FOLKLORE ライブ feat. 坂本美雨 at rizm/colissimo_cafe selen
風が優しく髪を撫で、山が大きく深呼吸する。
花はサヨナラを告げてゆくが、
夜空は絶えずこちらへとメッセージを放ち続ける。
そうして僕らはFOLKLOREの優しい音の輪に抱かれて眠りにつく____
↓FOLKLORE ライブ feat. 坂本美雨
土曜日。
この日は長らく楽しみにしていた
FOLKLORE&坂本美雨さんの演奏会。
午前の音楽教室を終えて、
そのまま家族で丹波路快速に乗り込んで、
三田から3つほど行った相野駅で降りる。
そこから路線バスに揺られて
丹波立杭焼の里のはずれにある今田集落へ。
ここに昔郵便局として使われていた建物をリノベーションした
カフェ・コリシモさんがあり、
そこから少し歩いたところにある米蔵を改装した
rizmという空間が今回の会場です。
バスの本数が少なく、会場の1時間ほど前に到着したので、
カフェでコーヒーをいただきながら時間を過ごす。
マイカーじゃない人はみな同じなので、結構混雑していました。
開場時間となり、自分だけ先に、
rizmさんへチケット清算と場所取りに向かうと、
道すがらに美雨さんとばったり!
どうも!と声をかけると、ちゃんと覚えてくださっていて、
あとでまた娘ちゃんとも!とご挨拶してくれました。
それから、なんと絵本作家の谷口さんの姿も!
先日お店にお邪魔したときに、コリシモさんの話になって、
行こうかなとお話しされていたので、もしやと思ったら、
遊びに来られていて、驚きの再会でした。
10分前になりカフェにいるみんなを呼びに行って、会場へ。
広々とした天井に、ピンの張りつめた冷たい空気が漂う空間で
青森で撮られたという星空を投影しながら、
演奏会が静かに幕を開けました。
青木さんが奏でる音の粒の1つ1つの豊かさと愛おしさに導かれ、
haruka nakamuraさんのピアノが優しい物語を紡ぎだす。
そこに、内田輝さんのサックスがそっと寄り添って、
気づけば、小さな小さな星空がどんどんと広がってゆき、
遥か彼方の宇宙の果てまでを射程に捉えてゆく。
どこまでもどこまでも広く奥行きを帯びた音の世界に、
まるで自分が溶けだしてしまうような幸福な居心地。
そして、そのあまりに壮大で果てしない世界に、
一筋の光を差し伸べるかのようにして
美雨さんのどこまでも透明な歌声が祝福のメロディーを羽ばたかせて、
ああ、これが音楽というものだなとしみじみと感じられる。
とても素晴らしい演奏会でした。
小さいころから知っている童謡「きらきらぼし」が
あれほど壮大で、感動的で、
思わず温かい涙をこぼしてしまいそうなほどに
胸に響くなんて思いもしませんでした。
こんな幸福感を味わうことができて、本当に素晴らしい。
演奏後、美雨さんとカフェでいろいろとお話しできました。
奥さんと娘の手作りクッキー(美雨さんとこのサバ美嬢をデザイン)を
谷口さんところで買ったクッキー缶に入れて、お土産にお渡ししたり、
味噌づくりの話をしたり、もちろんアンサンブルズ東京の思い出も。
美雨さん、本当に気さくで心遣いの方です。
FOLKLOREの青木さんとも
先日の京都のワークショップに参加したこともあり、
演奏後に色々とお話しできました。
つま弾く音の1つ1つがとても丁寧で、意味があり、
深みを感じられる心地よいギターに惚れ惚れしてしまいます。
素晴らしい音楽家は、足し算ではなく引き算で音楽を奏でますが
青木さんもまさしく。
あんな風に温かい音を出せたら、きっといいだろうなあ。
素朴で豊かな山里の、素敵な空間で、
春の終わりに開かれた小さな小さな音楽会は、
どこまでも広がる星空と繋がっていました。