記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

2014年総括

少し時間が空いてしまったが、恒例の年度総括をば。
2014年はまず最初にここ数年停滞してきた事柄を一度整理し、
自分がしたいこと・やるべきことは何かという根本的な部分を
もう一度見つめなおすことから始めました。
近年は周囲からの影響を受けすぎて、
自分自身の中で軸というものがブレて迷走気味でしたし、
いつまでたっても進展のない案件に引っ張られて時間を無駄遣いしていました。
それについてどうしたんだarkibito!という声もいただいていました。
そう言った違和感を決定的に感じる決定的なタイミングというのは
実は2013年の5月まで遡らねばならないのですが、
その話はまあ置いておくとして、とりあえず約半年をかけて熟考の末、
今一度土台からしっかりやっていこうという決意で
原点に立ち戻ってチャレンジというところに主眼を置きました。
たくさんの人たち(古い付き合いの人から会いたい旬の人まで)と交流をし、
様々なアドバイスや刺激をもらいながら、
新しい分野にも積極的にトライして、
また少し世界を広げることができたかなと思います。
天候に恵まれなかったという点ではもう少しやれたかなという思いもありますが
やりたいこと、やるべきことはほぼできた満足のいく一年でした。


しかし全てが順風満帆だったということでもありません。
去年で最も大きかった出来事は、
やはり長年連れ添ってきた大切な家族であるヨルとネルを
いっぺんに失ってしまったことです。
これは精神的にもかなりダメージが大きかったです。


そして、自転車の長期休業も大きな出来事でした。
ここ数年はロングライドという分野で自分の目指すべきものを見出して
自分的に満足のいくリザルトを残してきたところを、
一旦白紙にするというのはかなり勇気がいるものです。
今のところまだ、全く予定がわかりませんが、
今後復帰したとしてもこれまでのようなレベルでやれる保証もありません。
でも…道は一本道じゃない。
自分にはこれしかないんだという強迫観念や
悲壮感に打ちひしがれて動けなくなるくらいなら、
後ろ向きの動きでも何でもいいから、
自分でまた別のルートを切り開けばよいと気づきました。
道を引き返すことも、撤退することも敗北なのではなく、
1つの立派な選択肢、前へ進むための攻めなんだということを、
色々な人から学ばせていただきました。
一番いけないのは、それまで築いてきたちっぽけな成果にいつまでもしがみついて、
前進することが滞ること、
あるいはその道しかないと思い込んで
意地になって突っ込んで滑落や遭難してしまうことです。
失敗や挫折を受け入れ、その先をどうするかというところに思いを馳せる、
そうすれば新しい道はおのずと開けるのだと実感する一年でした。
その実感をきちんと安定して形にしていくことが今年だと思っています。
少し前置きが長くなりましたが、それでは2014年のリザルトをざっと紹介。


↓仲良しコンビはもういない…


■1月
 ★Tour de チーバ君  497.2km/1685m
 ★デカンショライド  161.26km/1440m
■2月
 ▲黒岩もうで
 ▲有馬氷瀑もうで
■3月
 ★うどん県1dayライド 208.71km/654m
 ★BRM315近畿200km(泉佐野〜宇陀〜泉佐野)9時間12分 303.21km/1826m
 ★和歌山フォトジェニックライド 257.91km/2281m
■4月
 ★BRM419近畿400km(京都〜伊勢〜京都)22時間32分 473.21km/4544m
■5月
 ▲六甲全山縦走 13h47m
 ★5/18 鈴鹿アタック240 21周リタイア
 ▲伊吹山ひるくらいむ(登山)
■6月
 ▲蝶ヶ岳登頂
 ▲播磨アルプス縦走
■7月
 ▲谷川岳登頂
 ▲富士登山富士宮ルート・剣ヶ峰)
 ▲金時山登頂
 ★「田切駅伊那市駅1hour Bicycle Tour the 3rd “轟天号を追いかけて”二度あることは三度R!”」
 ★飯田線まにあっくす 213.2km/2559m
■8月
 ▲仙丈ケ岳 feat.Mr.K
■9月
 ▲槍ヶ岳〜南岳縦走 
 ▲水平歩道 阿曽原温泉小屋を目指せ!
 ▲針ノ木岳蓮華岳
 ◎破砕帯ツアー
■10月
 ▲屯鶴峯〜二上山大和葛城山
■11月
 ▲丹沢山 地獄からの天国
■12月
 ▲黒岩詣で


◆2014年年間走行距離:3055.75km
◆通算TOTAL:43918.86km


吉田類さん(2月。パラダイス京都にて)


↓田中陽希さん(7月。丹沢でのファンミーティングにて)


