記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

クラムボン with 徳澤青弦カルテット at ビルボードライブ大阪

金曜日。
待ちに待ったクラムボン with 徳澤青弦カルテットの
ビルボード公演の日。
長女と二人ではせ参じました。
娘も、久しぶりに鼻血のお姉さんに会えるというのでワクワク。




[:W180]


いやあ、スッバラシイの一言。
本当にこの公演を目撃できたこと、無類の喜びです。
おそらく今現在のクラムボンの最高MAXの形態だと断言できます!
夏の『メメントep2』のライブのような、
元気弾けるライブもゴキゲンだけど、
曲のベールを一枚一枚はがして、限界まで削って削って、
その内に秘めている真の旨みやポテンシャルを最大限に引き出した
ネイキッドでアンプラグドな大人の世界は、
実際に鳥肌が立つほどに感動的で、神々しかった。


クラムボンは自身の曲をセルフ・リメイクして
いろんなアレンジを実験するのが大好きで、
時には原曲の雰囲気を思い切ってぶっ壊したり、
これでもかってくらいに遊んだりするのだけれど、
今回の徳澤青弦カルテットのストリングスをいれて、
リ・ビルドしたアレンジが一番好きだ。
”駆け抜けるソングライン”
そう命名したいほど、壮大で爽快で、
おまけにストリングスの後を曳くような音の余韻が
甘酸っぱい青春まで引き連れてきたかのような切なさを帯びて、
もうなんだか泣けてくる。
恐るべし徳澤青弦カルテット!
おいしいところ全部持ってっちゃった!


もう何遍聴いたかかわからないくらい、聴いているはずの
『バイタルサイン』で、あんなに新鮮なキモチで、
泣かされるなんて思いもしなかったし、
ミト本人がなんでこうなかったかわからないと言っていたように、
なぜか火サスのようにミステリアスでスリリングな『はなればなれ』は、
驚愕も驚愕。
あの曲にあんな裏の顔?があるなんて!ゾクゾクさせられました。
ウッドベースを弾くミトの表情が超クールでした。
どれもこれもスッバラシかったけれど、とりわけ感極まりそうになったのは
『ララバイサラバイ』『タイムライン』。
1つ1つの音を愛おしむ様に紡ぎだす3人のメロディーに、
駆り立てられるようにして追ってくるストリングスの波。
1つ2つと音が躍り出て、それが次第に寄せ集まって音のヴェールとなり、
そして夜明けに向かって一目散に走り出した!
ああ、なんとも幸福な音の海にどっぷりと溺れてしまいました。


もうそんな感想もどうでもよくって、
とにかく、郁子ちゃんがいつものように鍵盤の前で
”うれしそう楽しそう”で、跳んで弾けてほほえんで、
ミトが奏でる音に耳を澄ませて集中して音を編んで、
その2人をバックから愛おしそうに見守りながら、
丁寧にリズムを刻んでいく大助さんの静かでアツいビート。
もう3人がやりたいことをやって、バッチリ決めて、
ステージの上で幸せだなあ〜ってオーラをプンプン振りまいてくれる
もうそれだけで充分。
3人が並んでピアノを連弾してた姿も感動でした。


大助さんのお誕生日のお祝いサプライズ(本当は12/1)があったり、
クラムボン年内ラストライブということもあったりで、
そういうのに立ち会えただけでももう胸いっぱいの
夢のような時間でした。


↓オリジナルカクテル・”タイムライン”


ビルボードライブ大阪10周年

        • setlist

M1 Re-Re-シカゴ
M2 希節
M3 はなれ ばなれ
M4 tiny pride
M5 ララバイサラバイ
M6 バイタルサイン
M7 タイムライン
EN Slight Slight


---member---
Vocal, Piano, Organ, Khim  原田郁子
Drums, Piano 伊藤大助
Bass, Guitar, Glockenspiel, Piano ミト 
1st Violin 押鐘貴之
2nd Violin 須原杏
Viola 梶谷裕子
Cello 徳澤青弦