記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

比良山系縦走

ハイ、もう長い事(10年近く?)

GWなるモノとは縁遠く、

もはや都市伝説の一種ではないかと思っておる身で、

今年も誰もいないがらんどうのオフィスで

黙々とお仕事三昧なのですが、

どうにかケリをつけて、

1日だけお休みを無理やりこさえる。

この冬から春にかけては、フレッシュ本番に向けて

外遊びはもっぱら自転車に集中していたため、

山恋しとばかりに、随分とご無沙汰で山歩きへ。

日帰りで行ける山域は限られるのだが、

六甲ばかりというのも味気ないので、

もうちょっと頑張って色々調べていたが、

GW変則のダイヤなどで

狙っていた山へのアクセスが難しかったりで、

行き先難航。

結局あまり無茶はできないので、

夏をにらんでフルスペック装備で、

鯖街道から武奈ヶ岳へ上り、琵琶湖へと横断することに。

結果的に、展開が早かったことで、

比良山系をほぼほぼ縦走してしまいました。

 

まずは出町柳から朽木方面へと向かう

唯一の京都バス(7:45発)に乗らないと話にならないので

間に合うように向かいと、バスには長蛇の列で、臨時便も。

どうにか乗り込んで1時間ほどスタンディングですが、

前日3時間ほども寝ていなかったせいか、

日頃しない乗り物酔いをしてしまって、

胃腸の具合が悪くなる。

どうにか出発点の坊村に到着してトイレを済ませて、

8:50に山行スタート。

 

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明王院の赤い橋を渡ったら、いよいよオフロード。

定番の御殿山コースですが、のっけから急登です。

イカーの数も多く、渋滞に巻き込まれたくないので

初っ端からハイペースで、

どんどん人をパスしていくが、

ちょっと無理したせいで、

途中で脈が飛んで気分が悪くなり、

一旦落ち着かせるためにストップ。

それでもバス組はほとんどクリアでき、

あとはマイカー組がちらほらと先行するくらいで、

ここからは自分もペースで進みます。

去年の台風や大雨の影響なのか、

ルート上でも多くの倒木が見られます。

 

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ひたすらに眺望のない森の急登を詰めていき、

ようやく夏道と冬道の分岐まで。

ここはなだらかな夏道を進みます。

ここまでくれば結構なだらかな道で、

再びペースを上げます。

小さな涸れ沢をなぞって、

すぐに右手の斜面を詰める。

この辺りちょっと道はべちょべちょ。

再び冬道と合流をして、

涸れた木々の間を抜ければ、

標高1097mの御殿山。

沢山のハイカーが休憩をしていましたが

ここはスルーで先を進みます。

 

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御殿山からいったん大きく下ってワサビ峠へ。

そこから目の前に立ちはだかる斜面へ再び取りつく。

少しずつ高度を回復するにつれて、

眺望が広がっていきます。

西側には京都北山から、美山方面と広がる

広大な山のつらなりがあり、

振り返って東側には比良山系の主稜線、

それを目で追って行けば、

遥か南側のテッペンにびわ湖バレイの建物が見える。

いったん西南稜の小ピークで斜度は収まるが、

そこから再びの上り。

一か所だけ小さな岩場を乗越せば、

ほどなくして武奈ヶ岳に到着。

登山口から2時間ジャストと、

調子が悪いかった割にいいペースで上がってこれました。

 

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比良山系の最高峰、標高1214mの

武奈ヶ岳からの眺望は360度ですが、

あいにく花曇りで琵琶湖も霞んで見えます。

それにしてもあまりに早く着きすぎてしまい、

お昼ご飯するのにも早いし、

このまま下山というのももったいない。

どうしようかと考え、あの遠くに見える、

びわ湖バレイまで縦走してみようとプラン変更。

そうとなれば、早速リスタートします。

 

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11:00ジャストにリスタートして、

直下の分岐を左に折れます。

そこからコヤマノ分岐まではガレガレの下りをこなす。

分岐をいくつか通過して、

あまり頂上らしくないコヤマノ岳を通過する。

 

