10月某日。
もうすでに 山の大型遠征の頃は過ぎてしまい、
あとはご近所の山を楽しむ季節になりました。
とはいえ、今年はまだまだ歩き足りない。
それならば近くのお山でロングに歩けるルートを。
京阪神では、すでに神戸の六甲全縦、
金剛山ダイヤモンドトレイルは完歩済。
残る1つ、京都一周トレイルが残っています。
京都一周トレイルは文字通り、
京都盆地をぐるっと取り囲んでいる山々を繋いだトレイルで、
西は上桂をスタートし、嵐山・清滝・高雄から、
鞍馬~大原を抜けて比叡山へたどり着き、
そこから南下して大文字山~将軍塚~清水山と経て、
さすがに体力の落ちた今年に、
いきなり、全ルート踏破は厳しいのだけど、
いずれチャレンジしないといけない。
このトレイルは山道だけでなく、
下界へ何度も上り下りをして、
住宅街を縫って行かないといけない箇所も多い。
六甲全縦でも西部の住宅街でのロストが難儀だったし、
ひとまず下見がてら、コースの位置を歩くことにしました。
コースの約半分にあたる東山コースは、
宝ヶ池~伏見桃山の間で
東山三十六峰トレイルランが行われているなど
メインになる部分なので、そこをセレクトして行ってきました。
出発の都合で、今回は伏見桃山駅から北上し、
修学院からは下山せずに比叡山まで登り返してのゴールでした。
<山行記録:9時間22分>
07:30伏見桃山駅⇒07:50伏見桃山城⇒08:17大岩山展望所08:20⇒
08:30仁明天皇陵⇒09:00白菊の滝⇒09:08稲荷山09:12⇒
09:39泉涌寺⇒09:47今熊野分岐⇒09:54東山トレイル口⇒
10:10国道1号横断10:30⇒10:34清水山トレイル口⇒
10:45清水山⇒11:00東山山頂公園展望台11:05⇒
11:17三条通陸橋⇒11:27日向大神宮⇒11:36神明山⇒
12:22大文字山⇒12:33大文字火床12:45⇒
13:00銀閣寺(お昼休憩)13:15⇒
13:28パプテスト病院⇒13:57No.60⇒14:43掛橋石鳥居14:45⇒
14:56水飲対陣跡碑15:00⇒15:15展望ベンチ⇒
15:50比叡山人工スキー場跡⇒15:53お地蔵さんのある展望地15:56⇒
16:00山頂駐車場16:08⇒16:12比叡山16:15⇒
16:38阿弥陀堂⇒16:42延暦寺根本中堂16:45⇒16:52ケーブル延暦寺G
さて、朝7:30の伏見桃山駅からブログ版も出発しましょう。
実は、予定時間よりも寝坊して、早くも予定より40分遅れ。
まずは朝日に向かって東へ進みます。
それにしてもいいお天気。
大手筋通を東へ進み、御香宮のところでR24をまたぐ。
その先でJRをまたぎ、伏見桃山陵へ入ります。
すでにここまでにも京都一周トレイルの案内板が随所にあり、
これを目印に進んでいきます。
玉砂利をシャリシャリいわせながら進み、
乃木神社の辻で左折、少しだけ登っていくと、
伏見桃山城に到着。
城の内部は公開されていないようで外観だけ。
ここまでで20分ほど。
城の右手から回り込んで伏見北堀公園へ。
じわっと登って、ドンツキの交差点を左折。
その先すぐに右折。
このあたりの住宅街を抜ける場面も、
道迷いしないか少々不安ですが、
とにかくトレイルの案内板を見落とさないように進みます。
深草大亀谷の住宅地の坂をえっほと登っていくと、
その先で住宅地が途切れ、オフロードになり、
竹林の間を抜けていきます。
途中で短い急坂を上っていくと、竹林を抜けて視界が開けます。
左手には広大な太陽光パネルが並ぶところをさらに進みます。
電波塔のようなものが見えてきますが、そこからがなかなかの急坂。
前傾姿勢でペースを維持して上り詰めます。
坂のトップに、大岩展望台があります。
時刻は8:17。
直前の坂がなかなか堪えましたが、
その頑張りの分だけ、なかなかの眺望です。
京都盆地が一望できるのはもちろん、
はるか遠く大阪の高層ビルまで。
こんな場所があるとは全然知りませんでした。
その先大岩神社があるのですが、
展望台からトレイルの案内板に従ってショートカットして、
下山ルートへ。
日当たりの悪い、少し荒れた下り道で、
滑らないように要注意しながら。
ゼルダの伝説に出てきそうな祠を抜けていくと、竹林に出ます。
なんとその竹林の間から小さな滝が流れています。
全然知らない京都が新鮮。
さらにオフロードを進んでいくと県道35号(大岩街道)にでました。
この道は時々ロードバイクで、
山科から抜ける時に使う名神道路沿いの道。
こんなところに出るのかあ。
往来に注意して道の向かいへ渡り、
旧道らしき道を進みます。
ここは直進してしまうと迷うので、案内板を要確認です。
その先で、名神高速をくぐります。
くぐった先はドンツキなので、左手へ。
高速に沿った先のドンツキを右に折れて、次の案内板まで。
そこで右折して再び山の方面へ向かいます。
ここを直進してしまうと宝塔寺や伏見稲荷神社へ行ってしまうので、
曲がり所注意。
小さな集落を抜けていくと、その先は田畑が広がっています。
ネギ坊主がにょきにょき。あれは九条ネギだろうか?
