記憶の残滓 by arkibito

「マジメにアソブ、マジメをアソブ」をモットーに、野山を駆け、コトバを紡ぎ、歌う。

DAN Meeets Vol.1 motoki tanaka × senoo ricky at Danke/段家 R.I.P.アントニオ佐々木

アントニオ佐々木さんという洒落男なギター弾きがおります。

時々youtubeで聴いていたり、twitterフォローさせてもらったり、

大好きなKANSAS CITY BANDの面々とのつながりがあったりで、

一度生で聴きたいなと思っておりました。

ちょうど年明けに、大阪・京都でライブがあるという事で、

大阪は千里丘の段家さんのライブを予約させてもらいました。

 

ところが前々日になって、

アントニオさんが東京のライブで倒れられ、

そのまま緊急入院されてしまいました。

お体の具合があまりよくないという事は知ってはいましたが、

後で知ったのですが、

実はすでに1年ほど前に半年の余命宣告を受けておられて、

最期という覚悟で、全国各地へライブに回っておられたのです。

一生涯ギター弾きであり続けるという強い強い信念が、

ボロボロになった体を突き動かしていたのでしょう。

 

そんな状況がツイッターなどから

色々と飛び交っていましたが、

ひとまずは無事安静で大丈夫ですというご本人のツイッターがあり、

皆ひと安心しました。

ただし、そんな状況ではライブどころか移動もままならないので

大阪・京都はもちろん、以降のライブも

すべて中止・未定となってしまいました。

ただ、それでは忍びないと、

アントニオさんを慕う高知のギタリスト・田中基希さんと、

京都のシンガーソングライター兼ドラマーのsenoo rickyさんが

急遽代打で大阪のライブ続行ということになり、

せっかくの機会なので、参加してきました。

 

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多分初めて降りるJR千里丘駅からすぐの路地の奥に、

なんとも楽しそうでオープンな段家さんがありました。

1ドリンクを注文して、中へ。

広々としたスペースがあって、

色んな面白そうなものが置いてある、

大人の秘密基地的な感じです。

 

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そしてゆるゆるとライブスタート。

まずは田中さんによる弾き語り。

ブルースな匂いが染みついた気怠い感じで、しっぽりと。

いかにもギター弾きといった佇まいが味わい深い。

 

続いて、senoo rickyさんによる弾き語り。

普段は、YeYe、山本精一、折坂悠太、川本真琴などのサポートで

ドラムをたたくのが本業 だそうですが、ギターもなかなか。

特に声量の効いた歌声も素晴らしかった。

(なじみのコーヒー屋でつくったという歌がよかった)

 

ラストはデュオで楽しく盛り上がり。

急遽の変更で、急ごしらえ的な部分もあったけど、

お店も演者もお客も和気あいあいとした

アットホームなライブでした。

 

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1月23日。

朝、佐々木さんがメンバーに連ねていたバンド、

モアリズムの中村さんのツイッターで、

アントニオさんが亡くなられたことを知る。

年明けの東京でのライブで最後の力を振り絞ってギターを奏でたのが

最後の演奏となったようです。

元気になられるようにと、応援のつもりで、

似顔絵を描いたのですが、

まさかその1週間もたたずに逝ってしまわれると思いもよらず。

ご冥福をお祈りいたします。

R.I.P.Antonio Sasaki.

 

 

 

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