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そこからは結構急な下りがズルズルと続いていく。

こちらのルートは、

上ってきた御殿山ルートと比べ歩いている人が少ない。

黙々と急登を下っていくと、

小さな広場みたいなところに出て、

そこからさらに少し下ると沢に出ました。

このヨキドウゲ谷を下っていき、

大橋からの谷とぶつかって、

さらに少し下って八雲ヶ原との分岐の広場へ。

そこから少し上り返せば、金糞峠。

峠の向こう側は琵琶湖が広がっております。

金糞峠から右手へ折れると

比良山系縦走コースへと入ります。

 

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堂満岳のピークはスルーして巻き道を進んで南比良峠。

そこからいったん内側へと道は切れ込み、

そのうち壁のような急登が短いながら現れ、

ヒーコラ言いながら上り詰めて、

反対側へと下ると荒川峠。

このあたりで時刻は13時手前。

実は、ここまで胃腸の不調のために

全然補給できず、飲まず食わずできていて疲労困憊。

さすがにハンガーノック寸前になれば、

いやでも飯が食えるだろうという無茶な作戦。

で、そろそろ腹も減り始めたので、

峠を少し越えたところに

ちょうど眺望の良いスポットがあったので、

そこでお昼ごはん。

 

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ひさびさに調理用具を持ってきているのでクッキング。

しかし、まさかこんな胃腸が絶不調になるとも

思ってもいなかったので、

レトルトの天理スタミナラーメンという、

ハードな代物を用意してきてしまったぞ…

それでも暖かい汁ものは染み渡る。

結局、色々おにぎりとかパンとか非常食とか、

持ってきていたのに、

縦走中これだけしか食べられず。

普段常に食べながら歩いている

自分としては珍しい絶不調です。

 

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支度をしてリスタートが13:30前。

そろそろ、どこで下山するかも

視野に入れていかないといけませんが、

ひとまず、ずっと見えていながら

なかなか距離の縮まらないあの打見山・蓬莱山へ行かねば。

しばし下り基調で進み、再び上り返して

鳥谷山(からとやま)に到着。

ここからは、北には遠く武奈ヶ岳

南には打見山・蓬莱山がほぼ同じくらいの距離に見えます。

ああ、まだまだあるぞ。

 

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鳥谷山をズイズイ下って、葛川越までたどり着き、

そこからはまた再びの上り。

縦走は果てしないアップダウンの応酬です。

登りきると巨岩がいくつがゴロゴロと点在する小ピーク。

そこからはなだらかで広い森を行きます。

途中、比良岳の標識がありますが、

本当のピークはルートから少し外れた場所。

とりあえず縦走を優先して、ピーク探しはスルーし、

森を進みます。

これだけただっ広くて、代り映えしないと、

悪天でガスってたり、冬場の雪でホワイトアウトしたら、

迷ってしまいそうだ。

 

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ほどなくして木戸峠に到着。

そのまま標識に従って進むと、

びわ湖バレイのスキー場のコースへ。

急な斜面をえっちらおっちらと歩けば、

まるで今までの山の険しさとは別世界の、

人々の賑わいぶり。

 

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びわ湖バレイでは、とりあえずトイレを済ませ、

なにかせめてソフトクリームでも食べようかと思ったが、

どこもかしこも行列で、

話題の琵琶湖テラスも人がうじゃうじゃで

何を見ればよいのかわからん状態で

帰りのロープウェイの行列は90分待ちとか。

結局自販機でジュースだけ補充して通過する。

笹原まではなだらかな下りで、そこから満開の水仙畑を行く。

蓬莱山までの上りは見た目はそうではなさそうでいて、

結構急斜面で長いので、ひどく疲れた。

 

