記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

つよしゆうこ×高山なおみ 絵本『ふたごのかがみピカルとヒカラ』絵本原画展&トークイベント

12月某日。

いつもお世話になっておるitohenさんで、

銅板画家のつよしゆうこさんと、

料理家で随筆家の高山なおみさんが手掛けた

絵本『ふたごのかがみ ピカルとピカラ』の

原画展&トークショーがあり、

そこに家族で参加してきました。

 

f:id:arkibito:20201219184604j:plain

f:id:arkibito:20201219191905j:plain

 

作品は、ふたごの鏡ピカルとヒカルが、

見たことのない風景を旅していくというお話。

これは高山さん自身が双子であるということもあるのですが、

鏡というモチーフはふと降って湧いてきたものなのだそうです。

 

高山さんの思い描いた世界を、

つよしさんが受け止めて、

つよしさんのフィルターを通して、

銅版画(文字通り銅板を用いた版画)という技法を用いて、

絵の世界へと映し出しています。

2人の世界を合わせ鏡にして1つの世界を作り出していく、

それはまるで主人公の双子の関係性でもあります。

 

版画ならではの線や輪郭の大胆さや力強さに加えて、

実に見事な色彩の豊かさと美しさに思わず目を見張りました。

ピカルとヒカラが初めて飛び出した真新しい世界で

目の当たりにした美しさに、思わず感情がスパークする、

その衝撃、爆発、喜びの瞬間をまさに切り取ったかのような、

色のほとばしり。

 

絵本でもその素晴らしさは実感できますが、

やはり原画を間近で見ることによって得られる躍動感、

一つ一つ刻まれた線の描写や、絵の具の厚みの凹凸が物語る

表現の立体感を感じることは、

とても大切なことだなあと改めて感じました。

目で見るのと肌で感じるとは全然違う。

 

f:id:arkibito:20201219181925j:plain

f:id:arkibito:20201219181944j:plain

f:id:arkibito:20201219183140j:plain

 

トークショーではお2人のなれそめや、

絵本になるまでのいきさつ、

高山さんが神戸に住むようになったお話などを

聞くことができました。

そしてまた、ぜいたくなことに 

高山さんご本人による絵本の朗読まで。

 

f:id:arkibito:20201219175516j:plain

f:id:arkibito:20201219182006j:plain

 

会の終わりにはお2人に絵本へのサインをいただきました。

高山さんは、自分が実家を出て生活するようになった当初から、

その丁寧で飾らない暮らしぶりに憧れ、

奥さんとも2人で、ずっとお手本としてきた方なので、

お目にかかれてとても光栄でした。

奥さんがなぜか高山さんから「こどもみたい!」とびっくりさててたのが

何とも可笑しかった。

僭越ながらお土産に似顔絵をお渡ししたところ、

「これを遺影にしようかしらん」とおっしゃていただきました笑

 

f:id:arkibito:20201219183937j:plain

f:id:arkibito:20201218095948j:plain