記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

自走しまなみライド 第2区間(しまなみ海道:尾道〜瀬戸田〜亀老山〜今治)

いよいよ尾道までやってきました。
まだしまなみ海道を走ったことのない方が参考にできるよう
できるだけ詳しく書いていきたいと思います。
(ただせっかくの楽しみが減ってしまうという方はご遠慮くださいまし)


10:45。
まずは尾道から向島へ渡るところからスタート。
あわただしく乗り込んだフェリーはすぐに船着き場を離れて動き出した。
本当なら尾道大橋を渡って上陸を果たしたいところだが、
あそこは非常に危険なため渡船で島へ渡ることが推奨されています。
短い水道を渡る5分足らずの船旅ではあるが、やはり船は旅情感があってよい。
徐々に尾道の街から遠ざかり、街の全景が飛び込んでくるようになる。
こう見るとやはり尾道は坂の街だなというのが実感できる。
坂の街と同時に、猫の街としても有名だが、
その昔、尾道の街にはドビンちゃんというかわいらしい名物犬がいて、
ふらりと現れては、こっちこっちと案内をするかのように
前をゆっくりと歩いてくれたことを思い出す。
船は対岸に見えていた船着き場につくのかと思っていたら、
ちょっとした運河の中へと突入していき、小さくて古めかしい船着き場に到着した。


尾道渡船乗り場からスタート


↓いざデッパツ


↓坂の町、尾道だねえ


↓水道を抜け、運河を行く


向島上陸


兼吉渡船場に到着したのが10:50。
尾道側の立派な待合所とは打って変わって、
古めかしく小さな待合所で先ほどゲットしてきた戦利品をいただくことにする。
前回、目の前でラス1をかすめ取られ悔しい思いをした名物のカレーパン
それから瀬戸田名産のレモンを使った甘い系のパン
本場ドイツ仕込みのソ−セージとザワークラウトの入ったハードパン。
そして、マンゴーとホワイトチョコを練りこんだパン。
どれもかなり美味しかったが、さすがに4つは買いすぎでお腹いっぱい。
1つあ甘い系のものだけ残してポケットにしまう。
食べているうちに次の船がやってきて乗客を吐き出していく。
2人組のサイクリストがいて挨拶。
フィブラを見てちょっとビビっている様子だった。
派手でスンマセン。


↓渡船場で戦利品をいただく


↓兼吉渡船場は味のある佇まい


11:15。
トイレを済ませたら、いよいよ本格的なしまなみライドをスタートさせます。
まずは船着き場から川沿いに南下をし、東西橋の交差点で右折。
R317に入ります。
サイクリングコースに設定されている道には、
路肩にそれと示すブルーのラインが敷かれてあり、
ある程度の自転車が通行できるスペースが確保されていて安心設計。
万一道がわからなくなればとりあえずこのブルーラインをトレースすればOKです。
途中途中には今治まであと何キロという案内まで示されていてわかりやすい。
さすが島だけあって、なんとなくのんびりとした島時間が流れているようで
思わずまったりと流しながら走る。
富浜でR317をはずれ、県道377号を直進する。
少し進むといよいよ海辺の道へ。
といっても対岸には岩子島があってまるで運河のようだが。
そちらへ渡る赤い橋をくぐったあたりで、先行していた先ほどの2人組をパス。
その先の辻では標識に従って危うく直進しかけたが、
おかしいと感じて海岸沿いの道へ右折する。
こはちょっとわかりにくいかも?


