記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

バーガー宴

ということで、毎年恒例となりましたバーガー宴 at 大山。
審査員という、慣れないけれど、
非常に責任あるお仕事を依頼されて来ていますので
しっかりとお仕事果たしますが、
加えて、個人的にも全国各地の絶品バーガーが味わえると同時に、
色々な分野の方との
熱くて濃ゆい交流が本当に楽しみ過ぎる秋の祭典です。


とある方が超絶雨男で、いつも雨が降って、
何気に会場は標高800mなもんで、
ダウンを着込んでも足元から冷えて、体力的にきついのですが
今年はなんと2日とも快晴!びっくらポン!
お天気が良いからか、開場までまだ1時間も前というのに、
話題のバーガーのブースは長蛇の列で入場制限がかかっているところも。


↓快晴!!


↓スタート1時間前から続々


晴れ渡る青空に、大山の雄姿をバックに、いざ開幕です。
委員長のお決まりの掛け声でスタートと同時に、
各ブースは一気にヒートアップ。
我々も、真剣勝負が始まります。
同じく審査する面々は、バーガーやグルメ界のレジェンドたちや、
地域活性・地方再生のプロ、各メディア・出版の人など、
そうそうたる面々。
その中に、ちゃっかり混ぜていただいているのが、なんとも恐縮です!
昨今グルメフェスや街バル、様々な形態のグルメイベントがあふれかえっていますが
本大会がそれらと一線を画しているのはまさにこの部分。
単なる一過性のイベントでお客はワイワイやる、店は儲けるということではなく、
味やグルメとしてのクオリティはもちろん、地域への貢献度や、
地域活性ビジネスへの発展や継続性というところまで観点を広げて、
それらを厳しくジャッジするのです。
実際、運営側からすれば、そういうやり方はかなりの負担を強いることになりますが
それでも、大会の基本理念を忠実に実行するという誠実な運営ぶりが
全国的な注目を浴びて、地域活性のモデルケースとしても取り上げられてきました。
そうして今年で数えて9年目を迎えるということで、
こういったイベントとしてはかなり息の長いものとなっているのもうなずけます。


さて、実際には2日間で20個を食べてジャッジですが、
記事ではひとまとめにします。
前年までは40個近いバーガーを食べないといけなかったので
それを考えるとずいぶん負担は減りました。
数が減ったのはエントリー数が減ったのではなく、
大会に出場できる基準を厳格化して底上げしたためです。
この場所に出てこれているというだけでも、
かなりのレベルということで、こちらも気を引き締めてまいります。


↓いざ開幕!


1つ1つのジャッジ内容については省きますが、
とりあえず写真は一通りアップ。
今年はこれまでの常連さんが多く退場し、
しかもこれまで3連覇を飾っていた絶対王者が殿堂入りして
グランプリから外れたので、本命不在の戦いとなりました。
総じていえば、どうも優等生過ぎる、無難すぎる、
八方美人で差し障りのないものが多かった気がします。
万人に等しく受けようとするがゆえに、
全体のバランスを無難に取ろうとした結果、
刺さるようなユニークさだったり、オリジナリティだったり、
コレ!といえるウリが見受けられないもの、が多かったです。
●●バーガー!!とネーミングであおっておいて、
肝心のそれが全然目立っていないものなどもありました。
それなりにクオリティは高く、おいしいしのだけど、
それでは印象に残らないのです。
あくまで趣旨としては地域活性というところにゴールを置いている以上、
わざわざそこへ行ってでも食べてみたいと思わせないといけませんし、
一度食べて、また来たいと思わせなければならないという、
ご当地バーガーとしての使命があるわけで、
単にそこそこおいしいだけだったら、
都会にはいくらでもおいしいバーガーが食べられるし、
なんならフランチャイズで十分なわけです。
新規でエントリーしてきているところも多かったので、
そこまでのハードルをいきなり超えろというのも、
なかなかに難しかったかとは思います。
それでも、次回への可能性や伸びしろを感じられるところもあったのは収穫でした。


