記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

幻の五新線を往く

9月某日。

奈良は五条にある産業遺産、五新線を歩いてきました。

 

五新線とは、奈良の五条から、大塔、十津川、本宮とつなぎ、

和歌山の新宮まで、紀伊山地のど真ん中を貫いて鉄道を通すという、

戦前に計画された幻の鉄道路線

先行して敷設された五条~城戸(旧西吉野村)の区間が、

バス専用道として開通したが、途中で鉄道敷設計画自体が頓挫し、

その後2014年に路線バスも運行終了。

鉄道路線として計画されながら、

戦争激化、林業の衰退など、時代に翻弄され、

ついにただの一度も鉄道が走ることのなかった幻の廃線跡である。

(バス専用道としての運用のため、枕木やレールすら敷設されなかった)

 

ちなみに、その幻の道とともに住まう人たちの暮らしぶりを描いたのが、

奈良出身の河瀨直美監督の『萌の朱雀』という映画(1997年)で、

(当時史上最年少でカンヌ映画祭のカメラドール賞受賞)

撮影当初のロケハンで、地元の中学校でヒロインにスカウトされたのが

今や日本を代表する女優となった尾野真千子さん。

 

余談だが、奥さんと初めて小旅行をしたのが、この西吉野で

他に誰も乗客がいない古めかしいボンネットバスに乗って、

ガタゴトと、細い細いバス専用道を走ったことは懐かしい思い出。

その後も何度かバスには乗ったことがある。

 

この旧・バス専用道は、2016年、

「旧国鉄五新線(未成線)鉄道構造物群」として

土木学会選奨土木遺産に選定され、五条市によって管理され、

普段は入ることができないのだが、

定期的にウォーキングツアーが開催されていて、

今回はそちらに参加しました。

(一部、最長の生子トンネルだけ内部の安全が確保できないということで、

ルート迂回になりました。いずれここも整備が済めば歩けるようになる予定だそう。)

 
集合は朝9時に五条駅ということで、

南海高野線橋本駅~JR和歌山線でアクセス。

専用の送迎バスに乗り、まずは概要をレクチャー。

合わせて地図と通行許可証をいただきます。

途中数か所にチェックポイントが設けられていて、

そこで許可証にスタンプを押してもらう仕組みです。

 

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まずはスタート地点となる、

旧城戸バス停までバスにて移動です。

R168を山奥へと入っていきます。

 

10:15、旧・城戸バス停に到着。

ここから参加者は各々のペースでウォーキングをスタートして、

約12km先の五条市内にある観光交流センターを目指します。

 

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まずこの旧・城戸バス停はかつての路線バスの終点で

広々としたロータリーがあります。

実は幻の計画線は、さらにこの先の阪本を目指して、

トンネルが掘られ、そのトンネルが川の向こうにぽっかり開いているたのだが、 

その最中に、地元が推進派と反対派の真っ二つに割れ、

また国鉄だけでなく他の鉄道会社も独自案を提案してさらに混乱。

そうこうしているうちに、時代はモータリゼーション主流となり、

また地元の主産業である林業の衰退、そして人口減少のあおりで

採算が見込めなくなり、ついぞ鉄道が走ることがなくなってしまいました。

 

さて、いよいよウォーキングスタートです。

本来鉄道用に敷設された道路なので、

極めてフラットで、高低差も少なく、カーブも滑らかです。

しかしすでに使用されなくなって久しく、

周りの緑が幅を利かせ、また苔むす場所も多々。

 

それにしてもこの日はお天気がすこぶるよく、

気温もぐんぐんと上がって、かなり暑かったなあ。

 

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途中途中には、旧バス停だったトタン小屋や、

枕木を用いた柵などもそのまま残されています。

この道は本来鉄道路線で、バス専用道ということで、

一般の車両が誤って侵入できないよう、

できるだけ一般道とは交差しないようになっています。

一般道と交差する部分は踏切のようになっています。

 

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あれこれ撮影をしながら、行ったり来たりしたり、

人が映り込まないようにタイミングを待ったりしているうちに

すっかり最後尾になってしまいました。

常覚寺の集落を抜けると、

1つ目のトンネル(黒渕トンネル)が見えてきました。

最初のチェックポイントです。

トンネルの中はひんやりとしていて、

とても心地よいそよ風が吹いている。

 

