げるということがわかった。

ただ今回は、もうこのまましんどい登りを越えてしまいます。

島の北部で海岸線の道と合流。

本番では恐らく、この辺りがゴール地点となりそうです。

 

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そこからはのんびりと、

穏やかな瀬戸内の海と多島美を愛でつつクルージング。

しばらく進むと豊島大橋が見えてきました。

ここは結構登らされました@@@

気が抜けてるし、穏やかな気候に眠気マックスで、

全然馬力が出ない!!

上りきって、上蒲刈島に上陸。

 

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そのまま道なりにトンネルに突入し、

開けたところから恋が浜海水浴場まで一気の下り。

しかし下ってすぐにまたしんどい登りの応酬。

原トンネルをくぐり、ようやく平坦な道。

しばらく進むとカッチョいいブルーのトラス橋・蒲刈大橋

すぐ向こうには安芸灘大橋が見えており、その向こうに野呂山

あともう一息!

 

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蒲刈大橋を渡って、まだ少しアップダウンをこなし、

コメリの前の公衆トイレで一旦休憩。

そののち、とびしま海道ラストの橋、安芸灘大橋へ一気に登る。

橋はなかなかの高度感で、左手に仁万の街並みが見えている。

そうして料金所をかすめて、無事にとびしま海道をクリアしました。

観光も含めて岡村港から2時間40分でした。

この区間は本番を終えて、

ナイスプレイスまでのウィニングラン的な区間になりますが、

きっと満身創痍できついだろうなあ…

 

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さて時刻は11時。まだここがゴールではありません。

次は一路、呉を目指します。

料金所を過ぎて、そのまま道なりに進み、

R185に入る。ここは唯一の道なので

トラフィックが厳しい上に、 道が狭いので、

気を抜いて事故らないように要注意。

仁万第2トンネルの手前でわき道に入り、線路沿いを。

ちょうど瀬戸内マリンビューとすれ違い。

 

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仁万の駅前を過ぎ、小さな川に沿って進んで、再びR185。

仁万トンネルの歩道が行けそうだったので、

そのまま突っ込みます。

それほど長い距離でもないし、

歩道もそれなりに幅を取ってあるので問題なし。

 

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トンネルを抜け、しばらく下っていくと、急に大きな街に出ます。

広地区です。

R185は急に片側3車線の大通りへと変貌し、

両サイドに様々な大型ロードサイド店が並ぶ。

混雑するトラフィックと格闘しつつ、そのまま進んでいきます。

広大橋を渡り、いよいよ呉市街へと向かいますが、

目の前には休山が立ちはだかる。

これは呉越峠への迂回が必要なのかなあと、不安に感じつつも

一応トンネルの方へ行ってみると、

ちゃんと歩行者・自転車用のスペースがありました。

車道とはきちんと仕切りがされているので、不安も危険もなし。

ただこのトンネルる結構長かった。

 

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そして、トンネルを抜けると、そこは呉!

1年ちょいぶりに帰ってきました。

まずはお腹減った!何か食べよう!

時刻は11:40とお昼時という事もあり、

日曜日の呉は人がたくさん。

お目当てのお店はいくつかあったけど、

どもすでに行列で、チャリンコも置けそうにない。

なので、路地裏の地元客御用達のお店にそそっと忍び込み、

広島お好み焼きをいただく。

結構ボリューミーでお腹いっぱい。

ごちそうさん

 

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それから、駅へ向かい、ひとまずゴールを祝う。

それから新幹線で輪行を収めるために最後列の座席を早めに確保しておきます。

呉はもう何度も来ていて、観光スポットも行きつくしているので、

今回は何もなし。

早めに帰宅することにして、13時台のライナーで広島駅へ。

そこから新幹線に乗り換えて新大阪。

残り自走して、16:30に無事帰宅しました。

 

ということで、序盤から色々トラブル続きでしたが、

どうにか遅れも取り戻して、

当初の目的を果たすことができました。

これでフレッシュの全ルートを実走でチェックでき、

また時間的感覚もつかめました。

あとは、眠気と疲労にどこまで闘えるか、そこに集中できます。

いずれにせよ、過酷でチャレンジングでスリリングな冒険が

いよいよ来月幕を開けます。

まずはグローブ買わな!!

 

 

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<走行スケジュール>

9:00毛馬閘門⇒10:45神戸三宮11:45⇒(ジャンボフェリー)⇒

16:25高松東港⇒レインボー通り⇒県道12号⇒17:05円座17:30⇒

⇒県道282号⇒18:40琴平(CP/晩飯)19:30⇒R377⇒豊浜⇒R11⇒

21:20川之江⇒江ノ本大橋⇒21:50四国中央(CP)22:00⇒県道13号⇒

22:50西の山⇒県道13号⇒23:40新居浜(ガスト時間調整)01:00⇒県道13号⇒

01:40西条⇒02:15古川橋⇒県道149号⇒02:40東予(CP)03:05⇒

県道159号⇒R196⇒03:40道の駅今治湯ノ浦温泉⇒県道38号⇒

産業道路⇒4:10今治城4:30⇒R317⇒04:40波止浜(CP)04:55⇒

05:05サンライズ糸山⇒05:10来島海峡大橋05:12⇒5:44宮窪峠⇒

05:50能島城址05:55⇒06:00伯方・大島大橋⇒06:13伯方S・Cパーク⇒

06:25大三島橋⇒06:32分岐⇒県道51号⇒06:59野々江トンネル⇒

07:20宗方港07:54⇒(今治市営せきぜん渡船)⇒08:18岡村港⇒

08:40御手洗保存地区09:05⇒09:30豊浜大橋⇒10:00豊島大橋

10:35蒲刈大橋⇒10:50安芸灘大橋10:58⇒R185⇒11:11仁方トンネル⇒

平⇒11:30休山トンネル⇒11:40呉

13:14呉⇒(ライナー)⇒13:53広島14:39⇒(新幹線)⇒16:05新大阪

16:30帰宅 

 

走行距離:277km(神戸38.5km+四国232.5km+新大阪6km)

TOTAL:639.9km