記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

子連れハイク 鈴蘭台駅~君影ロックガーデン~イヤガ谷東尾根~妙号岩~鵯越駅

湊川隧道を後にして、湊川公園へ戻ってきました。

次の目的地へ行く前に、ちょっと腹ごしらえということで、

今や全国的にもレアになってしまった、

親愛なるドムドムバーガーへ。

ここでずっと食べてみたかった丸ごと!!カニバーガーを。

ハサミにドムドム旗を挟んでやってきました!

ソフトシェルの蟹は柔らかく、ソースとの相性もバッチリ。

おいしゅうございました。

 

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食後すぐに、神戸電鉄に乗ります。

なかなか年季の入った車両ですな。

湊川を出発してすぐに、六甲の西端の急勾配を、

いくつものカーブでゆっくりと上がっていきます。

12、13分ほどで鈴蘭台駅に到着し下車します。

時刻は15時を回ったところ。

 

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西口から出て、ダイエー横の道を上がっていきます。

住宅街を抜けて、鈴蘭橋で県道52号をまたぎ、

さらにその先、君影町への長い上り坂をえっちらおっちら。

かつての新興住宅地の一番奥手。

今はもう一部閉鎖されている住宅団地の脇に、

トレイルの入り口の目印となるピカチュウの看板。

ここからオフロードになります。

 

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ここは東に湊川の流れる烏原渓谷、

西にイヤガ谷に挟まれたイヤガ谷東尾根。

この日はこのトレイルを鵯越か、

時間が許せば、烏原貯水池を経て湊川までの、基本下りのコースを

長女と歩きます。

 

長女も年頃になって、

なかなかお誘いに応じてくれなるかなあと思いきや、

この日は体も動かしたいしと、久々の山歩きに同行してくれました。

 

住宅街の裏手からすぐ始まるトレイルはいたってなだらかで、

裏の公園を整備したような感じで危険個所もありません。

そのまま通り抜けるだけではつまらないので、

途中のスポットもよります。

スタートからしばらくして、何か所か分岐があります。

結局はどれを選択しても、

最終的には元の森林管理歩道に戻るのですが、

基本的にすべて左側のチョイスしていきます。

 

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長女は久々の山歩きですが軽快に先行していきます。

こう見えて、富士山も登頂しているし、

蝶ヶ岳朝日岳といった北アルプスの山も登っているだけはあります。

そういえば、去年の林間学校で、ハチ北の山登りがあったときは、

担任の先生でもヒーハー状態だったところを、

あまりにスイスイ~と登っていくのでびっくりされたそうです。

 

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さてしばらく雑木林を進んでいくと、

目の前が開けてきます。

じゃーん。見事な眺望です。

ここが君影ロックガーデンと呼ばれているポイント。

湊川の川を挟んで、向かいの電波塔のある頂が、菊水山

六甲全縦の全コースの中でも一番しんどい山かもしれない。

そしてその奥には神戸の港、

さらに淡路島の島影がうっすらと見えています。

この景色を見ても、神戸という町が、

いかに山と海との間の際際に挟まれているかというのがよくわかります。

 

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この岩場は広々としているのだけど、

表面がザレザレで滑りやすく、

しかも谷の方に向かって傾斜がついているので、

あまり油断して先端へ歩いていくと危ないかもしれない。

慎重に歩いてからハイチーズ。

 

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さて、出発が遅かったこともあり、

おしりの日没時間を念頭にそろそろ先へ進みます。

本コースからまずまず枝分かれしてきたので、

そのまま戻ると時間がもったいないので、

ショートカットして戻ります。

 

すると後方から、場に似つかわしくない、

けたたましいエンジン音。

何事と思いながら、トレイルを外れると、

オフロードバイクが駆け抜けていきました。

まさかこんなところに入り込んでくるとも思わないからびっくり。

あちらは大きな音なので、察知して避けることができますが、

こちらは小さな音なので、あちらが歩行者を気付けるのかどうか…

ちょっと怖いなあ。

 

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森林管理道の本コースへ戻り、

そこからはフラットな道をひたすらテクテク。

さすがにこの時間帯は他に歩くハイカーもおらず、

ようやく静かな山歩き。

 

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途中、右手に開けたポイントがあり眺めると、

左に須磨アルプス、正面に淡路島、

右手にちょこっと明石海峡大橋がのぞいています。

それにしても夕暮れが少しずつやってきています。

 

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トレイルの途中で、再び左手に分け入っていき、

もう一か所寄り道。

途中から道もか細く、

そして険しくアップダウンが続きます。

 

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短いながら岩場やザレ場をこなして、

慎重に進んでいくと、再び開けた場所に出ます。

ここからも眺望がよく、直下に石井ダムが見えています。

そこからさらに詰めていくと、

クライマーの練習場として有名な

妙号岩のてっぺんにたどり着きました。

ちなみにこの岩は下から見上げると

南無阿弥陀仏」の妙号が刻まれています。

 

なかなかザレザレな表面なので、慎重に歩いて、

岩礁の先端へ。

なかなかの眺望に、2人とも思わず、

感嘆の声をあげてしまいました。

 

