仲間に会いに行くだけ登山 いざ唐松岳
前回の、美ヶ原の翌日のはなし。
初発の大糸線に乗り込むために、早起き。
松本市内は比較的晴れていて清々しい朝だが、
北アルプスの方面を見ると
うーん、山の上はどうも天気が悪そう。
雨さえ降らなければいいのだけど。
5:56発の大糸線に乗り込んで、車窓を楽しみつつ朝ごはん。
前日、少しだけ街を散策した際に、
小松パン店(パンセ小松)さんで買っておいたパンをいただく。
(有名な牛乳パンは、コロナ対策で要予約で買えず)
8:00ジャストに白馬駅に到着。
それから5分後に発車する路線バスに乗り、
八方バスターミナルで下車。
そこからホテル街を10分ほど歩いて、
八方アルペンラインに到着。
ここからゴンドラ「アダム」、
アルペンクラッドリフト、
グラートクワッドリフトと乗り継いで、
登山道のスタート地点である
標高1830mの八方池山荘へ向かう。
チケット購入の際に、登山届を出すのに加えて、
コロナ対策として、検温、消毒、
もろもろの記入などを済ます。
そしていざいざ。
兎平でゴンドラからリフトにスイッチ。
心地よい風に吹かれながら少しずつ上がっていきます。
麓を見るといい感じで晴れているのですが、
これから向かう上部は徐々にガスガスに。
黒菱平で再びリフトに乗り換えていきます。
ここからは高山植物が咲き誇る花畑のすぐ真上を進むので、
色とりどりの花が目の前に見えます。
この頃はまだまだ夏の暑さが厳しい日々でしたが、
山の上は早くも秋を迎えようとしているようでした。
ピンク猫じゃらしこと、カライトソウも見事に咲いています。
9:00を少し回って、ようやく八方池山荘に到着。
トイレ等を済ませて、
いよいよ標高差約800mの登山道スタート。
といってもここから八方池までは
一般の観光客も含めて歩かれるため、
かなりの渋滞が発生しています。
それなりに密状態なので、マスクを着けたまま進むので、
息が苦しい…
たくさんの人をパスしながら、
整備された木道をトコトコ進みます。
トイレのある第2ケルンまでは20分ほど。
ここから先は露地の道となります。
コロナ禍というのを忘れるほど人が多くてちょっとびっくりする。
ほどなくして八方ケルン。
そこから岩の急登を少し上れば、
前方が開けてきます。
そうして絶景スポットである八方池に到着。
本当なら、ここから白馬三山や不帰の嶮がずらりと見渡せ、
コンディションがよければ
それが池の水面に逆さに映し出されるのだが、
もうびっくりするくらいに
ガスガスの真っ白けっけでございます。
あれだけの大きくて存在感のある山容も、
まるでマジックのように消されてしまっています。
でも、山ではほんの一瞬の晴れ間というのもあったりするので、
休憩がてらしばらく待機してみますが、
やっぱり駄目でした。
しばしの休憩ののち八方池を後にして、先へ進みます。
ここから先は登山装備をした人向けのルートになります。
岩場を伝って細い尾根に取り付き、前方の大きな山裾へ。
そこから一気に上り坂となります。
ここまでもまだ人が多いので、
マスクしたまま登っていたので
暑いし、息苦しい@@
山の左側の斜面を粘り強く登っていくような感じで、
似たような斜面が二度三度続いていきます。
相変わらず周囲はガスガスなので、
眺望はなく、黙々と進む。
そうして10:30を少し過ぎたあたりで、
扇雪渓に到着。ここで少し休憩をして、エネルギーも補充。
設計からルートに戻し、急登を上り詰めると、
雪渓の真上あたりに丸山ケルン。
ここからは稜線に出て少し風があります。
ここも晴れていれば、白馬三山を望みながら進めるのですが、
真っ白の世界が続きます。
徐々に道は険しくなり、先行する人たちの歩みも鈍るので、
軽い渋滞発生。
上から降りてくる人との行き違いもあり、
譲り合いながら進みます。
ここはきちんと整備もされているし、
難易度も高度感もそれほどありません。
軽い難所を越えて、山荘の直上に出ました。
山頂は後にして、ひとまずは小屋へ参ります。
11:40、目的地である
唐松岳頂上山荘(標高2620m)に到着しました。
早速、宿泊の手続きがてらご挨拶と思ったら、
まだチェックイン時間ではなく、
しかも呼び出した本人が休憩中で
どこかに行っているようで姿がない!!
仕方がないので、荷物をデポして、
アタックザックで山頂へ向かうことにします。
山頂へはいったん大きく下ってからの登り返し。
えっほえっほと最後の上りをやっつけていると、
あれだけ分厚かったガスが、少しずつ晴れてきました。
これはひょっとしたら、晴れるかも??
10分ほどかけて急場を詰めて、
無事に300名山、標高2696mの唐松岳に登頂しました。
たくさんの人が山頂の至る所にいてびっくり。
さすが、北アルプス入門編の山です。
登頂してすぐぐらいはまだガスガスで、
時々雲の切れ間が出るくらいだったが、
しばらく待っていると陽が指すようになってきて、
ちらちらと姿を現しました。
元々予報から全然期待していなかったのだけど、
それなりに絶景も楽しむことができたので、
ラッキーでした。
ひとしきり楽しんだら小屋へ戻ります。
戻ってきたら、ちょうど姫とバッタリ!!