畑のドンツキを左に折れ、京都工学院校の手前で右折。
しばらくは竹林の間を抜けていきます。
しばらく進んでいくと、小さな駐車場があり、
その先に白菊の滝があり、引き続いて御劔の滝と、
滝が連続します。
この一帯では滝行を行うための行場として、
たくさんの滝が点在しているようです。
伏見稲荷の裏手側は全然来たことがなかったので、知らなかった。
滝の脇の細く急な上り坂を上がっていきます。
滝が存在するくらいなので、傾斜はなかなかあります。
途中で、分岐があり、
直進すると大岩、左折すると稲荷山へ向かうポイント。
ここを左折すると、急な階段場。
ここはなかなか骨が折れます。
最初に出てくる鳥居までは胸突き八丁。
鳥居をくぐると、その少し先で、
伏見稲荷神社からのルートと合流し、ほどなくして
稲荷山山頂です。
ここは今回の東山三十六峰の最南端に位置するピーク(233m)になります。
時刻は9時を少し過ぎたところ。
お参りを済ませて、二ノ峰方面ではなく、御劒社の方面へ降ります。
まだ朝早いからか、人出はまばら。
赤い鳥居をいくつもくぐっていきます。
御膳谷奉拝所でおトイレを拝借。
そして四つ辻方面ではなく清瀧方面へと下っていきます。
この辺りは道も整備されているし、
下りの勢いを借りて軽くランで、時間稼ぎ。
そして京都国際高の正面あたりに出てきます。
そこからトレイルの案内板に従って進み、
泉涌寺に出る。時刻は9:40。
今熊野観音堂の方へ折れるが、
その先二手に分かれる道の右手へ。
もう一方の道にかかる朱色の橋をくぐって、
細い路地を北上していきます。
小さな渓谷に架かる橋を渡ったら、
ぶつかる道Uを切るようにして右へ。
(ここを道なりに直進してしまうと東大路通に出てしまう)
そこからは今熊野の住宅の密集地を進みます。
要所要所にトレイルの案内板がありますが、
ちょっとわかりづらいかもしれないので、
丁寧に道をチョイスする。
石段を登ると醍醐道に出て、横断。
日吉南道を少し進むと、その先の浄水施設の脇に、
トレイルの入り口を発見。山へ戻ります。
山道らしい山道へ久しぶりに戻ってきました。
この道はそれほどアップダウンもなく、歩きやすい道。
ちょうどこの真下辺りを、新幹線や東海道本線がくぐっていますが、
そうとは感じないほど静かでひっそりとしている。
本当にここが京都市内なのかと思うほど、誰もおらず静かで、
忘れ去られたような山道。
左手には確か秀吉の墓所・豊国廟があるはずだが、
それも林で見えぬまま、東山の中央斎場へ向かう舗装道路に出た。
その道を少し下れば、
でっかいでっかい国道1号が行く手を阻みます。
これをどうにかして横断しないといけない。
もちろんトレイルに従って行けば、渡れるはずなのだが、
案内板の表示を読み違えてしまう。
下ってきた道をくるっと振り返れば、
その道の脇に歩道のトンネルがあるのだが、それに気づかず、
右折して渋谷道へ入った先に、トンネルがあるのだと勘違い。
しかし行けども行けども国道側へ抜ける道はなく、
東大路通まで行ってしまって、間違いに気づき、
どこで見落としたのかと法華寺の辺りをぐるぐると。
これはどうしたものか。
埒が明かないので、これは少し余計上るが、
将軍塚へ続く東山ドライブウェイまで行って
横断してからリカバリーするしかないと戻る。
ただ、最後に見たトレイル案内板は確認しておこうと思ったら、
ちょうど下りてきた道と反対側からの眺めになったので、
下ってきた道の脇にもぐりこむようにしてあったトンネルに気付きました。
思い込みもありましたが、いやあ、わからなかった。
結局ここで思いがけず20分近くロストしてしまいました。
時刻は10:30。
