記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

細野晴臣コンサートツアー at 神戸文化ホール

 

金曜日は待ちに待った細野さんのコンサート at 神戸!!

年末の紅白は、松本隆ワールド的な盛り上がりがあり、

年始には、「名盤ドキュメント」でのYMO

細野晴臣イエローマジックショー」などの放映が立て続けにあって、

またにわかに盛り上がりを見せている細野さんです。

 

日本の音楽界の黎明期から、現在に至るまで、

常にその中心に陣を構え続ける細野さん。

ぱっひぃえんどで日本語によるロックを開拓し、

そこから長い船出で各国の音楽を吸収し続けたトロピカル三部作

そしてYMOによって華々しく幕を開けたデジタル・テクノ世代。

それらの功績を惜しげもなくアイドル歌謡曲の世界へと普及させる一方で、

自らはより精神世界の奥深くへダイブして、アンビエントな音楽をとことん追求。

その果てに、オールディーズやブギウギといったアメリカン源流音楽を

極めてシンプルな構成で披露するところに原点回帰され、現在に至る。

確かな演奏技術と、膨大な音楽理論に裏打ちされた作曲能力、

そしてジャンルを問わない射程範囲のあまりの広さと、

時代の先を行く先見の明は、

もはや誰もそこにたどり着けないような境地。

自分は、細野さんに敬意を表して、

あらゆる音楽を生み出す源という意味で”音楽の母”と呼びたい!

 

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本日の構成は高田漣さんに、伊賀航さん、

そしてグッドラックヘイワ伊藤大地さんと野村卓史さんの盤石不変の面々。

このところの定番のセットリストに沿って、軽快にブギウギ。

もはや名人芸とでもいいましょうか。

誰もする人がいなくて、そうするとその音楽が絶えてしまうからと

このところずっとブギウギされておりますが、細野さんのおっしゃる通り、

やっぱりこういう音楽は、お行儀よく座って聴くよりも、

ダンスホールで体が自然と動くままに音楽と戯れたい感じです。

(ぜひまた千日前ユニバースでもライブやってほしい!)

そして細野さん、おもむろにカミングアウト。

なんと渋谷でズッコケた時のズボンを履いてきちゃったんだよねと。

膝のところがちょっと、ダメージ加工っていうの?って。

なんとお茶目🎵

  

 

それから、神戸の定番のトライアングルゾーンがあり、

そこでの食べ歩きがないと神戸が始まらないとのこと。

今住んでる東京はもうすっかり様変わりしてしまって、

山があり海があり、風があり、神戸っていいなあと。

んん?なんだか、その話聞いたことあるぞと思ったら、

神戸に住んでみたいなあと思うんだけど、先に住んじゃった人がいて、

松本っていうんだけど、と。(笑)

先を越されちゃうと、いろいろ面倒でしょ、

あっちこっちマーキングとかされちゃって。(で、会場爆笑の渦)

いやいやいや~、ぜひ風の港街、神戸へお越しくださいませ!

もし、細野さんと松本さんがそろって神戸なんてことになったら、

すごく素敵だろうなあ。

 

前日が1.17、神戸の地という事で、

MCではそのことにも触れられ、

東遊園地の方へもお参りしていただいたそうで、

とてもうれしかったというか、ありがたい気持ち。

 

途中、細野さんのタバコ休憩?の合間には、

グッドラックヘイワのお二人の演奏や

(こんな緊張するステージはないなあと、仕切り直しがあったり)、

高田漣さんの新曲(ハローフジヤマ)も披露されて、なんだかお得感。

そういえば、1973年にリリースされた『HOSONO HOUSE』をリメイクした

細野さんの新盤『HOCHINO HOUSE』と、漣さんの新盤はが3月の同じ日に発売で、

これまたどっちも楽しみであります。

 

あっという間の1時間30分。観客に、そしてメンバーに深々とお辞儀をして

お茶目なズッコケスタイルで掃けていくゆく晴臣御大。

今宵も最高でございました。

 

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すっかり細野フィーバーに染まって、今年最初のお絵描きは細野さん。

今現在の細野さんと、トロピカル三部作時代の細野さん。

正直、今までいろいろな方の似顔絵を描きましたが、

これまでのセオリーが通じず苦戦しました。

自分は、顔の輪郭とかを図るためのいわゆる補助線とか一切引かず、

大体髪の毛から直で描き始めて、頭の形と眉毛がうまく決まると

そこからスラスラ描いていけるのですが(そこまでの試行錯誤は毎度)、

細野さんは眉毛と目に特徴があるうえに、

描くとわかるのだがなんと普通の人の構図をしてない!(あと意外と耳が大きい)

これは本気で、神様なのかもののけなのかもしれません。

実際そうなら、あれだけのものを創造せしめたことの合点がいきますね。

留まることを知らない細野ワールド、いつまでも、どこまでも。

 

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