記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

三田村管打団? ソロライブ at 旧グッゲンハイム邸(神戸・塩屋)

日曜日。家族でおでかけ
ドンブラコと電車に揺られやってきたのは神戸の西のはずれ。
愛すべき坂と海の街・塩屋。
源平の時代、絶壁の上から浜まで馬で駆け下りて奇襲をかけた
一の谷の戦いの舞台そのままに、海と山がせめぎあう場所で
坂道や段々が入り組む街並みが小さな谷に敷き詰められています。


さて、今日はというと、
待ちに待った三田村管打団?のソロライブなのです。
去年、港町ポリフォニー
二階堂和美さんとの二×三(ニカケサン)を観て、
しおや歩き回り音楽会ににも参加させていただいきましたが
3度目の正直でソロのライブです。


須磨海岸


会場は、バンドのリーダーでもあり、
塩屋の街の活性化の仕掛け人である
森本アリさんが管理人を務める旧グッゲンハイム邸
この辺りは明治・大正期に、
外国人の避暑地・別荘地として栄えた街で、
神戸の北野異人館街にあるような洋館が今なお点在しています。
すぐに海が見渡せるロケーションだったり、
非常に簡素ながら、飾らずとてもアットホームな空気感、
そして何より、ただ歴史的に貴重な建築を保存するということではなく、
地域の人々や、様々な人たちが、実際にそこを大切に使っている
生き生きとした場として成り立っているということが、
とても愛おしい場所です。


旧グッゲンハイム邸


↓素晴らしいロケーションと佇まい


開場まで少しあり、
広々としたお庭でしばらくぼんやりして
時間となり、テーブル席に陣取る。
カレーがあったので、思わずいただきます。


↓開場しました


↓カレー食べるヨ!


特に、さあ始めますと仕切るような感じでもなく、
じゃあぼちぼちといった感じで、ゆる〜くスタート。
全然肩ひじ張る感じじゃなく、
街の発表会を見守るような、そんな親しみやすさ。


まずは、自治会長さんをゲストに、
『月見草』という歌からスタート。
この歌は、先日の歩き回り音楽会の最後にも披露されていましたが、
朴訥と抑揚をつけて語る自治会長さんの言葉に、
楽器隊が悲哀漂うメロディーをのせていくのだが、
これがまた、中上健二か寺山修司の世界を垣間見るような
アングラ感があって、
しかもそれが無限ループのように続いていくと、
何やらイタコの口寄せか、坊主の念仏か、
そんな風に聞こえてくるのです。


自治会長さんの『月見草』からスタート


そこから三田村管打団?の本編はじまりはじまり〜♪
やっぱり甲高く明るいラッパの音色というのは、
それだけでも人をハッピーな気分にさせてくれる、
魔法のような楽器ですね。
今日は、風邪でお休みのメンバーがいて、
チューバ抜きのレア編成だそうで、
その分、トロンボーンが分担して頑張ってくれています。
メンバーの子供たちもワヤワヤと舞台の前に陣取って、
色々なトイ楽器をおもむろにかき鳴らしていたりして、
音楽が、「音楽」という形式ばった殻を纏うのではなく、
本当に暮らしの一部分として自然に沸き起こって、
それを近所のみんなで楽しく共有している、
そんな理想的なあり方をしている。
次々と繰り出される楽しい楽しいラテンのノリに、
2歳に満たない次女も思わず
ノリノリで体を動かしてはしゃいでいる。
きっと音楽大好きに違いない。
跳ねまわり飛び回る音に満たされて、
心温まる時間を過ごすことができました。


ちくわ笛の披露も


↓幸福感がわかる一枚


帰り際、アリさんとお話させてもらいました。
いやああ、色々でっかい人です(誉め言葉です)。
せっかくなのでCD欲しいんですとお尋ねすると、
奥から持ってきていただいて、
3枚全部買わせていただきました。



いやあ、なんか心温まるすばらしい休日を過ごせました。