すぐ直下の石井ダムは、

2008年に湊川水系の治水目的で築かれた重力式コンクリートダム

つい先ほど訪れた湊川隧道の上流に位置し、

ここでもまた治水がキーワードとして上がってきました。

このダムのすぐ下流には烏原貯水池があり、石井ダムの完成まで

その貯水池が湊川の治水を一手に担うとともに、

神戸市民の貴重な水源としても活躍しました。

 

神戸の街が港町として発展したのは、

日本中、世界中の大抵の港町の発展がそうであるように、

船乗りが新鮮な水を確保できる中継点であったことが大きく、

いわゆる”六甲の水”と称される豊かな水こそが神戸の礎だったわけです。

これに伴って、灘が日本有数の酒処であるのもまた必然です。

 

しかし一方で、神戸が発展を遂げるにつれ、

水の需要は急速に増加していきますが、

滋賀・京都・大阪が、

琵琶湖という大きな大きな水瓶の恩恵を受けているのに対して、

神戸にはそれに準ずるような水瓶を元々有しておらず、

安定した水の供給を行うための

不断の努力が繰り返されてきた歴史があります。

現在でも、神戸市からは大きく外れた、

宝塚・三田エリアにある千刈水源地で確保した水を、

神戸水道と呼ばれる送水管で、

宝塚市・西宮市・芦屋市を経由して水道水を供給しています。

甲山の山麓にある上ヶ原浄水場はその中継点で、

また灘区にある水道筋は、

その直下にこの神戸水道が通されていることで命名されました。

 

この烏原貯水池、

あるいは六甲ウォーターと称される水を提供する布引貯水池は

神戸の街の発展を支える貴重な財産なのです。

 

このように神戸の街を、治水・利水・名水と、

「水」をテーマに見つめなおしてみるとなかなかおもしろいですね。

 

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さて、恐る恐る下を覗いてみると、なかなかの高度感。

高いところが苦手な長女は、

ひえ~と恐れおののいておりました。

 

向かいをみやると菊水山がより堂々と立っております。

須磨側から六甲全縦をスタートすると、

ひたすらの階段が続くしんどい山です。

(逆側も、鍋蓋山から有馬街道まで下ろされての登り返し…)

山頂のすぐそこまで、切れ込みのように入っているのが、

菊水山ルンゼ。

 

逆に振り返ってみると、緑の一角の禿げた部分が

先ほどの君影ロックガーデン。

 

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さて、長居は無用ということで元の道まで戻りますが、

ここもショートカットで。

整備歩道自体はいたって歩きやすく、アップダウンも少なく、

さくさくと進みます。標識に従っていけば迷うこともなし。

鉄塔群が現れると、徐々に下り道となり、

ずんずん下っていきますが、林の中へと入っていくと、

夕暮れの残り光が届かないので、一気に暗くなっていきます。

 

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ずんずん下って、しばらく進むと、

前方に「通行止。回り道してください」の看板が正面にあり、

ええ!!?ここまで来て戻らないといけないのかと焦りましたが、

看板の近くまで来て、

ようやく脇に階段が設けられているのが見えて安堵しました。

ちょうど山麓バイパスの直上で、

トレイルのあった山肌をごっそり工事で削り取ってしまったようです。

工事用の簡易階段を降りると、

いったん舗装道路の橋で山麓バイパスをまたぎます。

またいだらすぐにまた階段があって、

それをよじ登ってトレイルに戻ります。

このままこの舗装道路で鵯越へも出れるようですが、

せっかくならトレイルの最後まで歩くことにしました。

 

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いったん次の尾根を乗り越すのに、

短いながらも急な登りをよじ登ります。

乗り越したら、急な下りに入りますが、

落ち葉が敷き詰められていて滑る滑る!!

もうすっかり暗くなってしまったので、

ヘッデンを点灯して慎重に進みます。

暗くなって少し弱気の長女ですが、

まだ時刻は17時を過ぎた頃で、道も明瞭、

何よりこういうシチュエーション大得意の

わたくしがついておりますゆえ

(とはいえ先日の京都は大失敗だったが笑)

大丈夫、慎重に、左に注意など、

こまめに声掛けをして下っていきます。

 

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急な坂をようやく下りきると、

石井ダムから続く舗装道路で

六甲全縦路になっている道に無事に出ました。

これでつかの間のアドベンチャーは無事終了です。

 

ちょうど降り立ったポイントが、

烏原貯水池へ向かう道と、

六甲全縦路で鵯越駅へ向かう道の分岐点でした。

今回の「水」のテーマからすると、

ぜひとも烏原貯水池へもよりたかったけれど、

もうすっかり暗くて、訪れても何も見えないし、

この日はもう十分頑張ったので、最寄り駅である鵯越駅へ向かいました。

 

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分岐からは勝手知ったる道を進み、裏手から回り込んで

17:20に無事鵯越駅に到着しました。お疲れ様でした!!

長女は少し疲れた様子でしたが、久々の山歩き楽しかったようで、

また次のお誘いも付いてきてくれそうです。

 

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15:15鈴蘭台駅⇒15:32イヤガ谷東尾根入り口

15:45君影ロックガーデン15:55⇒16:12妙号岩16:18⇒

16:53山麓バイパス上⇒17:12六甲全山縦走路⇒17:22鵯越

 

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