記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

ヨシダナギトークイベント「ヨシダ、梅田、蔦屋書店に立つ」

先週末の事。
愛すべき深夜番組『クレイジージャーニー』で見いだされ、
アフリカをはじめとする先住民の美を写し取ってきた
ヨシダナギさんのトークショーへ行ってきました。


色彩を強く意識した写真たちもさることながら、
相手の懐へと飛び込んで、信頼関係を築くために
自分も相手と同じ衣装や化粧、恰好になったり、
現地で差し出されるナゾの食べ物を躊躇なく口にしたりといった
撮影スタイルも話題となっている、今注目の方。
なぜこのような写真を始めるようになったのか、
とても興味深く、これは一度ぜひお話を聞いてみようと思った次第。


↓ヨシダ、梅田、蔦屋書店に立つ


ルクアイーレ9F


彼女のマネージメントをしている
キミノさん(この山田孝之似のお兄さんがまた超面白い)との
対談形式でトークショーがスタート。


ナギさんは小学生の頃にテレビで見たマサイ族に目を奪われ、
自分もいつかは、ああなれるものと思い込んでいたらしい。
と、まあそもそもがぶっとんだ感覚の持ち主だったようです。
今でもアフリカの民族の人たちは、
自分にとってのヒーローであり続けていて、
仮面ライダーにしても何にしても、
ヒーローは後光が必ず差しているので、
彼らを撮影するのは決まって
日の出と日の入りのそれぞれ1時間だけだそう。


また、フォトグラファーになった経緯がまた、
クレイジーな話でした。
中学校で集団生活になじめずにドロップアウトして
グラビアアイドルをしていたというのは驚き。
しかも先輩がエスパー伊東、後輩が小田無道という
なかなかレアな立ち位置(笑)
撮られる仕事も嫌いだったし、
女同士のドロドロとした世界も嫌いだったそうです。
グラドルをやめて、することがないので、
伝手を頼って、得意の絵を生かしてイラストレーターを
細々としていたそうなのですが、
子どものころからの夢を果たすべく、
アフリカへ単身飛び込んだことで、転機を迎えます。
初めてクレイジージャーニーで取り上げられた時も、
まだイラストレーターだったのだが、
スタッフさんにフォトグラファーですよねと言われて以降、
自分がそういう存在なのだと自覚するようになったそう。


こう見ると、自分の中に明確な意思や志があったというより、
自分のしたいこと、したくないことくらいで、
あとは流れのままに身を任せ、
その流れを的確にキャッチするというような感じ。
それでも、グラビアをやっていたことで、
撮る側と撮られる側双方の視点を持ち合わせたことが、
今の写真にも生かされているし、
イラストレーターとしての色彩感覚なども確実に今に繋がっている。
最終的な表現の仕方は変わっても、
実は根っこはずっと同じスタンスなんだろうなあと感じました。
なにより、肩書とか体裁とかを気にせず、
新しい世界、未知の世界へ柔軟に踏み込んでゆくというのは、
撮影スタイルそのままの生き方をされているなあと。
はっきりとした強さではなく、
しなやかさが彼女の武器であり魅力なのでしょうね。


あとは、各部族への撮影風景を記録したスライドを見ながら撮影秘話を。
世界一カラフルな部族といわれるスリ族や、
青の民族・トゥアレグ族
真っ白なアフロが特徴的なアファール族など、
魅力的な彼らについて、ざっくばらんかつ愛おしさ満開で
お話しいただきました。
特に面白かったのは、アファール族の”アフロ君”の話。
アフリカでもAKBのようなセンター争いがあるんですね。


トークショーの後は、サイン会&撮影会。
購入したベスト写真集にサインいただき、記念撮影。
今回も例に漏れずお土産を持ってきてまして、
奥さんお手製の民族クッキー!
ナギさんもキミノさんも相当びっくりされていました。


↓ナギさんと


↓おみやは奥さん特製のTRIBEクッキー!!


大判の写真集は一冊12000円と、そこそしますが
一回の撮影に500万円〜600万円かかっているそうで、
そう考えると決して高くない!!


↓『HEROES


今週末まで、梅田阪急でも写真展が開かれているので、
そちらもぜひ行ってみよう。