↓青ラインがサイクリングコースに導いてくれる


↓ここちょっとわかりづらい。右折して因島大橋


穏やかな瀬戸内の海を眺めながらのライドが続く。
青いフラットな表面にいくつもの島がポコポコと生えているようで
なかなか見ごたえのある景色である。
遠くには本土の三島まで見渡すことができる。
なんだかとても素晴らしいライドになりそうです。
潮風を受けながらすがすがしく快走し、
しばらく行ったところで布刈鼻の展望所で一旦ストップ。
そこからは因島大橋を間近に望むことができ、記念撮影をします。


↓穏やかな海


因島大橋をバックに


写真を撮ったらリスタートし、今度はその因島大橋を渡るべく前進します。
大橋を一旦くぐり、長礁鼻のアップダウンを少しこなして島の南側へ。
ちょっと橋から離れすぎじゃないかと不安になるくらいになって
ようやく橋へとつながる自転車道の入り口を発見します。
あの橋の高さからして少し上らされるのは間違いありません。
小さな川に沿って少し集落を上ると、この先1.2km因島大橋の標識。
ここからはクネクネと回り道をしながら緩い上り坂が続きます。
気軽にサイクリングをというコンセプトに従って、
できるだけ斜度は緩めに設計されているので、アウターでガシガシ上る。
見通しの悪いカーブが連続するので、対向車線からはみ出さずに、
しっかりとラインを守って走ります。
そうして徐々に大橋が近づいてきました。


↓日本最大級のつり橋・因島大橋


↓橋を過ぎ、長礁鼻を抜けた先に自転車道入口がある


↓アプローチ道は緩く長い上り


↓徐々に因島大橋が大きくなってきたゾ!


少しの格闘の末、因島大橋の入り口に到達します。
ここからは歩行者用と、二輪用としっかりとラインがすみわけされます。
あと、面白いのは、一定以上強い風が吹いている場合は通行禁止となり、
その場合はここで遮断機が下りてくるという仕組みになっています。
(ほかの橋も基本的に同じ設計)
因島大橋しまなみ海道唯一の2階建て構造になっていて、
自動車道の直下に歩行者・二輪専用のラインが設けられています。
残念ながら金網が邪魔で景色を撮影するには向いていません。
高度感は結構感じられます。
橋を渡りきると料金所が設けられていて、自転車は1回の通行につき50円必要です。
お金がかかるとは知らなかったので、慌てて小銭をさぐるが100円玉しかない。
案内では料金所で通行切符売ってますとあるが、シャッター閉まってるし…
まあ50円くらい釣りはいいかと、お賽銭の要領で投げ入れ、打ち手をしておきました。
ご利益は別にありません。(笑)
ちなみにすべての橋で料金50円ずつかかるので、
すべて制覇するには50円玉が6枚必要です。
面倒なのでどこかでつづりの通行切符を買った方が楽だと思います。
時刻は11:45。


↓きちんとロードシェアがなされてます


しまなみ海道唯一の2階建て構造。自動車道の下を走ります


↓料金所あり。自転車は各橋で一律50円ずつ通行料かかります!


無事に1つ目の橋を渡りきり、クネクネと下り坂を下って因島に上陸。
R317に入って、島の北側をぐるっとなぞるコースへと進みます。
道はそのうちに県道366号と名前を変え、鉄鋼団地へと続いていきます。
そこをぬけ重井の集落をつっきります。
その先で一か所きつい上りがあり、ギアを落としそびれて疲れる。
そうして島の端をぐるっとまわりこむと、
いよいよ心のふるさと生口島が海の向かいに浮かんでいるのが目に飛び込んでくる。
ああ、ついにやってきたぞ。
しばらくして少し栄えた西浦の町へと入っていく。
小銭が底をついていたので、ちょうど生口橋を撮影したかったこともあり、
橋のすぐ下にあるコンビニに入りドリンクを購入し、両替を済ます。
斜張橋生口橋のシルエットはいつみても美しい…。


因島上陸


斜張橋生口橋


↓あの向こうは懐かしの生口島


短い休憩を済ませたら、いよいよ生口島上陸を目指します。
橋をいったんくぐった先に自転車道の入り口があり、そちらへ。
ミカン畑が収穫の時を迎え、オレンジに色づく中を
クネクネと緩やかに上っていきます。
大きくヘアピンを2つほどこなしていく。
レンタサイクルのカップルを挨拶してパスし、
分岐を自転車の標識に従ってコースイン。
そうしていよいよ生口橋を渡る。時刻は12:30。
この辺から少し雲行きが怪しくなってきたが、
それでも絶景は色褪せることなくそこにある。
あれやこれや橋の上で写真を撮る。


