記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

クレイジージャーニー

最近の気に入りのテレビが、
水曜深夜にやっている『クレイジージャーニー』。
とにかく登場する旅人のあまりのクレイジーぶりに毎回驚かされる。
自分はもう普通の範疇でアドベンチャー愉しみます、
勘弁してくださいという気分になります。


リアカーを曳いてサハラ砂漠を横断する人や、
ブラジルのスラム街・ファベーラに住み着いて、
ギャングたちを撮影する写真家、
アフリカ原住民に溶け込んで生活する女性とか、
小さなカヌー1つだけで、オーストラリアから日本までを航海する人、
ルーマニアの闇マンホールタウンへ突撃取材する人、
アメリカで最凶最悪の刑務所に服役していた人などなど。
とにかくすごい人ばかり。


とにかく毎回毎回、
奇怪遺産、危険地帯、スラム街、ドラッグ&銃の最前線など
フツーの人がなかなか行けない(行かない)場所へ
意を決してというよりもむしろ、ふらっと行っちゃう感じで、
世の中には本当にいろいろな人がいるなあと。
ただ家畜をぶった切って湯に入れて茹でただけで味付け一切なしのスープとか、
明らかに怪しい緑色をした得体のしれないジュースとか、
生きたコブラの心臓をレアで食べるとか、
大量の軍隊アリを水に放り込んで、それを絞ったジュースとか。
現地の食べ物を何の躊躇もなく食す人というのは本当に強いなあと感じる。


特に印象に残っているのは、住職(大阿闍梨)の塩沼亮潤さんの回。
この方は、吉野・金峯山寺1300年の歴史でたった2人しか達成できていない
「大峰千日回峰行」を成し遂げた人。
この修行は簡単に説明すると、
吉野山金峯山寺蔵王堂から大峯山山上ヶ岳頂上までの
片道24kmを往復(48km、標高差1,355m)を1000日連続で歩くという過酷なもので
行の期間が年間4か月と定められているので、約9年もの歳月がかかる大修行。
もう想像を絶します。
またこれとは別に「四無行」という修行も満行されています。
「四無行」とは、断食(食べず)、断水(飲まず)、不眠(寝ず)、不臥(横にならず)を
九日間続ける修行で、無事に生きて行を終える確率が50%といわれるとても危険な行。
本当に死の淵までたどり着かなければ
開くことのできない悟りの境地ということなのだと思いますが
宗教的な面はさておいても、もはや超人としか言わざるを得ない。