田切駅にて(7月の究極超人あーる君イベントにて)


ミスターK氏と仙丈ヶ岳(8月)


↓ヤリホ〜(9月)


↓南岳の朝焼け(9月)


↓水平歩道にて(9月)


山野井泰史さん(10月。加藤文太郎記念館での講演会にて)


竹内洋岳さん(11月。出版記念トークショーにて)


振り返ってみると、春先までは順調にロングの方で戦績を積み重ねていました。
2013年末から怒涛のロング連発で、心身ともに充実してましたねえ。
そんな昔のことじゃないけれど、
今思い返すと相当無茶なことしてたなあと思います。
今同じことやれと言われても、絶対無理です。
さて自転車休業に突入すると、一転して登山。
週末ごとに雨にたたられ、シーズンインから4連続雨中登山ということもありましたが、
9月に一気に挽回できました。
自転車はロングといっても自宅の玄関からすぐにスタートできるし、
行って帰ってくる場合は基本食費だけで済むので手軽なのだけど
山の場合はまず、電車やバスを乗り継いではるばる遠征しないといけないので
時間的にも費用的にもなかなか大変なので、
これが精いっぱいかなという気がします。
あとは今年はたくさんの人と出会うことができました。
昔からの古い付き合いの人たちとの久々の再会や、
今会っておきたい話題の人まで、
積極的に出向いて交流できました。大きな財産ですね。
それではここからは恒例のベスト紹介へ。


<ベストマウンテン:針ノ木岳
去年もたくさんのお山に登りましたが、
一番印象的だったのが針ノ木岳でした。
有名な100名山が軒を連ねる北アルプスにあっては、比較的地味なお山ですが、
その分だけ静かな山歩きを楽しめました。
時期的にもちょうど紅葉の時期で山の賑わいが素晴らしかったし、
なんといっても山頂からの眺めが秀逸。
眼下に水を湛える黒部湖の向かいに対峙する立山剱岳
はるか遠く日本海まで続く後ろ立山連邦の美しい山並み、
黒部の源流を彩る紅葉の絨毯の先に、尖った槍ヶ岳の類まれなる山容。
どれをとっても素晴らしい瞬間でした。
ちょうど時を同じくして、そのはるか南の御嶽では
噴火による悲劇が起こっていたということもあって、
色々と印象深い山行でした。


↓お決まりのポーズ


↓大展望


<ベストライド:Tour de チーバ君>
今年のベストライドは、ちょうど今時分に走った千葉一周ライド。
終電で東京駅に降り立ち、そこから柏〜香取〜銚子とつないで犬吠埼に出て、
そこからズラ〜っと果てしない九十九里浜を南下。
房総半島の突端である野島埼灯台では激しい突風にやられながらも内房にスイッチ。
館山で一旦ブレイクののち、一路東京を目指して北上。
激冷えの木更津、袖ヶ浦で瀕死になりつつも、
どうにか生還したサバイバルな490km。
今思い出すだけでもぞっとするような過酷な体験ですね。
夜間早朝の氷点下の寒さに体調を崩しながら、
本当に持てる限界を出し切ったライドでした。


犬吠埼灯台にて


↓東洋のドーバー屏風ヶ浦


<ベスト産業遺産:東燃ゼネラル初島工場>
大好きな産業遺産めぐりも去年は足しげく通いました。
そのどれもが素晴らしかったし、
土木技術のすごさや、工事の大変さを感じられるものでした。
その中でも一番印象深いのは、和歌山は初島にある東燃ゼネラルの工場群の美しさ!
人気のない夜のみかん畑が続く山並みの中にぽっかりと浮かび上がる無機質な輝きは、
まるで別の惑星に来たような錯覚を覚えるような不思議な光景でした。


↓月面ステーションのような美しさ


<ベストMUSIC:濱口祐自『フロム カツウラ』>
音楽部門では、何と言っても濱口さんの存在が大きい。
目の前で繰り広げられた圧巻のギターパフォーマンスに、まさに釘づけ。
自分の中の音楽魂に再び火を灯してもらいました。
今年は実に10年ぶりに音楽活動を再開しようと着々と準備中。
ひょっとしたら今年は山に通うよりスタジオ通いになるのか!?