↓橋をくぐった先にアプローチ道の入り口あり


↓クネクネと上っていきます


↓みかんの季節ですなあ


↓原付と、自転車・歩行者できちんと別れています。


愛媛県側を望む。向かいの島は生名島(左)、岩城島(右)


そうして10数年ぶりに生口島に上陸を果たす。
いつのまにやら年月が流れてしまったなあ。
生口島側の降り口はICに囲まれるようにして曲がりくねりながら
海面ラインまで下っていく。
下りきって左折し、県道81号に入って、ここも島の北側をなぞるコースを取る。
生口島は島ごと美術館というコンセプトで、
島全体を1つの大きなキャンバスに見立てて、たくさんのオブジェが点在している。
それらの作品と思わしきものを時々発見しながら、ライドを続けていく。
海の向こう側にある造船所に面白いものを発見。
穏やかな瀬戸内海に浮かぶ「津軽海峡フェリー」。
ん〜なんともシュールだ。


↓生口側の降り口。


↓やっぱりきれいなシルエットだ


↓県道81号に出る


↓瀬戸内海に浮かぶ津軽海峡フェリー。シュールだ。


それからさらに進んで、思い出の地瀬戸田の街並みに入ってくる。
この頃になるとレンタサイクルの数も増え、たくさんパスしていく。
今回のライドで絶対やるつもりだったドッキリをマダムに仕掛け、
予想通りの返しが来て大満足。
これをするためだけにわざわざここまで足を運んだというものです。
1つボケるのにも体張りまっせ!
それから瀬戸田の中心にある耕三寺へ。
中は何度かお参りをしたことがあるので今回は入り口で撮影のみ。
本当はここで「憩」のタコを食す予定にしていたのだが、
先ほどたんまり食べたパンのおかげでまったくお腹が減っていない。
無理矢理に食べるもの忍びないので、今回は断念する。
もう少し計画的に食べるべきだったかなあ。
とはいえ、せっかくひさしぶりの帰郷を果たしたのに、
名物を食べずに帰ることなどできません!
ということで、この寒空の中、冷え切った体で、
もう1つの名物のドルチェ食べるよ!
一番有名なのは伯方の塩アイスなんだけど、ここは柑橘系でまとめました。
かじかむ手でアイスを受け取り、ぶるぶる震えながらドルチェをいただく。
味は言わずもがな最高ですが、もはや我慢大会の様相です。
それでもしっかり完食いたしました。ごちそうさま@@@@@ヘックション!


↓耕三寺!とぅ!


↓クッソ寒いけどドルチェ食うよ!


↓しおまち商店街


ドルチェを食べたら中心部であるしおまち商店街をぶらぶら。
昔よりもお店が賑わっているような気がする。
時刻は気づけば13:00を回っている。
お名残惜しいが、あまり時間の余裕がないので、瀬戸田を後にします。
またいずれ帰ってきますよ。
道は島の西側にへばりつくようにつづいていて、
西側に開けた海を眺めつつ進んでいく。
途中で、島ごと美術館の作品の中で一番好きな『波の翼』を発見する。
サンセットビーチを横目に進んでいくと、サイクリングだけでなく、
ウォーキングも盛んなようで、ご老人たちの大集団に遭遇。
みなさんから「ガンバッテ〜」のエールをいただきました。
そうして前方に、迫力満点の多々羅大橋が見えてきた!


↓サンセットビーチを行く


↓島ごと美術館


多々羅大橋キタ〜!


