記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

北アの最奥縦走 3日目(双六小屋~鏡平~小池新道~新穂高温泉)

さて3日目です。

あと残すは小池新道だけなのでずいぶん気が楽。

いつもそうだが、いざ下山となると、あまり山に固執せず、

いかにスムーズに帰るかに頭が切り替わる。

名残を残し、後ろ指引かれると、

本当に山から下りれなくなってしまうからかもしれない。

 

朝食は頼んでいなかったのに、

横の大いびきのお爺さんが朝食始まってるぞと、

おせっかいに無理やり起こされる…

ゆっくり起きて7時までに出ればいいやと思ってたのに5時です…。

まあ、ええんですけどね。

 

一旦外を出ると、ガスガス。

昨日の夕方には見えていた鷲羽岳も全く見えず。

天気予報では昼前には晴れそうだったが、

そこまでのんびりもしていられない。

こうなればもういかに早く下山できるか、

奥さんも子どもたちも待っているしね。

 

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手持ち残ってしまったレーションを朝ごはんに食べて、

スタッフの皆さんにお礼を言って、5:35に山小屋を出発。

ほとんどの方はこれから黒部源流へ向かう人ばかりのようで、

下山組はまばら。

テン場をかすめながら、まずは弓折乗越まで、アップダウン。

途中の上りで、やけにペースの早い若い男女ペアに追いつく。

あまり競い合いになってしまっては事故の元なので、

適度に距離を保ちつつも、同じくらいのペースで進む。

雪渓を越えた先の、岩場の下り部分で、

反対からの団体の上り客とのすれ違いで待機。

そこで、女性の方がお先にどうぞと譲っていただき、

先行しますが、男性の方が背後ピッタリとマークで

何やら追い立てられるような感じ。

それでも、こちらの方が分があるので、

バトルにならない程度の距離まで少しずつ広げていく。

おかげで弓折乗越からは一人旅。

 

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ド平日のこんな天候でも、

上がってくる登山客は多い。

流石の目抜き通りですが、

やはり曜日関係のない年配のハイカーさんが多いようだ。

鏡平かわさび平を早立ちした人と何度もすれ違います。

弓折中段まで下ってくると、

休憩をしていた年配のご夫婦が「あっちあっち」というので

原っぱの方へ目をやると、丸々としたライチョウさんが一羽。

去年はもうそれこそ一生分見たんじゃないのというくらい見ましたが

これほどのぽっちゃりさんは初めて。

ストイックに下りをこなしていたので、

その可愛らしいシルエットにほっこり。いい息抜きなりました。

 

 

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そこからもずんずんとペースよく下っていきます。

振り返るガスの合間に、稜線の緑。

ああ、山が遠くなってゆく。

1時間ほどで鏡平山荘に到着。

ここはかき氷が有名なのですが、まだ7時にもなっておらず、

暑くもないので今回はパスして、

外トイレだけお借りしてすぐにリスタート。

そのすぐ先の鏡池もご覧の通りのガスガスで、

槍の姿は結局見えずじまいでした。

 

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そこからはゴローゴローとした岩の道をずんずんと進みます。

テンポよく進んでいきますが、

かつてこの小池新道で調子よく下山して途中で

転倒して腕を強打したことがあるので、

集中だけは切らさず。

シシウドが原、イタドリが原など要所要所を抜けつつ、

大きな岩の沢をずんずんと下る。

時折沢を渡るポイントがあるが、

前日までの雨のせいか、そこそこ水の勢いが強い。

 

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サクサク、サクサクと快調に下りてきて、

秩父沢出合まで下りてきました。

徐々に道の斜度も落ち着き始めますが、

逆に上ってくる人の数がどんどん増えてきて行き違いもたくさん。

そうして2.5hで左俣林道まで無事に下ってきました。

 

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そこから新穂高までは長い長い林道のアプローチ。

途中、でっかい雪渓が何を覆っている箇所がありましたが

ステップを切ってもらってあるので問題なく。

わさび平小屋、なつかしの笠新道とスルーして、

新穂高温泉には9時ジャスト着。

双六小屋から3.5hでした。

乙!!

 

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ちょうどバスが9:15に出るので、それまでの間に、

ロープウェイの建物の中で、

トイレ休憩や着替えなどをし、さっとお土産を購入。

そして定刻通りバスが出発。

さらばアルプス、また近々。

高度を下げるにつれて天気も回復し、

ポカポカ陽気と疲労で、ついウトウト。

気付いたら高山市街へ入っていました。

11時少し過ぎに高山濃飛BSに到着。

 

まずは帰りの足の手配。

平日なので心配なさそうだけど念のため。

それから、下山したらほぼ毎回お世話になる「ちとせ」さんへ

焼そば弁当を買いに向かうも、まさかの定休日。ガーン。

仕方がないので、宮川あたりまで歩いて、

高山ラーメン飛騨牛の握り。

 

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あとは、みやげを大急ぎで購入して、駅へ。

ワイドビュー飛騨で名古屋までドンドコ。

帰阪は16時と、晩ごはんに間に合いました。

 

ということで、天候にはあまり恵まれませんでしたが

仲間の再会と激励もでき、黒部源流の絶景を歩くこともでき、

今季初アルプスとしては上出来ではないでしょうか。

これなら折立から初日雲ノ平山荘まで行って、

翌日新穂高下山の1泊2日も十分行けそうだというのもわかりました。

(もったいないけど、時間がないからね)

 

で、やっぱり、雨が降ろうが、景色が見えなかろうが、

寝不足だろうが、やっぱり山はいい。山が好きだわ。

今年はまだあと何回かは行きたい。(行く予定)