↓遅れてきた勝浦の天才ブルースマン


濱口祐自 フロム・カツウラ

濱口祐自 フロム・カツウラ


<ベストBOOK:『だからこそ自分にフェアでなくてはならない』by 小林紀晴
まだレビューを書くのが間に合っていませんが、
去年読んだ本の中で、これほど豊かな教訓を得た本はありません。
8000m峰14サミッターの竹内洋岳さんへのインタビューの端々に出てくる重要なメッセージは
なにも登山という限られた事柄にだけあてはまるものではなく、
人生そのものの道しるべとなりうるものでした。
他人がどうだとかではなく、自分の中の信念をしっかり持って行動することの大切さ。
なにより竹内さんが死と隣り合わせの全くごまかしのきかない世界で、
自らのイマジネーションと決断力でもって、チャレンジに挑んできたということ、
その体験から生み出された言葉には重い説得力があります。


↓著者の小林紀晴さんと



<ベストMOVIE:該当なし>
映画フリークとしては全くお恥ずかしい話だが、
去年は娘と『アナ雪』を観に行った以外は、全く映画館に足を運ばなかった。
自宅ではBSの映画をちょいちょい観てはいるものの、
最近の作品については全く疎くなってしまった。
去年観たものでベストを挙げるとしたら、
どうしても昔の映画になってしまうので、
今年は不本意ながら該当なしとします。


<ベストドラマ:『ロング・グッドバイ』>
一方、テレビドラマは結構充実の一年だったように思います。
まずは杏さん東出さんオメデトウ!ということで『ごちそうさん』があるわけですが、
これは去年のベストということで除外。
で、一番クオリティが素晴らしかったのが同じNHK土曜ドラマロング・グッドバイ』。
レイモンド・チャンドラーの名著を昭和のハードボイルド風に絶妙アレンジ。
脚本はあの渡辺あやさん。
大友良英さんが手掛ける音楽がまた素晴らしくムード満点でCOOL!
主人公の私立探偵・増沢磐二演じる浅野忠信の気怠い味わい、
謎の男を演じる綾野剛のミステリアスな存在感、
そして脇を固めるくせ者揃いの演者たち(特に柄本明!)の華麗なる共演。
これほど”極上”というコトバが似合うドラマはなかなかない。



<ベストフットボーラー:GK東口(ガンバ大阪)>


2014年はわが大阪の誇りガンバ大阪
J1復帰1年目で国内タイトルを総なめして3冠に輝いた歴史的な1年だった。
当然、MVPはガンバの選手から。
ガンバのチームカラーは何と言っても攻撃主体で、
実際、宇佐美の復帰とパトリックの加入による攻撃層の充実以降に
チームが乗ってきたのだが、
ここはあえて、新潟から新加入したGK東口をMVPにあげたい。
正直、序盤はミスが続いたりもしたし、チーム特性上失点も多い。
タイトルがかかった試合でも、ナビスコ決勝でも寿人に2点先取されていたり、
失点ありきの戦い方をしているので、
なぜ宇佐美やヤットではなく東口?と思うかもしれない。
しかし正GKだった藤ヶ谷が移籍して、
守備陣の要として年間守り通したというのは地味ながら非常に大きな意味を持つ。
三冠を取ったという事実も当然相当に大きなミッションだったわけだが、
それはあくまで結果であって、
ガンバ大阪が直面していた本当のミッションは、脱・西野カラーという命題であった。
西野明という絶対的な指導者に導かれた超攻撃型の戦い方は、
とてつもなく魅力的なサッカーではあったが、
指揮官が去って以降、大きくバランスを崩し、
ついにはJ2降格という非情な結末を招くこととなった。
チームカラーとしての攻撃性は継承しつつ、ディフェンス面での強化・充実を図り、
よりバランスの良いチーム作りというところがこの数シーズン至上命題として残ってきて、
ようやく長谷川監督が新しいガンバイズムを構築したわけであるが、
そのキーマンこそが間違いなく東口だと思うのである。


↓一冠目ナビスコカップ優勝


↓東口とヤットさん


<ベストF1ドライバーダニエル・リカルド
ここ数年レギュレーション等で迷走ぶりがひどいF1サーカス。
今年はメルセデスが圧倒的な力の差を見せつけて、
ニコvsハミの同志対決がほぼ全戦で繰り広げられたわけであるが、
その中にほとんど唯一割って入ることのできたのがリカルド。
同郷の先輩M・ウェーバーの後継として2軍のトロロッソから、レッドブルへ移籍した今年、
いきなりの3勝をマーク。
前年まで4年連続チャンピオンだった同僚ベッテルにもリザルトで圧勝し、
腕のあるところを見せたのがMVPの理由。
特に、ここで抜くか!というような場所で冷静沈着に、
しかもほとんど一発OKでライバルを抜き去っていくあの強さはホンモノ。
来年以降しばらくはメルセデスの優位は変わらなそうだが、
間違いなくワールドチャンピオンになれる期待のフレッシュ。



