記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

まさに偽善

松江市で「はだしのゲン」が子供たちの閲覧に制限をかけているという。
理由は、暴力的な描写や差別的な表現があるからだという。
子供によってはトラウマになったり、間違ったとらえ方をする恐れがあるからだという。
アホかと。
物事のうわべだけをいちいち揚げ足取りをして、本質を語らない、まさに偽善者の行いだと思う。
ついに平和ボケもここまで来たのかと思うと本当に情けなく思う。
下らない大人の色眼鏡でなんでもかんでも判断するなと言いたい。
恐ろしいことを恐ろしいと教えること、むごたらしいことをむごたらしいと伝えること、
そうして戦争を起こさない、平和を永続的に続けていくことこそ、
大人が子供になすべき責務なのではないのか。
作者の中沢さんが、漫画という表現方法をあえて用いたのは、
まさに子供たちに手軽に読んでほしいという想いからに違いないし、
子供たちから戦争の凄惨さを実感する貴重な学習の機会を奪ってはならないと思う。
まるで有害図書のような扱いをするのは、本当に間違ったことだと思うし、
これに制限をかけるなら、バイオハザードなど、映画やゲームなど、
単に娯楽的意味で残虐な表現に制限をかけるべきだろう。
日本の教育は果たしてどこへ向かおうとしているのか、子をもつ親としては心底不安である。