記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

夏の自由研究 町の模型をつくろう

今年はほぼ、この自由研究に終始した夏でした。
炎天下の中、実踏調査が実に計8回。
それと並行しての調査ノートの取りまとめと、模型作成で、
わが家の工作部隊がフル稼働でした。
難しいところや、危険なところは大人がお手伝いしましたが、
当然長女が主体となって作り上げ、なかなかの出来栄え。


↓夏の自由研究


作るきっかけは2つあって、
まずは長女が、次女の通っている保育園で建物の模型を見て、
こんなのを作りたいなあと思ったのがはじまり。
同じタイミングで、学校の社会の授業で
校区内のことを習って、
地元地域のことをもっとよく知りたいということになり、
じゃあ、それを夏の自由研究の課題にしようとなりました。


で、まず模型を作るには、実際の町へ行って、
何があるかを調べる必要があり、
休みのたびに町へ出て、地域をぐるぐる、何度も行ったり来たり。
同級生や知り合いに、怪しくうろついているところを目撃されつつも、
始業式での披露までは完全隠密。


調べるといっても色々な要素が多すぎるので、要素を絞り、
建物の大きさ(階数)と色、形だけを、
授業で使ったプリントをコピーしたものにメモしていって、
あとは特徴的な建物や、あとで色塗りが必要なものは写真で押さえて
まずは情報収集にいそしむ。
炎天下の中、本当に大変でしたが、
日ごろ入り込まないような狭い路地の奥や、建物の裏手に入ると、
思いがけず発見があったりして、とても面白い。
今では町を歩くと、つい何階で何色と考えてしまうくらい、
徹底的に調査し、自分も娘も真っ黒に焼けてしまいました。


↓実踏調査


それらの情報収集と同時に、
帰宅後にはそれを元に模型を工作。
まずは何で作ろうかということになり、
紙や粘土などいろいろ考えた結果、
加工しやすく、素材が手に入りやすい消しゴムを採用しました。
調査ノートの1マスを2階分として、大きさを測って、
メモを見ながら、1つずつ建物に切り分けるという
果てしない作業を延々と続く日々でした@@@
切り分けた建物の中で、特徴的な色や模様のものは、
マジックで色付けをして、
それを瞬間接着剤でプリントの所定の位置に貼り付けます。
例えば、2階建ての一軒家なんかは、すぐに貼らないと、
すごく小さいのですぐどっかになくなってしまうし、
ある程度まとめて切ってから、貼ろうとすると、
どの建物がどの消しゴムかわからなくなったり、
1ブロック内に収まるように切り出したはずなのに、
1軒だけ道にはみでてしまったり、
なかなか一筋縄ではいきません。
しかも細かいパーツは接着剤が手にくっつく@@


↓模型の作り方


そうやってできたのがこの模型。
ちなみに赤い押しピンは信号で、緑は木です。
1つ1つのクオリティを問われると、ガタガタだったりするので、
プロの建築模型など足元にも及びませんが、
自分の足で稼いだ情報を、しっかり取りまとめたうえに、
それを形にしたというところと、
やはりこれだけ大変な労力を使って作り上げたというところは
スッバラしいと思います。


出来上がった模型ですが、裸のままだと、
絶対みんな興味津々で触って壊れてしまうので、
ケースに入れることにしますが、
このサイズのフィギュアケースがなかなか見つからない。
何か所かめぐってようやく同じくらいのサイズのものを見つけました。
それでも、元の模型サイズでは若干大きいので、
プリントの建物のない周辺部分(淀川)を泣く泣くカットして
どうにかぴったりサイズに収めることができました。


↓わが町の模型


↓なかなかの出来栄え


せっかく作った模型ですが、
完成でおしまいではもったいないので、
模型と調査結果から、さらに町を考察。
区画整理されたところと、
大昔の区画が残っているところの境ではやはり違いが出てきたり、
狭い長屋が続く路地に、ゲストハウスや雑貨屋さんなど
新しいお店ができていたり、
その他、ブラタモリ的な発見や、不思議がたくさん出てきました。
ここまで隅々まで歩いたことも、見たこともなかったので、
ずっと住んでいる地域ではありますが、新鮮でした。


↓調査結果


↓町の不思議


せっかく町全体を模型にしたのだから、
これと同じような視点で見比べられたら面白いかなと思い、
この地区の中で一番高い建物から見下ろしてみようと思い立つ。
思い立ったはいいけど、住民でもないのに、
タワーマンションに勝手に入り込むわけにもいかないし、
管理者にお願いをしてもダメって言われるに違いない。
でも、とりあえずお願いはしてみようということになり、
常駐している管理マネージャーさんに、事情を説明する。
すると、娘の熱いお願いが通じて、なんとOKをもらう。
スゴイ!
突然の無茶なお願いで、
マニュアル通り断られてもやむ終えないのに、
小学生が頑張っているのを応援してあげたいと、
粋な計らいをしていただいて本当にありがたい!
で、40数回にあるラウンジに案内してもらうと…
ななな、これはものすごい絶景ではありませんか!????
我々庶民にとっては衝撃的ですが、
セレブの皆さんはこういうのを日常の風景としておるのですなあ@@@


↓すごい眺望@@@


↓わが町を上空から


マネージャーさんを長々と待たせるわけにもいかないので
早速模型と見比べながら、色や形などをチェック。
意外とよくできた!?
町の不思議や発見したことを上から確認します。
いやあ、面白い。
15分ほどですが、実物と模型を見比べるチャンスをいただいたことで、
さらに研究が実りあるものになりました。


↓模型と比べてみる


ということで、地元のことをよく知ることができたのと、
長女との良い夏の思い出になりました。