どうにかこうにか国道1号をくぐると、その先に階段。
登り切ってヘアピンになっている車道の脇から、
清水寺方面の小道へ。
少し進むと、再びトレイルの入り口を発見しそちらへ。
雑木林の山道は穏やかな山道でした。
ここまで来ると少しずつハイカーと出くわします。
途中、ちょっとだけ脇へ入り清水山(242.5m)のピークを踏む。
この少し下には、あの有名な清水寺があり、
そちらはきっとたくさんの人出だと思いますが、
本当にそんな一大観光地のすぐ真裏だとは思えないほど、
静かでひっそり。
面白いのは、ここが京都だという意識があると、
なぜだかこの静かな道が忍びの道で、
隠密行動をしているような感覚に陥ります。
こういう感覚は六甲全縦でも他のトレイルでも感じないのですが、
京都のお山に来るとなぜだかそう感じてしまいます。
忍忍。
穏やかな道をえっほえっほと歩き、
高台寺の辺りまでやってきました。
ここでトレイルはくの字に曲がるような感じで続き、
さらにそこから進んでいくと、
賑やかな東山山頂公園の駐車場にでます。
東山の展望台からの京都盆地の眺めは最高です。
見事な秋晴れの青空に、広がる京都の街並み、
向こう側には西山の連なり。
さて時刻は11時をまわりました。
京都一周トレイルは、将軍塚から蹴上へと下りていくのですが、
ここは東山三十六峰マウンテンマラソンのコースに倣って、
東山ドライブウェイを下っていくことにします。
ここは歩道がないので、後方に注意しつつ進みます。
途中のヘアピン区間で、車同士の事故があったようでした。
陸橋で三条通をまたぎ、蹴上には下りずに、
九条山浄水場の方へぐいっと上り返します。
小さな谷あいの集落を過ぎると、
日向大神宮がひっそりと祀られています。
お社の方へは折れずに、道なりに進んでいくと、
再び山道へ入っていきます。
登り始めはまずまずの登りで、
そのうち、急な岩場が短くあります。
そこからは東山と山科との境界ゾーンに広がる
トレイルを繋いでいきます。
基本的にはよく手入れの効いたトレイルが続くのですが、
過去の台風の影響で木々がなぎ倒されたままの箇所も
多く残されています(通行には支障なし)。
この辺りは市街地のすぐ裏手ということもあってか、
意外とたくさんのハイカーがいました。
きっとみなさん大文字山の火床が目的地だと思われます。
東山と山科、そして滋賀との境界ゾーンである、
如意ヶ嶽を主峰とする山域は、
たくさんのトレイルが縦横無尽に走っていて、
一度しらみつぶしにトレイルを探検したいなあと思っているところ。
南側の開けたところから、
うっすらと山科の街並みと、
奥に音羽山~醍醐山の山並み。
あちらも一度歩いたことがある。
トレイルの案内に従って、黙々と森を進んでいきます。
それほどのアップダウンもなく、さくさくと。
そして大文字山のピークをかすめて、先の休憩ポイントへ。
ここはかなり多くの人が休憩をしていたので、
写真を撮ってすぐ先へ行きましたが見事な眺望。
ちょうど今朝歩いてきた、
伏見桃山から将軍塚までの山塊が目の前に横たわっています。
短いようで長い道のり。
それからそのまま大文字焼が行われる火床までもうひと足。
吉田山の脇を抜け、出町柳のデルタへ延びる様子が中央に。
右手の大外を取り囲むようにして北山の山並みがあり、
一番反対側の奥にある高い山が愛宕山。
石川五右衛門でなくても、
思わず絶景かな~っと叫びたくなりますね。
ちょうどお昼時ということもあり、
この火床もかなり人が多いので、
最小限度の休憩で先へ進みます。
火床からトレイルへ戻る場所からは、
今日の終着点の予定である比叡山がようやく姿を現しました。
