しおや歩き回り音楽会 しおさい2017
こないだも書きましたが、今関西で最もホットな町、それが塩屋。
今月いっぱいかけて、町ぐるみで行われていたお祭り
「しおさい2017」のラストを飾るイベント、
「しおや歩き回り音楽会」にお邪魔してきました。
六甲山系の西の端、山が瀬戸内の海へと沈む場所にあり、
入り組んだ谷にへばりつくようにして住宅が建ち、
狭い路地が入り組んだ面白い町。
その街を練り歩きながら、色々な場所でパフォーマンスが繰り広げられるのです。
いまだにアンサンブルズ東京の熱気を引きずって、
その残像を追い続けている自分にとって、
これほど魅力的なイベントはありません!
ということで、出発14:00の10分前に家族そろって集合場所に到着。
シレっとチキン軍団もスタンバイです。
下の娘はバギーに乗せていたのですが、
スタッフの皆さんから、
かなりきつい坂や階段続きますが大丈夫ですか?と心配されます。
いえいえ大丈夫です!
しかしあとで思いっきり思い知らされることになります@@
↓塩屋町東市民公園に集合
まずは公園で、児童たちによるコーラスがスタート。
そこからスパイダーマンの先導で、
狭い路地を練り歩きスタート!!
しばらく歩いて高架下で三味線。
さらにそこから近くのマンションの駐車場ではギター。
いろんなポイントで歌が花開きます。
よくあるイベントの形として、
一定のエリア内で、それぞれのスポットで同時多発的に歌が始まって
それを観客は自分で選びながら見るというのが多いけれど、
このイベントは全員がぞろぞろと練り歩いて、
ポイントに着くと、そこで歌や演奏が始まるので、
しっかり列についていけば、
全てのパフォーマンスが見れるようになっています。
ただ、あまりに狭い通路をこれだけの人がいっぺんに移動するので
とにかく誘導が大変。
ちゃんと届は出しているとはいえ、
道を封鎖しているわけでもないので
当然車も来ますし、住民の方の行き交いもあるので、
その邪魔にならないようにもしないといけない。
その点。明らかに人が多すぎてキャパオーバーな面も。
(この形式での開催は今年がラストという話も…)
↓スパイダーマンだ
塩屋谷川沿いにある塩屋商店会の中も練り歩き。
謎の怪人がハウハウとギターをかき鳴らしてお出向かえしていたり、
地元のギタークラブの方々のカントリーロードが聞こえたり。
そして大好きなワンダカレーさん。
帰りに晩御飯で寄ります。
必ず寄ります!
↓子供達にはキャベツ太郎を配ってた
商店会を抜けたところで、
去年からピザ屋を始めたピザ・アキラッチさんの熱のこもった演奏。
急に塩屋へ越してきて、ピザ屋をやると告げられた奥さん、
「覚悟はできてる!!」とシャウト。激アツやんけっ!!
SHIOYAコールが鳴りやみません。
演奏終わりで振り返ると、向かいのマンションの踊り場から、
陽気なヨーデルが、レイホロロ〜♪
よく見ると、須磨水族園のテーマソングで有名なリピート山中さんです。
レイホロロ〜♪
そこからいったん川を下って渡って、
坂道を登り返すと児童館に出ます。
そこでは地元出身の佐川満男さんがお出迎え。
思わぬ大御所の登場です。
主催者の森本アリさん(旧グッゲンハイム邸管理人&三田村管打団リーダー)と
軽いトークの後、2曲ほど披露されて拍手喝采。
↓佐川満男さんと主催の森本アリさん
そこから急な坂を上がり、
さらにコンクリの激坂を必死でバギーでよじ登ります。
幸いに娘は爆睡していて助かりました。
スタッフさんの心配が今頃。(とはいえ抱っこはさらに死ぬ)
登りきった公園では子供たちによる演奏会。
かわいらしい♪
それにしても、この町はなんと愛されているのかと思います。
ふつうこういうイベントを町ぐるみでとなると、
ある特定のグループだけの内輪になったり、
世代間の温度差が出たりするものですが、
あらゆる住民の人が参加して楽しんでいるように見えます。
本当に素晴らしい地域だと感心。
あと、驚くのは、この狭い狭い地域に
これだけ音楽や楽器に精通している人がよくいるなあと。
こんだけ吹奏楽隊が充実していたり、
ギターかき鳴らしたりする人がいるもんだなあと。
とにかく塩屋はいろんな意味で面白過ぎます。
パレードはまだまだ続きます。
急な坂を登ってきて、住宅の向こう側にはうっすらと海を臨みます。
坂のある町にはストーリーがある。
海の向こうへ音楽が渡ってゆく。
素敵です。
パレードは急な石の階段をずんずん進みます。
こちらは必至のパッチでバギーを担ぎ上げて後を追います(汗)
閑静な住宅街に入って、ホーン隊が一気に盛り上がる。
こんなところでも、わんさかゴキゲンな音が自由に飛び跳ねる♪
パレードはどんどん山の手の急坂を上り、住宅街を抜け、
ずいぶん海が下に広がるようになってきました。
あちらこちらで演奏がはじまり、音が響きます。
と、思えば、突然の急な階段。
本当にこれほど障害物系の音楽会はなかなかお目にかかれません。
列の邪魔にならないように、
必死でバギーを担いで上り下り。
う、う、腕がモゲるるるるる〜〜〜@@@
パフォーマンスはいたるところで
始まっては終わり、始まっては終わり。
坂道の途中、公園、空地、畑の中、住宅の中からでも、
どこからでも楽しい音が始まって、
次の音へとバトンが渡っていきます。
そしていよいよ最終地点が近くなってきました。
公園にて今日イチの光景が。
さっき畑で歌ってた人が、
パレードから遅れてマイクスタンドもって走ってきて大急ぎでスタンバイして
アコーディオン弾きながら「塩屋〜♪塩屋〜♪」と歌いだします。
すると、おそらくそのお子さんだと思いますが、
どうしてもお母さんに甘えたい男の子が、
ひたすら演奏を妨害(笑)。執拗に妨害(笑)。
それを振り払いつつ、必死で演奏を続ける母(笑)。
笑顔も歌も意地で続ける母(笑)
男の子も負けじと邪魔をして、
しまいには背後に回ってエイヤッとお母さんの首にぶら下がる!!