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トンネルを抜けると、

この専用道と寄り添うようにしながら吉野川まで続く

丹生川にかかる橋を渡ります。(第8丹生川橋梁)

この丹生川は谷筋に沿って何度も蛇行しながら流れているので

山腹を貫いて、できるだけ直線的に敷かれた専用道と、

何度も交差することになります。

 

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橋を渡ると、衣笠トンネルがぽっかり口をのぞかせている。

ここはそこそこ長く、また向こう側が軽くカーブしているため、

真っ暗闇が楽しめます。

中は当然、電灯などはなく、

自前の懐中電灯で照らして歩くのが一般ですが、

せっかくの闇を楽しむため、無灯で。

 

単線鉄道が通れるだけの狭い狭いトンネルですが、

工事が行われた昭和初期の土木技術を考えるとなかなかのもの。

ただ、ここを路線バスが通っていたときは、

本当に車幅ギリギリしかないので、直線とはいえ、

運転はなかなか大変だったと思います。

 

トンネル内は静かでひんやりとしている。

真っ暗ではあるけど、例えば線路の砂利や枕木が残っている

武田尾の廃線跡とは違いフラットな路面なので、

足元も心配がない。

参加者もすっかり先行していってしまい、

暗闇を独占して楽しむ。

さすがに三脚までは持ってきていないので、

撮影はなかなか限界がある。

 

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無事に反対側に抜け出てきました。普段は御覧の通り、

しっかりと施錠されて侵入できないようになっています。

 

反対側に抜けると、眼下の丹生川に橋がかけられ、

たくさんの車が行き来しています。あれが国道168号です。

そのちょうど真上に、大きなバス停の跡(黒渕)が残っています。

もはや誰も訪れなくなって等しいこのバス停ですが、

まるで、まだバスの乗客を待っているかのようでした。

 

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黒渕を過ぎると、次は大日川トンネルが待ち受けます。

ここは直線で、向こう側の出口の光が小さく見えています。

それはまるでアニメ映画『銀河鉄道の夜』の

一番冒頭に暗闇から現れる白い丸のようです。

コツコツと靴音を響かせながら、その光に向かって、

暗闇の中を歩いていくと、

まっすぐ歩いているようでなぜだか平衡感覚が失われます。

この不思議な感覚が心地よく、

ゆっくりと楽しみました。

 

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トンネルを抜けると、

丹生川とR168をまたぐ第7丹生川橋梁。

ここは独立した専用道だとよくわかりますね。

道はその先の小さな集落に向かって進みます。 

 

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ちょうど丹生川が大きく蛇行する付け根の辺りを

ゆったりと右へカーブする頂点あたりに、

少し広まってバス停跡らしきものがあります。

そのすぐ先には陸橋。

専用道を俯瞰で観れる場所が他にないので、

ちょっと登ってみる。

 

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カーブの先はまっすぐな道がミカン畑の間を貫いています。

道端にはバス専用道の案内板が打ち捨てられていました。

五条側から道を見てみると、

いよいよここから紀伊山地の深い山に切り込んでいくのだというのが

よくわかります。

それにしても、険しく長い紀伊山地を貫いてしまおうというのは

かなり壮大なプロジェクトで、

現代でもなかなかの難工事だと思いますが、

戦前の土木技術を考えるとほとんど無謀とも思えます。

しかし、実際、現代でも枯木灘紀伊半島の東側)のエリアは、

今もって、どこからアクセスしても果てしない陸の孤島で、

関西から最短距離で繋がるこの五新線は

まさに悲願の夢のプロジェクトだったはずです。

 

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小さな橋を渡ると、

山間のわずかな平地にへばりつくような小さな集落を行きます。

その先で初めて一般道と交差するポイントにぶつかる。

踏切のように施されていますが、

元々が鉄道路線として計画されており、

また路線バスの専用道路として運用されていたことがわかりますね。


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小さなトンネル(屋那瀬トンネル)があり、

その手前で2つ目のチェックポイント。

トンネルを抜けると、いったん専用道を外れます。

案内に従って沈下橋へ。

 

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沈下橋を渡り、R168の向かいにある

賀名生の旧小学校の体育館にてお昼休憩です。

暑さが半端なく、参加者のみなさんも少しバテ気味な感じ。

水分補給、塩分補給もしっかりしないといけません。

(ちなみに体育館は冷房はついていないので、なかなか…)

