記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

ヒロミチイト展「テレパシー」

ハギビスという今年最大最強の台風が

日本を襲来した10月の週末。

ちょうどそのタイミングで、上京する必要があったのだが、

そのハギビスタイフーンのおかげで、

進路予測が変わるたびに、

全部の予定をやり直ししないといけなくなり

状況が二転三転大変だった。

 

ちょうど上京のタイミングで、

大好きな絵描きのヒロミチイトさんが個展をされていて、

会期の最終日に間に合うことがわかり、

少しの時間でいいから、ぜひ生鑑賞したいと

早速スケジュールに盛り込む。

それが台風のせいで状況のタイミングが1日後ろに倒れて、

個展に間に合わなくなってしまい、しょげていたところ、

なんと個展の方も最終日を一日倒しになるという、うれしいニュース。

こういうのは一期一会のめぐりあい、ぜひとも行かねば!

 

ということで、外苑前から少し歩いたところにある

ギャラリーハウスMayaさんへ。

小さくて可愛らしいギャラリーです。

 

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ヒロミチさんの作品は、WEBでは何度も拝見していて、

特にどこかの高台から見下ろした駐車場(とその奥の森や山並み)の絵が

とても印象的で、ずっと頭の中でイメージが残っていました。

何より、その人間味の感じられる温かな筆遣いと、

日常のありふれた風景をドラマチックに彩るハッピーな色使いが

自分の心を捉えて、大好きな作家さんです。

 

今回の展示でも、黄色い風景の作品だったり、

雪深い停車場の一枚、

ベッタリとした黒さが印象的な夜の1ショットなど、

”グッとくる”作品たちを間近で見ることができました。

 

どちらかというと今の時代、

まるで本物と見まがうような

細部にわたってリアルなグラフィックが

何かともてはやされているのだけど、

完全にリアルを模写したり、リアルを写し取るだけでなく、

どこか人間のイマジネーションが入り込むことのできる

余地を残したようなものの方が、

表現の世界として一番輝くんじゃないかと思っていて、

そんなリアルとイマジネーションのあわいこそが

アートという領域なんだと思う。

そのちょうどいい落としどころは、

当然、一見簡単なようで決して簡単ではなく、

それこそセンスがものをいうのだけど、

ヒロミチさんの描く世界は本当にステキな塩梅で、

いつまでも眺めていたくなる。

 

ずっと留まっていたかったのだけど、

今回の上京も例によって超過密スケジュールだったため、

わずかな時間しか見ることができませんでしたが、

すっかりイマジネーションを刺激されました。

 

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ちょうど、ご本人が愛犬のゴンちゃん(とっても人懐こくて可愛らしい♪)と

在廊しておられて、少しだけお話しできたのですが、

まさに絵の雰囲気通りの、温かなお人でした。

大阪からお邪魔しに来ましたというと、

とても喜んでいただきました。

台風に振り回されましたが、やっぱり観に来てよかったなあ。