おひさしぶり!!
同じ隊に配属された仲で、
毎年、あちこちの山小屋で働いて、
山に暮らしていくことを決めた、
これからの山の世界をになって行く期待の若者のひとり。
今回の山行の目的は彼女を慰問することでした。
彼女がシーズンオフに帰阪している時に、
六甲を一緒に登って以来の再会です。
色々と近況を報告し合ったり、他の仲間の情報交換、
そしてコロナ禍での山事情、
山小屋事情(特にヘリの輸送問題)など色々と話できました。
とにかく彼女が元気よく、
山で仕事をしているので安心しました。
盛り上がり過ぎて、せっかくの休み時間いっぱいまで
付き合ってもらっちゃった@@
さて、チェックインがまだだったので、
彼女がお仕事に戻ってすぐに宿泊の手続き。
唐松岳は日帰りピストンの登山客も多いので、
あれだけ山頂には人がいましたが
宿泊はそこまでひっ迫していませんでした。
(ただ通常なら布団1枚に何人もが膝を詰めて寝るところを、
密回避のために人数制限をしているためでもあります)
今晩は、このカイコに自分ともう一人だけ。快適です。
少し晴れてきたのもあり、
晩ごはんの時間までの時間つぶしに、
翌日向かう(結局行けなかったが)予定の
五竜岳方面へちょっとだけ。
ということで牛首のあたりまで。
短い区間とはいえ、なかなかどうして急峻な岩場です。
ここからは山荘と唐松岳がセットで眺めることができます。
さて、晩ごはんの時間。
週末のメニューはカレーということです。
山小屋でカレー食べるの久々かもしれない。
おかわり自由ということで遠慮なく。
甘いものが疲れた体にありがたい。
慌ただしく働く姫にひと声かけ、
食後はすぐに就寝。
翌朝、ポタポタ、シトシトの雨。
予報でも昼になるにつれて悪い状況になりそうだったので、
五竜経由、遠見尾根ルートは早々に断念。
久々の高所だし、体力も落ちてるし無理は禁物です。
ゆっくりと朝食をいただいて、6時過ぎに出立。
姫がわざわざお見送りをしてくれ、
姿が見えなくなるまでバンザイしてくれたのがたまらなく嬉しかった。
(バンザイの見送りは、我々の愛するホームベース、朝日小屋の名物なのです)
姫は、まだあと一か月ほどこの小屋での仕事だということで、
無事に安全にがんばって。
さてさて、下山です。
もうずっとガスガスモヤモヤの中を進みます。
難しいところもそれほどないし、
皆早々に出発してしまっているので静かな一人歩き。
もうそろそろ丸山ケルンというあたりで、
東の空が少しずつガスが晴れて青空が見えてきました。
丸山ケルンのところで、左手の不帰の岸壁が少しだけ見えます。
稜線は分厚い雲がどっしりと腰を下ろしていますが、
前日全くうんともすんともだったのを考えると、まだよかったかな。
ちょっと粘れば、見えるかなとしばし待機。
するとほんの一瞬だけですが、白馬岳がちらっと!
慌ててカメラを構えるが、
その間にもう次の雲が邪魔をして捉えきれず。
そこからはいったん逆の斜面へ道は進みます。
扇雪渓の手前で、先行していた女性の方が、
しばらく一緒に歩いて行ってもいいですかと尋ねられたので、
どうぞご自由にと、八方池の少し手前辺りまで。
そうして八方池に到着。
朝に比べると、高度を下げたのもあって、
青空が見えています。
池の撮影スポットでは、
どこぞのyoutuber陣がいてかなりやかましく、
ドローン撮影をしていました。
(ちなみに国立公園内でのドローンの使用には申請許可がないとできません)
せっかく予定より早く降りてきたので、
少しだけ粘って雲が晴れるのを待ちましたが、
人もどんどん増えてくるし、
この日はもう雲が厚すぎるので、30分ほどで下山再開。
登ってくる人と行き違いながら、
ほどなくしてロープウェイ乗り場に到着。
ちょうど雲間の高さなのか、リフトはガスガス。
レインウェアを着ていてもちょっい寒い
無事に麓まで下りてきて、山終了です。
ちょうどいい時間のバスがないので、駅まで歩きます。
麓はうだるような暑さで、みるみる体力が奪われる@@@
駅前のパタゴニアに知り合いが勤めているので、
寄ってみましたが、まだ店が開く前でした。
ようやく駅に到着すると、いいタイミングで電車があり、
そのまま帰路につきます。
帰りの電車で、姫が小屋の貴重な食糧でこさえてくれた
でっかい握り飯をありがたくいただく。
わざわざ袋にコメントまでつけてくれて、
ありがたいよねえ。
そうこうして、無事に帰宅。
家族へのおみやは、松本駅で大急ぎで買ったおやつ。
どちらも思わずジャケ買いしました。