記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

『攻殻機動隊ARISE』 by 黄瀬和哉監督

士郎正宗の原作、押井守の劇場版、神山健治のS.A.Cに次ぐ、第4の攻殻始動。
公安9課設立以前を描くARISEシリーズの第1弾。
声優陣を総入れ替え、キャラクターデザインもモデルチェンジした黄瀬ワールドは、
一言でいえば"クール"。
押井ワールドのようにフィロソフィカルで難解な精神世界でもなく、
神山ワールドのように、痛快劇的でもない。
キャラクター設定や世界観は極めてニュートラルで、無機質。
どこかぼんやりとよりどころのない不安定さを漂わせ、
これから功殻の歴史が幕を開ける、その嵐の前の静けさとでも言おうか、
エピソード0として、その世界観が見事にハマっている。
なによりもコーネリアスがてがけたヒンヤリと無機質な音楽たちが、
世界観をより強固なものにしている。
黄瀬ワールド、なかなか期待大である。