『この世界の片隅に』 by 片渕須直監督
泣きました。
心の奥にある大切なものに触れたような気がします。
決して飾らず、えばらず、押しつけず、
だけれども、我々一井の人たちの日常にやさしく、
そして確かに寄り添う、そんな作品でした。
これらは絵空事でも他人後事でもなく、
約70年前の呉の空の下で実際に繰り広げられたことであり、
そしてそれは今日の世界のあらゆる場所と地続きでつながっている。
文字通り、この世界の片隅で、
私もひとりのすずさん、あなたもひとりのすずさん。
自分一人の力ではどうしようもできない社会とか時代とかがあり、
戦争を起こす人間もいれば、爆弾を落とす人もいる、
決してすべてが正しいわけでも、美しいわけでもない。
それでも明日はやってくる。そして今日を生きてゆく。
ただつつましく欲張らず、
家族や親せきやご近所と日々を営むことのありがたさに
改めて気づかせてくれました。
この映画が世に生まれてきたこと、
そしてそれを観ることができたことに感謝。
- 作者: 『この世界の片隅に』製作委員会,.
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2016/10/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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主人公のすずさんの立ち振る舞いや雰囲気が、
奥さんにそっくりで、奥さんを投影しながら見た。
本当にありがたいなあと改めて。
すずさんの声を担当したのんちゃんが本当に素晴らしかった。
彼女でなければ、すずさんはきっと成立していない。
彼女もまた自分の力だけでは立ち向かうことのできないものに
色々と阻まれていると聞くけれど、
それでもできることはある。
人を感動させたり驚かせたりすることができる。
改めてすごい女優さんだし、表現者でした。
ぜひ応援していきたい。