記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

酒宴

自分は正直人づきあいが苦手です。
ベタベタするのも嫌だし、
薄っぺらくて差し障りのない関係も好きじゃない。
あれをやれば、これを言えば、誰かがどうだとか
人の顔色をうかがったり、気を使ったりするくらいなら、
何でも一人でやれちゃうので、
一人で遊ぶ方がよっぽど楽で実りがあったり。
そういうことにもう煩わされたくないし、
ぶっちゃけてしまえば、人でこれ以上傷つきたくない。


そうやって、常に人に対しては
バリアというか壁を築いている自分ですが、
それでも時々、それらを軽々と越えてしまう人が出てくる。
奥さんや古くからの仲間はもちろんのこと、
例のお酒の神様だったり、歌の神様だったりもそう。
そういう人には、どんな障壁があっても、
会ってみたい、しゃべってみたい、
酒を酌み交わしたい、憶えてもらいたいと、
理屈より気持ちが先走って、考えるより前に行動してしまう。
単なるバカと言われればそれまでですが、
でも、そういう思いとか熱量って、やっぱり伝わるんだと思います。
それが人情の正体なんだろう。


逆もしかりで、
色々な事情や環境、境遇などががあって、
久しくお会いしていない人が、
わざわざ色々な面倒や困難を越えて、
こんな自分に会いに来てくれるというのは、
本当にありがたいことで、
そういう思いや熱量に対しては、
やっぱりこんな自分でも同じ気持ちで応えねばと思うわけです。


このところ、懐かしい面々と再会する場面が続いていますが、
今回の再会も、決して偶然とかではなく、
色々なリスクを覚悟のうえで、
同じ思いを抱き続けた人たちの強い意思が
導いた必然だったのだろうと思います。
そんな大袈裟なことではないかもしれないけれど、
でも、そういうものは大事にしていかないと、
そういうものこそ大事にしていかないと。