今回は橋のだいぶ手前の位置に自転車道の入り口を発見。
ふもとの公衆オイレで用を足して、いざ参る。
緩やかな斜面に設けられたミカン畑の間をぐるぐるとめぐりながら、
少しずつ高度を上げていく。
ここは島と島との間が少し開いているので眺望がよく。
開放感に浸りながら橋まで上り詰める。
橋からの眺望も最高で、しまなみに架かる橋の中で一番好きかもしれない。
対向からやってくるローディーさんもぼちぼち増えてきて、
フレンドリーに挨拶を交わしていきます。
ここで愛媛県に突入したのだが、そのことには全く気づいていなかった@@
時刻は13:40。


↓橋の手前からアプローチ道に入る


↓世界第2位の斜張橋多々羅大橋


伯方島がみえます


多々羅大橋、爆走ちう!


爽快な多々羅大橋を渡りきると、小さなお山にぐるぐる道が取り巻いていて、
そこを慎重に下っていきます。
眼下には道の駅が見えてきました。
あそこはしまなみライドの重要拠点地らしく、
たくさんのサイクリスト達が集っていました。
自分はまだまだ空腹を感じていなかったし、
出発がほかのグループとかち合ったりしたら嫌だなあと思って(浜松のトラウマ)、
道の駅はスルーして先を急ぐ。


↓クネクネ〜っと大三島へ上陸(下からローディーが上がってきてる)


↓道の駅・今治市多々羅しまなみ公園(最大の中継ポイント)


この頃になると、空模様もどんよりとして日が差さず、
少し寒さを感じるようになってくる。
R317を黙々と南下していくと、途中から道がげっそりとやせ細り、
その先で自転車道の入り口を発見する。
山間を大きく蛇行しながら道は続いていく。
えっほえっほと上っていると、大三島橋が見えてきました。
さっきの多々羅大橋がものすごくインパクトがあったせいもあるが
山間にひっそりとなんか地味な感じ。
ただこの橋がしなまみ街道で一番最初にかけられた由緒ある橋です。
中腹に展望スペースがあり、そこに「愛媛県」のプレートを発見して、
初めて自分が四国に足を踏み入れているということに気づいた。
記念撮影をして、もう少し上り詰めて大三島橋を通過。
時刻は14:00。


↓R317の外れから大三島橋へのアプローチ開始


大三島橋


↓いつの間にやら愛媛突入


大三島通過ちう


そうして5つ目の島、塩で有名な伯方島に上陸です。
上陸後は深い山間のアップダウンが少しあり、
それを抜けると長い下りが待ち受ける。
反対側から上ってきたサイクリストにエールを送りつつ下りきると、
R317に出る。
西瀬戸自動車道の高架下で道の分岐がある。
ちょっと指示がわかりづらいがブルーラインに従って広い方の道を選択。
(結局その先で合流するようだ)
少しだけ上ると、一転の下り。向こう側には広大なドックが見え、
造船中の船が少しだけ覗けてワクワク。やっぱり造船はロマンの宝庫やね。


伯方島。分岐を左へ(右でも行ける)


↓やっぱり造船!(何が?)


そのままずんずん進んで、伯方島ICを通過。
その先の道の駅伯方S・Cパークもスルーして
もうすぐ見えている次の大島を目指す。
道の駅を過ぎると道は一気に斜度を増していく。
橋へのアプローチではここが一番斜度があるように思う。
上りの途中に自転車道の入り口を発見しそちらへ折れる。
見通しの悪い道で落ち葉が結構散らかっていて滑りやすい。
カーブのところで反対車線で落ち葉がこんもりと吹きだまっているところがあり、
そこで下ってきたローディー集団が、こちらの車線にいきなり膨らんできて
危うく正面衝突しかける。
こらっ!下りでスピード出てるのに、うかつに対向にはみ出るじゃねーよ。
一瞬ヒヤリとしたが、状況を見てもしやと事前に予測して
アウト側に寄って走っていてよかった。
そうして大島大橋を渡ります。時刻は14:15。
途中、見近島という小さな島を中継して、最後の島・大島へ渡ります。
渡りきると急な下り坂で一気に海面まで降下。