近いようで、まだまだ遠い。
登りも下りも混雑するトレイルをかき分けて銀閣寺まで下りてきました。
お昼ごはんがまだだったので、
門の横にある茶屋でうどんをかき込みます。
疲れた体にお出汁が沁みます。
15分ほどの休憩で、補給、トイレを済ませてリスタート。
時刻は13:15。
大文字山の登り口まで戻り、
そこから左手の朝鮮学園の方へ。
ここは敷地に入ってよいのかわからず、
門の手前から茂みに入り、どうにかして、向かいの門まで。
一応トレイルランの大会ではこのルートになっているのですが、
普段は勝手には入れないと思われる。
白川の方まで迂回する方がベターかもしれない。
ひとまず北白川丸山町にでて、住宅地を抜ける。
白川を渡り、志賀越道へ。
乗願寺のところの辻を左折し、御蔭通りを西へ少し進む。
日本バプテスト病院の看板のところで、
矢印の通りに進みます。
病院の入り口とはもう一方の右手の道へ入っていき、
病院敷地の高い壁を左になぞりながら、
徐々にオフロードへと入っていきます。
どんどん山へと分け入っていきますが、
ここで思いがけずの沢歩きです。
ちいさな流れですが、完全に川の中を遡上していきます。
ついさっきまでバリバリの街中だったのに、
一歩足を踏み入れるとこんな世界が広がっているなんて、
楽しすぎます。
うきうき気分で、沢を遡っていくと、
途中でトレイルが分岐。
尾根へ上がって瓜生山へ向かうルートと、
このまま沢を進んでいくルート、
最終的には先で合流するようだけど、
これは迷うことなく沢ルートを選択。
沢はずいぶん奥の方まで続いていましたが、
途中で沢が分岐する地点で、
トレイルは上へと登っていきます。
登りはそれほど厳しくはないが、
さすがに30km以上は歩いているので、
そろそろ疲労がたまってきてます。
この一帯でも、台風の被害は大きいようで、
大杉がドミノ倒しのようになぎ倒されています。
雨風の力をまざまざと見せつけられますが、
それにしても植樹された木は、あまりに弱すぎるのか、
根元からごっそりとめくれあがっています。
倒れたままになっている木々がトレイルを直撃していますが、
ところどころ歩きやすいように整備されているので、
通行には支障ありません。
そこから先も森の中を進んでいき、
No.60の案内板のところで、
先ほど分岐した尾根ルートと合流します。
ここらで少しばかり休憩をはさみます。
時刻は14時。
ここからの道は、緩やかな上りで、
歩きやすいトレイル然とした道が続きます。
前方にちらちらと比叡山が目に入ってきますが、
一向に近づいた感がしません。
時折左手が開けるところでは、
宝ヶ池や岩倉の辺りが眼下に見えてくるようになりました。
日没まではまだ先の様ですが、
そろそろ頭に入れて動かなくてはならない時間帯に入ってきました。
そうして掛橋石鳥居のある、
トレイルが交差するポイントに到着。
時刻は14:45。
ここを案内板に従って、左手に下っていきます。
じわじわと稼いできたせっかくの高度を
遠慮なく吐き出すような感じで、
一気に小さな谷の沢まで下ります。
と、思ったら、再び登りになり、また別の谷筋へ下り、
のジェットコースターを2度3度。
さすがに終盤に来て堪えますねえ。
そうして水飲対陣跡碑のある辻に到着が15時。
ここでも少しばかり休憩。
ここからは修学院、宝ヶ池方面へ下ることも可能ですが、
ここまで来てラスボスの比叡山を落とさずには帰れません。
しばしの休憩ののち上りへと進みます。
少し行った先に展望ベンチがあります。
高度はそれほど変わった感はありませんが、
見える角度が少しずつ違ってきています。
この位置だともう、
あともうひと踏ん張り!!