 

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この五新線ウォーク用のお弁当が支給されます。

地元の名物もふんだんに、おかずも種類が多く、

大満足の献立になっています。

 

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そして、お弁当を食べながら、

ゲストである”ひげの梶さん”こと、

歴史探訪家の梶本晃司さんによる

五新線の歴史レクチャーを聴くことができます。

出発は各々自由に、食べ終わった人から。

ここでようやく最後尾を脱して、出発します。

 

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再び、離脱したポイントである

旧・賀名生(かなう)バス停へ戻り、

そこから専用道ウォークをリスタート。

 

そういえばこの「賀名生(かなう/あなう)」の集落は

南朝の首都だった場所でもあります。

建武の新政の後、足利尊氏に追われ京都を脱出した後醍醐天皇

吉野に赴く際に立ち寄った場所で、

元々は「穴生(あなう)」という地名だったが、

南朝後村上天皇が行宮を吉野山からこの地に移された際に、

南朝による統一を願い、「叶名生(かなう)」と改名、

しかし天皇から頂いた文字をそのまま使うのは畏れ多いということから、

「賀名生(かなう/あなう)」としたそうです。

しかし、こんな山深い、わずかの土地が、ほんの一時とはいえ、

日本の首都だったというのは驚きです。

南朝の拠点地だった、川上村などはもっと山奥だし…)

 

さて、すぐに第6丹生川橋梁を渡ります。丹生川の流れはきれい。

橋を渡るとすぐに親房トンネルへ吸い込まれます。

 

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トンネルを抜けると目の前に大きな橋が目に飛び込んできます。

賀名生大橋です。この辺りでは一番立派な橋かもしれません。

それに比べて、なんとものんびりとこじんまりとした

バス専用道はひっそりと橋をくぐります。

 

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箸をくぐった先にも小さなバス停。

そして踏切跡があります。

その先でまたもや丹生川を渡ると(第3丹生川橋梁)、

その先にぽっかりと生子トンネルが待ち構えているのですが、

ここはまだ整備が済んでおらず、構内の安全が確保できないため、

今回のウォーキングでは通過せず、

ここから丹生川沿いの集落へ迂回します。

(いずれは完全踏破できるようにしていくそうです)

 

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専用道を逸れ、集落に沿って歩いていきます。

一度丹生川を渡り、

ぐるりと川の蛇行に沿って大きく迂回していきます。

途中の集落にある西光寺というところでチェックポイント。

お昼を過ぎてさらに気温が上がり、

参加者の皆さんもかなりバテバテのご様子。

自分は休憩は取らず、

ハンコだけ押してもらってすぐにリスタート。

 

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チェックポイントを過ぎると、

しばらく先のところで急坂を登って

一度R168に出ます。

交通量が多い上、歩道は緑が生い茂って歩きづらく、

思わぬ難所。

しばらく国道を進むと、真下に、

先ほど迂スルーした生子トンネルの反対側の出口の真上に出ます。

専用道はその先へずっと続いていますが、

まずはトンネルの入り口へ行ってみます。

 

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ここまで来ると随分周辺も開けてきて、山間を脱し、

五条市街へ向かって、まっすぐな道が伸びています。

それでもまだゴールまでは遠い道のり。

 

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暑さに耐えながら歩いていると、

前方に、学生グループの参加者が先行している。

このシチュエーション、何かで観たことがあるなあと思ったら

まるで映画『スタンド・バイ・ミー』。

ああ、青春。ああ、ノスタルジー

 

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専用道、あとは地図を見てもわかる通り、

市街地へ向かって、ほぼ一直線、フラットに敷かれています。

正面には、大阪/奈良・和歌山の県境を形成する

金剛山系の山並みが見えてきました。

 

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深い山間はすっかりと抜け、

いつのまにか丹生川も逸れて、

広々とした田畑や住宅の間を縫っていくようになります。

この辺りでは専用道も一般道と何度も交差します。

(実際には地元の人が往来するのは黙認されていたようです)

 

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さて、専用道もいよいよフィナーレです。

陸橋のアーチをまたぐと、

その先R168と合流しておしまいとなります。

 