伯方橋へのアプローチ


↓上がってきました


↓伯方・大島大橋通過ちう


↓最後の大島上陸♪


下りきったところを右折して県道49号に入る。
穏やかな海に沿ってのんびりと走ります。
空がどんどんどんよりとした重い感じになってきた。
少し空腹を感じてきたのだが、どうもこのあたりにはコンビニも店もない様子。
フェリー乗り場のところにサイクルステーションがあったので、
菓子パンでも売っているかと思ったが何もなく。
仕方がないので先へ進むことにする。
港のT字路を右折し、R317に入る。
ここからはしばしの間上りが発生する。しまなみ縦断で珍しくまとまった上り。
えっちらおっちらペースを保って体力温存していたのだが、
みるみるうちに空腹がひどくなってきた。
大島北ICまでひとしきり上っていくと、前方からローディーの大集団が下ってきた。
腹は減っているがここは調子に乗ってペースアップして上っていきます。
ICを過ぎてからもさらに斜度が上がり、そろそろガス欠。
公園根の分岐を過ぎ、3度目の高速またぎのところに吉海町の標識があり、
そこがどうやらピークの様子。
腹が減りすぎて頭の回転が全然だったが、
そういえば1つパンをポケットに残していたのを思い出した!
ああ、助かった!
ピークの手前にあるバス停のベンチをお借りしてしばし休息。
マンゴーとホワイトチョコの甘みが沁み渡り、お腹も十分。ごちそうさん


吉海町への峠越え。ピーク地点


食べ終わったらすぐにリスタート。時刻は15:15。
だが上りでかいた汗が引いた直後の長い下りに突入し、
寒さに身を震わせながら吉海町へと長い下りをこなしていく。
ちょっと休憩のタイミングを間違えてしまったよ…。
心底体を冷やしながら市街地に突入。
これはちょっと寒すぎるので、
コンビニを発見して缶コーヒーとブリトーを購入し再び休憩。
ついでに前の晩からつけっぱなしでカチカチに冷えてしまった
脚先につけていた貼るカイロを交換する。
再び走りだし、来島海峡大橋まであと4km足らず。
このまま順調にいけば1時間足らずで今治に到着できるが、
まだ日は高く、予定していた日没までの到着のめどが立ったので、
そのまま素直にライドの終わりを迎えるのももったいない。
ということで、余裕があればトライアルしようと思っていた
亀老山に寄り道することにする。
R317を少し進むと、亀老山展望台への案内板を発見し左折する。
800mほど山間に向けて鈍く上る。
途中集落のところが工事中で舗装がはがされてダート化してしまっていて
とにかくパンクが怖い。
そこを過ぎ、国道から800mほど進んだところに亀老山公園への入り口を発見する。


↓亀老山展望台への入り口。ここを右折し3kmの激坂。


↓亀老山3km、av9.3%の上級者コース


入り口で一旦ストップして上りに備えて袖をまくり、写真を撮ったりしていると、
上から地元の女性の方が散歩から降りてきて話しかけられる。
今日はあいにく雲が多いけどがんばって上りや〜と言われる。
ではでは、さっそくやっつけましょうかね。
さすがにアウターでは無理なので、インナーに落としてぼちぼち上る。
上り始めに1つカーブを抜けると、直線的に急坂がドーンとそびえる。
さすがに300km走ってきてこれはかなりツライ。
しかし大抵こういう場合は上り始めが一番急な場合が多いから、
ここがしのぎどきとダンシングで気合を入れていく。
上りきったことがダブルヘアピンで、そこから吉海町が眼下に見渡すことができる。
TTではないので、できるだけ消耗しないようにえっちらおっちら進む。


↓ムムッ!


途中に山頂まであと2kmの表示あり。ようやく1/3クリアか…。
そこから少し斜度が緩み、このままダラダラとしばらくは進むのかと思ったら、
大きく2つほどカーブを抜けると、斜度がドーンと上がる。
うむ〜。なかなか一筋縄ではいかんな…


↓ムムムッ!