完全な形でチョークスリーパーが決まり、
思いっきり持っていかれる母、大ピンチ!!
しかし、母は強し!!
一回落ちそうになりつつ、グワンとカウンターで持ち直し、
明らかに苦しそうではあるが、アコーディオンを奏で続け、歌もやめない。
なんて執念!!
ガンバレお母さん!!
観客の誰もがそう思ってたハズ。
しかし、男の子も決して回した腕を放さない。
振り落とされまいと必死のパッチ。
どんどん締まる母の首。
しかし歌は終盤の盛り上がりへ差し掛かり、もう後へは引けない!!
腹の底から歌声を振り絞る母の熱唱。スゴイ!スゴイ!
そうして無事、一曲を切れることなく完奏したのでした。
でも、歌い終わって最後の部分で、本当にたまらず落ちかけておりました。
いやあ、ものすごいバトルを目撃してしまいました。
パレードはいよいよ最終の地、兵庫県研修所へたどり着きました。
すでに辺りは薄暗くなっています。
ここで自治会長さん?の歌がスタート。
これがまた何とも言えぬ味わいなのだが、
そこにホーン隊の物悲しい音色が加わって、
えもいえぬ艶めかしさを帯びてきます。
なんというか、寺山修司的というか、中上健二的というか、
地霊(ゲニウス・ロキ)が、どろどろと誘き出されて、
立ち上がってきたかのような、
畏れのようなものさえ感じさせます。
なんというかイタコの口寄せのようでもあり、
念仏のようでもあり、それが際限なくループして
脳みそに直接訴えかけてくる。
ある意味でゴリゴリのロックじゃん。
思わずそう感じてしまって、ゴクリと唾を飲み込みました。
それが終わって、少し移動をして海の見える広場にたどり着きます。
楽器隊は各々に寄り集まって思い思いの音を飛ばし、
それがいつしか1つの大きな塊となって、ハッピーな歌を奏で、
観衆も一体となってチャント。
もう真っ暗な中を音の渦が縦横無尽に駆け巡って、
最後には竜のごとく海へと流れていきました。
とても素晴らしい時間でした。
↓自治研修所の裏手の高台がラストステージ
終演後は、約束通りワンダカレーさんで晩御飯。
やはり旨い。
ということで、予定を大幅に押して
3時間近い練り歩きになりましたが、無事我々も完走。
バギー抱えて、登って下りて、大変でしたが
それもアトラクションと考えれば、貴重な体験です。
ますます塩屋が大好きになりました。
これだけの規模で、地元の人の理解も得てイベントをやるというのは
本当に大変なことなのです。
スタッフの皆さんには目いっぱいの拍手を送りたいです。
お疲れ様!!
<演者リスト>
うさぎ団(ロック)
塩屋海の合唱団(コーラス)
うみへび会(トロンボーン)
おおたけなおこ(三線・アコーディオンとうた)
小池照男(しの笛)
さかのうえプカバンド(こどもがくだん)
佐川満男(歌手・俳優)
satanicpornocultshop (エレクトロ)
しおぱん(スチールパン)
塩屋楽団(管打団)
しおやキッズ音楽隊(児童合唱)
しおやdeケンポー(シオヤソング)
シオヤポッセ(ラップ) | 糸音会(民謡)
鈴木勝(ギター)
Spicy Jam(オールドタイム)
せとうちフレンズ(弦楽合奏)
高橋ますみ(スチールパン)
dolce (豊明子・郭聖子 / クラリネットとサックス)
中塚信昭(塩屋ブルース)
中西悦子とそのサクソフォネッツ(サックスばっかり)
nature boy (スコッティ / ギターと歌)
蓮の花ボーイズ (岸本芳貴・篠原豊 / ギター弾き語り)
ピザアキラッチ・エキゾチックエレクトリック(オルタナティブ)
ペ・ド・グ(トランペットいっぱい)
三田村管打団?(ブラスバンド)
山本信記(トランペット)
Ug Noodle(ギター)
吉野竜城(チューバ)
Ruff (中西悦子・鈴木健一郎 / サックスとギター)
リピート山中(弾き語り)