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専用道を無事に完歩しましたが、

予想上のお天気で、暑さでバテバテ。

すぐ先にあるコンビニに駆け込み、トイレ顔をバシャバシャ洗い、

冷たいドリンクとアイスクリームで小休止。

そういえばこのコンビニ、関西ブルベではおなじみのチェックポイントで

何度もお世話になっております。

 

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そこからさらに少し歩いて、観光交流センターに無事到着し

本当のゴールです。お疲れ様でした。

みな、予想以上の暑さに苦戦して、ヘトヘトのようでした。

 

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ツアー自体はここで終了。

現地解散になりますが、

JR五条駅まではまだまだ歩かねばなりません。

そしてせっかくならば、

実はまだまだ続いている五新線の遺構を見たり、

重伝建地区に選定されている新町通りを歩きましょう。

 

まずは大きな吉野川を渡り、堤防沿いに歩いていきます。

この日歩いてきた方面を見てみます。

すっかり山の中です。

 

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少し歩いて、いまだ町中に残存している

五新線の高架橋にたどり着きました。

吉野川にぶつかり、ぷつんと途切れた高架橋が、

大河の向こうの山並みに向かって、

虚しく天を刺す様は、栄枯盛衰を物語って余りあります。

この高架橋はまるで、もう自分が鉄道路線のために設けられたという

出生を忘れてしまったかのように、すっかり町中に溶け込んで、

ただ静かにそこに座しているようでした。

 

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高架橋はその先ももう少しだけ続いており、

R24のところで、ぷっつりと切られています。

高架橋はその先の雑木林の中でおしまいとなり、

そこからは一般の道路となっていますが、

その緩やかなカーブの具合や道幅から、

ここもJR五条駅へと接続するための線路の跡地とわかります。

ということで、いよいよ幻の五新線ウォークも

これで正真正銘終了です。

 

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せっかくなので少し戻って、

重伝建地区である新町通りも軽く散策。

五条は、東へ向かう伊勢街道、西へ向かう紀州街道

北へは奈良へと向かう下街道、

あるいは金剛山を越えて河内へ抜ける河内街道と、

幾つものメイン道が集まる交通の要所。

また、狭く急流である吉野川が、この開けた五条の地から、

穏やかな大河へと姿を変えることから、

上流から運ばれた吉野杉などの木材を、

大型の船に積み替える水運の要所でもあり、

江戸時代に栄えました。

その頃の名残を今なお留め、当時の豪商の商家が残っています。

 

この日はコロナの影響か空いているところも少なかったり、

人もまばらでした。

ひそかにお目当てに楽しみにしていた「一ツ橋商餅」さん、

数年前にひっそりと引退されているのを知らず、残念。

 

お店の軒先などには先に紹介した

地元スター・尾野真千子さんの五条PRのポスターが

いくつも貼ってありました。

 

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この後そのままJR五条駅まで歩いていき、

予定していた電車に無事乗り込みました。

あと、この1時間後に、特別警報が出るほど相当な夕立が襲ったようで、

間一髪脱出できました。

 

ということで、幻の五新線ウォーク。

思い入れのある産業遺産を存分に満喫できました。

いくつかのツアー会社さんで、

年数回ウォーキング企画があるようなので、

興味がある方はぜひどうぞ。

(今回はローソントラベルさんの企画に参加しました)

 

<ウォーキング記録:4時間45分>

10:15旧・城戸バス停⇒10:25常覚寺橋梁⇒10:30黒渕トンネル10:34⇒

10:35第8丹生川橋梁⇒10:38衣笠トンネル10:48⇒10:55大日川トンネル11:09⇒

11:10第7丹生川橋梁⇒11:28屋那瀬トンネル⇒11:30沈下橋

11:31賀名生の旧小学校体育館(お昼休憩)11:57⇒

12:00第6丹生川橋梁⇒12:04親房トンネル12:06⇒

12:07第5丹生川橋梁⇒12:10第4丹生川橋梁(賀名生大橋)⇒

12:19第3丹生川橋梁⇒12:20第2丹生川橋梁⇒

12:35西光寺⇒12:53生子トンネル⇒13:06西吉野第二発電所

13:35バス専用道出入口⇒13:47観光交流センター14:02⇒

14:17大川橋⇒14:21五新線高架跡14:25⇒

14:26新町通り(重伝建地区)14:32⇒14:45国道24号との交差地点14:50⇒

15:00JR五条駅G

 

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