↓くまもとあか牛バーガー(熊本)


↓みるきぃ〜ホワイトバーガー(兵庫)


↓YAZUバーガー(鳥取


↓いといがわ翡翠バーガー(新潟)


↓やまがた元気玉バーガー(岐阜)


↓大山寺バーガー”禅”(鳥取


↓はびきのプレミアムさいぼしバーガー(大阪)


↓大賑わい♪


↓竹原たけのこ牛スジ煮込みバーガー ハッシュドポテト入り(広島)


↓たつの牡蠣グラタンコロッケバーガー(兵庫)


↓阿麻和利(沖縄)


↓せらバーガー 世羅高原豚ミルフィーユバーガー(広島)


↓極上A4熟成丹波牛京九条ねぎスペシャル味噌チーズバーガー(京都)


飛騨牛バーガー(岐阜)


↓牛タンアボカドチーズバーガー(静岡)


↓THE★殿さまキングバーガー〜山口県夏みかんが香る自家製BBQソース〜(山口)


↓島根の極・まるごと玉子焼きバーガー 〜ハーブ鶏&奥出雲高原トマト添え〜(島根)


↓九重”夢”ポーク丸ごとしいたけカツバーガー(大分)


↓4代目がいなバーガー(鳥取


↓THIS伊豆しいたけバーガー(静岡)


↓田舎のポークミンチカツバーガー(奈良)


↓20個完食


最終的にグランプリを獲得したのは、
YAZUバーガーさん。
地元鳥取から初めての店グランプリ受賞でした。
おめでとうございます♪


↓グランプリはYAZUバーガー!!おめでとう!!


↓リザルトはこちら


授賞式では自分も賞を授与してスピーチをしなければならず、
ドキドキでしたが、”味”と”おいしさ”の違いについてお話ししました。
例えば、自分は登山が趣味ですが、一所懸命登ってたどり着いた山頂で食べる
インスタントラーメンはなんと美味しいことか。
100均で買った添加物バリバリ、調理もテキトーのカップ麺が、
何よりのごちそうだったりします。
一方で、超高級有名レストランのフルコース料理であっても、
それがタッパーに乗せられて、会社の会議室で食べたとしたら、
どれだけ美味しいと感じられるか。きっと味気なく感じると思います。
例えば、全国いつどこでも同じ品質のビール。
それを真夏のビーチや熱狂するスタジアムで飲めば極上でしょうが、
それをトイレの個室で飲んでも美味しくない。
味も品質も全く同じでも、感じ取られる美味しさはまるきり変わってしまいます。
つまり人は意識的かつ無意識的に、いろいろなものを感受する生き物であって
食というのは、単なる味覚だけはなく、もっと総合的なものなのだと思います。
味がよい、品質が良いということももちろん大事ですが、
最終的に人が”おいしい”と感じられるものというのは、
味だけで決まるものではないということです。
味については、純粋にお客さんが気に入ったバーガーに投票してくれているし、
何より日本一を決める祭典に出場している時点で、おいしくて当たり前、
味は最低条件でしかないと思っています。
じゃあ、なんで我々審査員が呼ばれているかといえば、
味の良さが”おいしさ”に代わるところの部分の
仕掛けやストーリー作りがちゃんとできているかというところを見極めることだと。
それは例えば、盛り付けだったり、器だったり、店のロケーションだったり、
あるいはバーガーができるまでの成長過程だったり、
ひいては地域の人との連携や広がり、全国各地へのPRといったところです。
それらというのは、各ブースでお客さんにバーガーを提供する
ほんのわずかの時間ではお客さんに伝えきれない部分で、
そこをできるだけ我々がくみ取ってきちんと評価してあげることが肝心じゃないかなと
そういう視点で審査してきました。
そしてその観点こそが、単なるバーガー、グルメ、イベントとしてではなく、
継続的に地域の発展に貢献するというところまでのビジョンにつながるのでは
と思っています。


↓ガンバーガー!!