そこをどうにか耐えて、残り1.5kmのヘアピンをくぐると、
再び斜度が少し緩む。それでも十分厳しいが…
北側の眺望をちらちらと横目に見ながら我慢の走行で上っていく。
そうしていつうちに前方が開けてきた!
山の東側、海に面した方面が一気に開けたかと思うと、えらい高度感。
短い間に随分上ってきました。


↓ずいぶん上がってきたぞ〜。遠くには香川県西讃まで見える!


眺望に少し元気をもらい、残り1km足らずの距離をがんばる!
しかし、最後の最後、斜度が今まで以上に上がる。
今日イチの激坂が最後の最後に待ち受けているとは…@@
もう時速4,5kmの虫の息ながら、必死のパッチで足つきなしで山頂制圧!
お疲れ!もう限界!
時刻は15:45。
車の観光客にねぎらいの声をかけてもらいながら、山頂に設けられた展望台を目指す。
自転車は会談の直前の柵にくくりつけ、
ビンディングシューズのまま長い階段をつたって展望台へ。
さすがに激闘の直後で足ががくがくブルブル。
そうしてようやく展望台に立つと…絶景がド〜ン!
あああ、がんばって上ってきてよかった〜(涙)


↓亀老山制圧セリ


↓亀老山展望台の様子


↓亀老山展望台の様子


展望台からは360度の大パノラマが広がり、瀬戸内の島々を一望できる。
直下にはこれから渡る来島海峡大橋が堂々たる姿で立ち、
その先には四国は今治の街並みが続いている。
思ったよりも栄えた町でびっくりした。
北側に目を転じれば、先ほどアップダウンをこなしてきた吉海町がはるか眼下に。
西の奥の方には”とびしま海道”として有名な広島県大崎下島
一方東側にはうっすらと市街地が連なっているのが見えるが、
あそこは今晩の主戦場になる香川県の西讃や川之江の街並み。
まさかそこまで見えるとは思っていなかった。
そして南側には西日本最高峰の石鎚山の山容が、分厚い雲の中へと吸い込まれている。
いやはや、これは期待以上。
夏の北アルプスでみた山の絶景に勝るとも劣らない素晴らしすぎる景色だった。


↓素晴らしい景色


↓相棒も頑張った!


さて、時刻は16:00を少し過ぎてしまった。
汗も引いて体も冷えてしまったので、そろそろリスタートします。
展望台から駐車場の方へ下り、マシンをピックアップし走りだします。
あれだけ苦しめられた激坂が今度は逆方向で再び襲ってきます。
フルブレーキングでの下りはハードで、上半身を酷使し、
上りと同じくらい体力を使う。
これだけ厳しい寄り道ではあるが、
その労力を支払ったとしてもこの展望台にはぜひ立ち寄りたい。
あの絶景はそれだけの価値があると思います。
再びR317に戻り、大島南ICまで少し上り返したら、反対側に一気に下る。
下りきって右に折れたら道の駅よしうみいきいき館に到着。
体を心底冷やしてしまったためか、差し込みが急に!
ということで、少しばかり長い目のトイレ休憩を入れる。


↓下りも怖え〜


↓道の駅よしうみいきいき館


トイレを済ませて外に出ると、
まるでしまなみライドのフィナーレを祝うかのように、
雲間から黄金色の光がぱあっと降り注いできた。
ああ、素晴らしい。まるで泣けてくる。
大急ぎでリスタートをして、最後の橋、来島海峡大橋へ向かう。
橋の直下のところに自転車道への入り口を発見し、
そこからジグザグと上っていく。
火内鼻のところから橋の本体へと近づいていく。
橋の横っぱらが丸見えなのだが、さすがに海に渡す橋だけあって巨大で存在感抜群。
人間はすごいなあ。
そうしていよいよ橋に到達すると、
橋の向こう側からまばゆい光がスパークする。
ああ、いよいよ、この橋を渡ればしまなみ海道完走だ。


↓橋の袂からアプローチ開始


来島海峡大橋。デカイ!さすが世界初の3連吊り橋!


