記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

インセプション

とんでもない映画を観てしまった。
私の思考回路は今非常なるパニックの最中にあって、
えもいえぬ悦を感じている。
これまでの常識がまさしく完全に破壊されてしまった。
これはもはや革命に等しい。


クリストファー・ノーラン
この男の比類なきアイデア、戦慄さえも覚えるイマジネーション、
2時間以上緊張感と集中力で挑戦を強いるだけの圧倒的なリアリズム。
観る前から相当身構えていたにもかかわらず、
こちら側の想像をいとも簡単に超越してしまった。
この際完敗を認めて、もう彼の前にひれ伏すしかない。


エンドクレジット。
最後の最後で流れるE・ピアフの甘やかな歌声に”キック”され、
映画館の座席を離れてようやく、実世界では148分も経過していたのかということを知る。
自分自身がまさにスクリーンの中に創造された幾重もの夢の世界にダイブしたまま
この驚異的なイマジネーションの世界から抜け出せない自分がいる。


この作品を説明することはとてつもなく難しい。
設定が難解だというわけではない。
少々複雑に事が絡み合ってはいるが、発想は至ってシンプル。
では映像がすごいのか、NON、そういうウワベではない。
とにもかくにもアイデア。アイデアがすごいのだ。


そしてそのアイデアを確実に体現してみせた役者たち。
これ以上、いやこれ以外のキャストがあるわけがない。
完全無欠とはまさにこのことを言うのではないか。


そして思わせぶりなラストショット。
色々な見方が可能ではあるが、ここはあえてハッピーエンドだと信じたい。
もしチャンスがあればもう一度スクリーンで観たい。