川崎を彷徨う 工場夜景(Jet Black before DAWN )
熱狂的な浅草の夜を終えて、
終電間近の満員電車を乗り継いで向かった先は川崎。
前回の山手線徒歩一周に味を占めて、
というか宿泊代を浮かせる意味もあって、
再び夜の風景を撮影することにしました。
何か面白いテーマ、
こちらに遠征しないと撮れないものを考えた結果、
これはもう、満を持して京浜工業地帯の工場夜景で。
川崎駅前に降り立ったのが0:30。
早朝からはまた別の大冒険が待っているので、
朝の7時までにここに戻ってくる必要がある。
タイムリミットは6.5h。
広範囲に広がっている京浜工業地帯を全部見て回ることは難しいので
今回は浜川崎〜扇町〜千鳥町のエリアに絞る。
酔っ払いや客引きで賑わう駅前の喧騒をかいくぐり、
県道101号を進んで、R1をまたぐ。
先日のなんちゃってキャノボでは、
ここを通過したときは一番雨脚が強かったことを思い出す。
その先からはひっそりと寝静まった住宅街を抜けてゆく。
追分の五差路を過ぎると、いよいよ鉛の匂いが漂ってくる。
首都高をくぐり、南渡田運河を越えれば、扇町。
この時間でもダンプやトレーラーの往来が激しく、
歩道の隅っこで、影のようにして移動する。
気になるポイントを見定めながら、とりあえずは島の先端まで。
なかなかめぼしいポイントがないまま、進めるところまでは進む。
広大な空き地の先に、巨大なバイオマス発電所がそびえたち、
まるで活火山のように白く分厚い蒸気を吐き出している。
そのポイントでいくつか撮影。
↓扇町駅
↓川崎バイオマス発電
扇町から戻り、首都高沿いに移動する。
千鳥町を目指す途中、
水江運河の先に見える東亜石油の鉄管群を撮影。
少し距離があり望遠を使うが、ズームはブレやすくて難しい。
↓東亜石油
そこから夜光町を抜けて、R132にでる。
千鳥橋を渡ったすぐの、引き込み線のポイントは
工場萌えには有名な撮影スポット。
そこからわき道を進み、色々と撮影。
↓日本触媒 千鳥工場
↓日本触媒 千鳥工場
この時点で、結構な歩行距離で疲労困憊、
朝の底冷えと眠気も相まって、今回はここで撮了としました。
巨大な工場プラントのほんの一部しか回れなかったので、
また上京の折のお楽しみとしておきます。
ただ、工場萌えや工場夜景の写真は、あまり個性が出ないなあという印象。
どうしてもオブジェクトありきになってしまうし、
一般人が狙えるアングルも限られてしまうので、
それなりの撮影技術と装備さえあれば、
誰でもそこそこ同じように撮れてしまう。
なので、アイデアや視点といった面白さではなく、
結局撮影技術の勝負に陥りがち。
映し出したものに、どう物語を付与し、
イメージをかきたてられるかが自分としては大事なのだけど、
どうしても被写体の迫力がすごいので持っていかれてしまう。
まあ純粋に産業遺産好きとして、記録観察とわりきってもよいのだけど、
やっぱり、どうせ写真やるなら、そこにこだわりたい。
時刻はすでに4時。
前日のハードスケジュールにお酒もあって、満身創痍。
威圧的な爆音を鳴らすトラックやダンプの脇をかすめながら
川崎駅へ冷えた道を歩けば、
まるで『真夜中のカーボーイ』のJ・ボイドか、D・ホフマンのような気分。
事前に川崎で早朝からやっている銭湯を見つけておいたのでそちらへ。
5時からやっている中島湯へ飛び込み、氷解。
ここはぬるめのお湯で、ゆっくりどっぷりと浸かる。
温まってきたら半露天風呂湯で涼みながら。
そうやって酷使した体を休めていると、
どうしても抗いがたい眠気に襲われ、ついウトウト。
つかの間の極楽でした。
今回撮影した写真点数もなかなかの数になりましたが
そこから合格点のものを別記事でアップします。