↓夕焼け降臨!


この寒さの中、厳しいシチュエーションだらけであったが、
やっぱり来てよかったなあと感傷に浸りながら走る。
せっかくなので橋の途中で写真を撮ろうとマシンを降りようとして
なぜか右足のクリートが抜けずに危うく立ちゴケしかける。
大慌てで左足を抜いて緊急停止。
そのまま手で無理やりペダルから脚を抜く。
何があったのかと確認をすると、右側のクリートを固定している金具が
3か所のうち2か所がなくなっている。
それで足をひねっても、残りの一か所がクルクルと回るだけで固定が外れなかったようだ。
しかし、このままでは右足のクリートが使えない…
色々考えた結果、左の金具を移籍して、2個ずつ(前1か所と後ろ1か所)で固定すれば
問題ないと判断して、すぐにリペアする。
一応これ以降問題なく走行することができた。


↓橋の中央でメカトラ発生


リペアを済ませて、再び今治方面へ進んでいく。
橋はさすがに高度感があり、
しかも真横を高速が走っていて車が飛ばしているので
若干の揺れを感じたり、風圧があって高いところが苦手な自分は少し怖い。
そうして最後の料金所でお賽銭をして、来島海峡大橋を渡りきる。
これで6つの橋と島をつないだしまなみ海道を無事に走りきったぞ!
橋の降り口はループ状になっていて、真下に広がる造船所を眺めながら
爽快に下っていく。


↓最後の料金所


↓グ〜ルグ〜ル@@


↓やっぱり造船なんだよ(そうなのか)


↓やっぱカッチョええ橋や


下りきったところに今治側の拠点であるサイクルステーション、
サンライズ糸山があり、ちょっとそちらへ寄る。
室内は暖かく、自販機でドリンクを飲みながらしばし休憩。
それから土産物のブースを軽く物色。
ポケットもいっぱいいっぱいで土産を入れる余裕はないのだが、
無理やりにお土産を購入。
娘にはバリィさんの小さなぬいぐるみ、
奥さんには毎度恒例の手ぬぐいの代わりに、今治名物のフェイスタオル、
そして自分にはNPOシクロツーリズム今治が編纂した
しまなみ島走MAPを購入。
これだけ道わかってるのに、やっぱり地図が好きなんだよなあ。


↓自販機でパナのチューブ売ってます


サンライズ糸山より。


さて、時刻はすでに17:00。周りも随分暗くなってきました。
小腹も減っているが、ここで飯を食べてしまうと
ご当地グルメの宝庫である今治の名物が食べれなくなるので我慢し、リスタートします。
引き続きブルーラインの導きに従って南下します。
県道161号をひた走り、少し緩やかに上ってR317に合流します。
ひさびさに交通量の多い幅広の幹線道路に出たので、ちょっとビビリ気味。
慎重に今治市街に向けて下っていく。
国道が大きく右へと振られるところで、市街地へと伸びる道を直進する。
徐々に道は市街地の道となり、細かい路地があるので飛び出しに気をつけながら
ペースを落として進む。
そのうちに夜がやってきたので、ライトオン。
そこからさらに進むと商店街に入っていき、大通りを渡ったところで
現在地がわからなくなったので近くにあった観光用の案内板で現在地をチェック。
左折をして海側に少し進み、今治港をなぞりながら進むと、
ライトアップされた今治城がお迎えをしてくれました。


今治城


時刻は17:25。
ちょうど当初の予定通り日没までに今治までたどり着くことができました。
尾道から今治まで約75km。素晴らしいライド体験をさせてもらいました。
さて、ここからいよいよ2日目の夜がスタート。
ここからは寒さと疲労との孤独な戦いが待ち受けます。
つづく…