展望ベンチから先が、なかなかの急登。
これまでダラダラとしていたはずが、
ここから一気に駆け上がらせるような登りで、
全然ペースが上がりません。ひ~~。
ひたすらしぶとく急登を上り詰めていくと、
途中で、また木々が一斉になぎ倒されている箇所に出ます。
そこで、ケーブルとロープウェイの中継駅へ向かうルートと、
そのまま山頂方面へ向かうルートに分かれます。
もちろん、ここは山頂方面をチョイスし、
山の南側をなぞるようにして続く急登を詰めていきます。
途中、防災無線用中継所のところで南側が開けているところがあり、
そこで小休止。
リスタートして、もうしばし登りを詰めていくと、
ようやくなだらかな道になってきました。
前方が開けたなあと思ったら、
上空をロープウェイが通過していきました。
トレイルはロープウェイをくぐった先も続いていて、
スキー場跡の原っぱを突っ切っていきます。
するとその先、左手が大きく眺望が開けます。
左下には大原の集落、
そして正面奥には比良山系がずうっ~と続いています。
(ちなみに比良山系は去年、
葛川から入って武奈ヶ岳からびわ湖バレーを経て和邇まで縦走しました)
お地蔵様のある展望地で、案内板に従って、トレイルを外れ、
山頂方面へ向かいます。
もうしばし上り詰めていくと、
ガーデンミュージアム比叡のある山頂駐車場に到着。
時刻はジャスト16時。
そういえば、比叡の山上には来たことがあるが、
山頂ってどこだ?となり、
売店の人に尋ねると、駐車場をまたいだ向こうの小高いところ、
と教えてもらいそちらへ。
もう少しだけ登りを詰めて、
ようやく大比叡の山頂(848m)に到着しました。
山頂自体は本当に外れの外れにひっそりとあり、
眺望もありません。
ピークを踏んだら、ひとまず駐車場へ戻ります。
16時を過ぎ、まだ明るいとはいえ、
下山方法をしっかりと検討しなければいけません。
そろそろ疲労もピークだし、どうすべきか。
叡山ロープウェイと八瀬ケーブルで京都へ下るか、
あるいはもう少し頑張って歩いて坂本ケーブルか、
あるいはいっそ、坂本まで歩いて下るか。
ケーブルの終電時間を調べると17時30分とあり、
ぐずぐずもしていられない。
色々悩んだ末に、とりあえず延暦寺へ向かい、
坂本へ降りることにしました。
駐車場から、京都一周トレイルまでひとまずは戻らないといけないので、
登ってきた道をジグザグ下っていると、
いきなり正面にデッカイ牡鹿が現れて、対峙するような形で目が合う!!
一瞬の間があって、あちらが大慌てで茂みへと走り去り、
距離を置いてこちらを警戒している。
いやあ、一瞬の出来事だったけど、心臓が飛び出るくらいびっくりした。
何が出てきたのかわからないが、ガサガサっと大きな音がして、
鹿でよかったけど、熊かと思ったので、かなり焦りました。
鹿に出会うことはよくあるけど、
あんな至近距離で出合頭は初めてだったので、本当にびっくり。
そんなこんなありつつ、トレイルに戻り、
ひとまずは、乗る乗らないは別にして
ケーブルの時間に間に合うくらいのペースを出して進みます。
ずんずん下って山王院のところで
奥比叡ドライブウェイに出ました。
参拝時間はもう終了しているようで、境内はひっそりとしています。
阿弥陀堂を過ぎて、根元中堂の辺りまで。
そこから、案内板に従って、ドライブウェイ横の歩道を進んで、
駅横の展望台からは眼下に広がるびわ湖が、
夕暮れに照らされて、 淡いピンク色に染まっていました。
美しい。
40km以上歩いて疲弊しているとはいえ、まだ歩けるには歩けます。
でも、ここまで歩いてくるつもりじゃなかったので、
地図を持っておらず、こちら側に下りたことがなく道を知らないし、
もう日暮れが進んで、森の中は暗くなってきているし、
何よりもうこの琵琶湖の絶景を見て満足してしまい、
ケーブルカーで降りることにしました。
最終間際の便なので、下山客でほぼ満員。
疲れ切った足で踏ん張りながら10分ちょい。
ちなみにこの坂本ケーブルは全長2025m、
日本最長のケーブルカーです。
途中にある「もたて山」「ほうらい丘」の2駅は通過します。
そうして、無事にケーブル坂本駅に降り立ったのが
17時を少し過ぎたところでした。
20分ほど待てば路線バスがあるようでしたが、
待っている時間のうちに歩いて京阪坂本線の駅まで行けそうなので
そこから歩いて、坂本比叡山口駅まで10分ほど。
タイミングよく電車が発車するので飛び乗り、
ガラガラの座席に座り込んでようやく落ち着きました。
浜大津で下車して、お腹ペコペコなので
お目当てのお店に行こうとしたら定休日で残念…
しかしJR大津駅まで登って乗り換え。
それにしても大津の駅周辺はほとんどシャッターが下りて、
めぼしいお店がほとんどなく寂しい限り。
大津駅からは新快速1本で帰阪し、晩御飯に間に合いました。
ということで、名だたる観光名所が居並ぶ京都の
ほんのすぐバックヤードには、
今まで全然知らなかった京都が広がっていました。
ひさびさのロングで少し疲れましたが、
それでも時間も距離も当初の計画通りにこなせたので、
大満足です。
これで来春、京都一周トレイルをフルでチャレンジできそうです。
おしまい。