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さて、ひとまず目的地である蓬莱山には到着した。

時刻は15:23。

日没が18:30とすればあと3時間で下山せねばならない。

無難に下るなら打見山へ戻ってからの

キタダカ道が一番だが、それも面白くない。

ならば先へ進むしか選択はない。

時間的にも、鯖街道側へ降りるのではなく、

琵琶湖側に下りないと足がないので、

そうすると小女郎峠から蓬莱駅へ降りるか、

権現山から和邇駅へ降りるかの2択。

どうせここまで来たのなら、

一番南端の権現山まで歩き切りたいが、間に合うかどうか。

まだどうにか日は持ちそうだが、

今日はコンディションがイマイチなうえに、

縦走のつもりもなく、無駄に重い荷物できてしまったので

疲労困憊でこれ以上ペースは上がらない、

どうしようかと考えつつ、

こないだのフレッシュでいただいたフレジェルを補給したら、

これが美味しいのなんので、一気に元気が湧く。

危険な難所はないし、ナイトハイクも慣れてる。

もう行くっきゃないでしょう。

 

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まずは蓬莱山から笹原を縫って進みます。

この辺りは本当に眺望が突き抜けていて、

いつ何度歩いても心地よい。

もうすぐ手を伸ばせば届きそうな感じで琵琶湖が見えているが

あそこまではまだまだ時間がかかる。

小女郎峠をすぎ、ホッケ山あたりまでは、

ずっと遮る木々もなく、琵琶湖が丸見え状態。

それもこんな時間誰も歩く人もおらず、独り占めです。

まあ、ゆっくりのんびり

眺望を味わってはいられないのですが…

 

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ホッケン山を過ぎると、道は急旋回で右手へ折れて、

少し上り。

ようやく権現山へたどり着きました。

時刻は16:13。

まだ日没の心配するほど暗くなく、少し安心です。

 

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休憩もほどほどに、リスタートして下っていきますが

この下りがまたかなりの急登で、

疲労困憊の足を削っていきます。

15分ほど格闘すると、

未舗装の林道のような道に出て随分歩きやすくなります。

これなら目の前に見えていた霊仙山もいけるかもと思っていたが

ズコノバンという分岐ポイントがどこだったのか

見逃してしまい、そのまま下りてきてしまいました。

17時ジャストに登山口に到着。

 

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もうここからは舗装道路なので、一安心ですが、

このルートはここから駅までのアプローチが

果てしなく長いため、

引き続き気を引き締めて歩きます。

栗原という集落に出て、そのまま和邇ICをくぐります。

道の駅妹子の郷で少しだけ寄り道をしましたが、

JR和邇駅に到着までが約1.5h!長いよ!

ということで、まさかまさかの比良山系縦走となりましたが、

約9.5hの山行無事に終了です。

 

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下山して、スマホチェックしてたら、

円卓さんが珍しく肉々しい献立を用意することを知って、

出町柳に寄り道決定!

さすがにほとんど補給もせず、下山後も何も口にしてなかったので

お店に到着したらお腹ペコぺコで、

あっという間に平らげてしまいました。

それにしても疲労と寝不足MAXで、

ビール1杯でヘロヘロになってしまいました。

早めに切り上げて、どうにか家にたどり着きましたとさ。

 

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<山行スケジュール>

8:45出町柳⇒(京都バス10系統)⇒8:45坊村

08:50坊村⇒09:00明王院⇒09:45夏道冬道分岐⇒10:18御殿山10:20⇒
10:23ワサビ峠⇒10:40西南稜1120m地点⇒10:50武奈ヶ岳11:00⇒
11:13コヤマノ分岐⇒11:18コヤマノ岳⇒11:50上林新道四辻⇒
11:58金糞峠12:00⇒12:30南比良峠⇒12:50荒川峠⇒13:40烏谷山⇒
13:57葛川越⇒14:10比良岳(道標)⇒14:33木戸峠⇒14:50打見山15:00⇒
15:23蓬莱山15:25⇒15:42小女郎峠⇒15:50ホッケ山⇒16:13権現山16:20⇒
17:00権現山登山口⇒17:25栗原バス停⇒18:25JR和邇

 

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