<ベストロード選手:アルベルト・コンタドール
ピストレロが帰ってきた!
今年のベストレーサーはコンタ君で決まりです。
ツールでは落車リタイアということで残念な結果になりましたが、
その後、驚異的な回復でまさかのブエルタ復帰して
あっという間にマイヨロホを獲得しちゃった!
バルベルデやプリートといった強敵のスペイン勢、売出し中のキンタナ、
そして最大のライバルフルームといったライバルたちが勢ぞろいする中、
確かな力強さを発揮したというところではやはり役者が一枚違うなと感じました。
何より走りを見ているだけでも、何かしでかすぞというワクワク感を感じられる数少ない選手。
ごめんねニーバリさん。



<ベストグルメ:上川南店>
2014年もたくさん美味しいものを頂きましたが、
一番は天満にある「上川南店」。
リーズナブルながらお出汁の味わい深い料理の数々が一番思い出深い。
特に柑橘がほんのり香る小芋のたいたんは絶品。




<ベスト酒:花巴 山廃純米 吟のさと 無濾過生原酒 無加圧直汲み 25BY>
今年は人生で一番酒を呑んだんじゃないでしょうか。
日本酒のウマサと深さに開眼し、全国津々浦々の銘酒を呑んできましたが、
一番お勧めしたいのは、奈良は吉野の酒「花巴」。
どっぷりジューシーな濃厚ボディーは呑み応え十分。
フルーティーな香りから、ヨーグルトのような酸味、そして残り香の切れ味。
味のロンドが回る回る♪



<ベスト酒場:天満 大旦那>
酒場もいろいろ行きました。
仕事帰りにフラっとなじみの立ち呑み屋から、
ちょっとリッチに大人の呑み屋まで。
その中でも、今年のベストは「天満 大旦那」さんです。
自分の場合は酒だけで呑めないので、料理も重要なファクターなのですが、
ここは種類も豊富で、珍しい魚もあったり、充実している。
店の明るい雰囲気でスタッフさんも元気いっぱいで入りやすいし、
酒のラインナップも常時15種類ほどそろっているし、お値段も手ごろ。
色々使い勝手のよいお店です。




<ベスト麺:須崎のさぬきうどん>
麺は今年は群雄割拠の年でした。
職場や自宅の周りではラーメン屋の新店ラッシュが続き、
あの手この手趣向を凝らした麺が登場しました。
そんななかで一番印象に残ったのは、
冬場に行った香川ライドで食べた「須崎」のさぬきうどん。
さすが食べログで一位を獲得しているだけあって、
早朝からかなりの混雑をしていました。
あんな山間の、他に見るべき観光スポットもないような
小さな集落にあれだけの人が集まるわけです。
まさに本場でしか味わうことのできないジャスト・アルデンテな麺の締まり具合、
そして豊かなダシが効いた醤油とのベストマッチ。
まさに至福の一杯。




<ベストカレー:ばんぶーのカレー>
黄レンジャーとしてはなかなか活躍ができなかったように思います。
関西ではひっそりとカレーブームが来ていて、
新しい店が続々と登場し、例えば裏谷四などカレー激戦区が生まれたりしています。
ただ、多くのお店が曜日限定だったり、
平日の昼間の売り切れまでのわずかな営業時間を狙わないといけなかったり、
そもそもアプローチがシビアなことが多く、新店開拓があまりできませんでした。
なので、どうしてもなじみの店ばかりになってしまいました。
そんななか純粋なカレー屋ではないですが、
ミナミで偶然遭遇したBAR「ばんぶー」のカレーは、
今まで食べてきたカレーとは全く違うもので結構衝撃でした。
ザクザクとしょうがてんこ盛りで、なかなかのオリジナリティでした。
また食べに行かなきゃ。



<ベストイベント:クラムボン野音
今年はイベントごともたくさん参加させてもらいました。
酒もたらふく試飲いたしました。祭りも楽しみました。
アイドルデビューもいたしました。
その中でもやっぱり一番は、クラムボン野音でドヤサッ!
あのえもいえぬ会場の一体感はまさに幸福なひと時でありました。
ドヤサッ!



<ベストパーソン:トメ>
今年は本当にいろいろな分野の色々な人に出会いました。
懐かしい面々との再会もありました。
どの人との出会いも話をしたことも大切ですが、1人だけを選べと言えば、
やっぱりおトメさんにベストを上げたいと思います。
楽しい一年にできたのも相棒のおかげ。
今年もビッシビシ行くからなっ!(by星野勘太郎



ということで色々盛りだくさんだった2014年。
今年はそれをさらに上回るような楽しい1年にしていきたいと思います。