黒坂麻衣個展「彼女がみていた風景」at YUKI-SIS
先日、画家の黒坂麻衣さんにお別れをしてきました。
2019年のGW、悲しいお知らせは突然やってきました。
まさか、そんな…言葉を失くしました。
2017年に荻窪の本屋titleさんで偶然に出会い、
すっかりと魅了されて、
脳裏に焼き付いていつまでも離れずにいた美しい絵の数々。
あれからSNSなどで、
それとなく彼女が色々な心の問題を抱えていることは感じてはいましたが、
でも、こんな風に突然にしてお別れがやって来るなんて。
それ以来、彼女の絵がますます存在を増して、
ずっと心を占領していました。
せめて最後にもう一度、
彼女がこの世界にささやかな置き土産として残していった
すばらしい風景を見たいと思っていました。
その思いは、たぶん彼女を知っている多くの人が同じだったのでしょう。
さよならを交わす場が設けられることになりました。
この時はまだ自粛まではなっていなかったが、
時世が時世なだけに悩みましたが、
最後の展覧会へ足を運びました。
(すでに先月のことなので、結果的には問題がなかったと思います)
そしてゆっくり、じっくりと絵を語る時間を過ごしました。
彼女はもう、全てのしがらみを解き放って、
遠い遠い世界へと旅立ちました。
だけども彼女の残した絵は、
これからもずっとずっと輝きを失わない。
あの尊い気品さと柔らかな温かさと、
ほんのわずかに陰った淋しさを帯びた、
彼女らしい彼女だけの色彩を放って。
そして彼女の優しさに満ちた残り香を
ぼくは忘れない。
さようなら。さようなら。
R.I.P.Mai.Kurosaka